次節はいよいよヤングダービーが開幕する。その前の資金稼ぎには男女混合で争われる「BOAT Boy CUP」は絶好のシリーズとなりそうだ。絶対的なV候補が不在で、シリーズは混戦ムード。波乱の予感が漂っている。

 期待値込みで長田頼宗をシリーズリーダーに指名したい。2015年のグランプリシリーズを制し、タイトルホルダーの仲間入りを果たした。今年も1月の多摩川、5月の丸亀で優勝を飾るなど、まずまずの成績を残しているが、同世代の桐生順平、毒島誠らに比べると、SG、G1戦線でのアピール度は物足りない。東京支部次世代のエースとしての地位を固めるためにも、何より結果が欲しい。切れ味鋭い仕掛けで優勝争いをリードする。
 近況の上昇度では馬袋義則に食指が動く。2012年のクラシック(当時は総理大臣杯)は、SG初優出、初Vの快挙を成し遂げた。闘争心を全面的に押し出すタイプではないが、大舞台でも動じることなくクールに立ち回る姿は、今でも強く印象に残っている。今期は優出ラッシュと絶好調。6月に大村、桐生を連覇し、7月の住之江も堂々のV。勝負強さも目を引く。いぶし銀のハンドルワークでファンを魅了する。兵庫勢では松井賢治の頑張りも見逃せない。
 白水勝也郷原章平榎幸司ら九州地区に多くの実力者がそろった。白水は2017年後期適用勝率で惜しくも7点には届かなかったが、参加メンバー最高の6.95を稼いだ。5月の当地は準優の1号艇を手にしながら3着に敗れただけに、リベンジに燃えている。郷原は芦屋の正月開催、2月の宮島をともにオール3連対の活躍でV。当地は2015年3月以来の登場と、調整面での影響が気掛かりだが、勢いに乗ってしまえば爆発的な強さを発揮する。郷原とは対照的に、榎は昨年9月に当地V実績を持つ。6月の住之江周年でのフライングを喫し、その影響がやや不安材料だが、有力なV候補の一角と言えそうだ。
 原田篤志も虎視眈々とチャンスをうかがう。2015年のダービーではSG初優出ながら3着の実績を残し、大きなインパクトを与えた。2014年2月の下関周年、2015年2月の中国地区選手権で準Vと、G1制覇にはなかなか手が届かないが、今後も大きなステージでの活躍が期待される1人でもある。近況の蒲郡は低調機とコンビを組むケースが多く、結果には恵まれていないが、相性も決して悪くない。優勝の楽しみは十分だ。
 山口達也も不気味な存在だ。フライング過多にも悩まされ、近況は苦しいシーズンを過ごしているが、ポテンシャルの高さは誰もが認めている。外枠のケースでは大胆にコースを動くこともあり、まさに戦いぶりは変幻自在。どんな枠、どんな展開を想定しても外せない選手だ。
 女子レーサーが奮闘すれば、シリーズは大いに盛り上がる。三浦永理高橋淳美櫻本あゆみら多彩な顔ぶれがそろったが、その中でも三浦に大きな期待が集まりそうだ。今年は優勝こそないが、「テクニカルエリー」のニックネームが示すように、ターンテクニックは女子の中では頭ひとつ抜けている。当地は2015年4月、2016年12月に優勝を手にするなど、好相性を誇る。広大な水面も味方に多彩な攻めを繰り出し、流れを引き寄せる。
 地元勢では安藤裕貴に注目したい。6月の当地で優出を果たすなど、近況はペラに確かな手応えをつかんでいる。たとえエンジンが仕上がらなくても、天性のスタート力の持ち主。常に攻撃的に仕掛ける姿勢は、ファンの支持も厚い。豪快な走りでシリーズを盛り上げてくれそうだ。

ピックアップレーサー

4370/山口達也

「水面の曲芸者」

 ヤングダービー開催一節前となった。そこで今年30歳となり卒業となったが、直近のヤングダービーで奮闘した山口達也に注目したい。この男の最大の特徴はやはり個性豊かなレースぶりである。その特徴が現れたレースは昨年、常滑ヤングダービー4日目の1Rである。枠なりペースで進入が進む中、先にダッシュに引いた3号艇の動きを見て、即座に内に入りこみ、3コースを奪取。そこからダッシュに切り替え、相手の艇を惑わせた。見事にコンマ10のまくりを決め、1着を勝ち取った。自分のペースに巻き込み、レース場を支配するレースは一度見たら、忘れることができない。強烈な個性を発揮し続けるだけでなく、レースの腕も見事なもの。2011年ダービーでSG初優出し、2013年ダービーでも優出を果たすという確固たるキャリアの持ち主だ。コース別成績はというと、満遍なく好成績を残しているが、特に5コースからの一着率が際立つ。逆に2、3着率が少ないという所も面白い。決死の角度で放つ、鋭いまくり差しには目が離せない。

【進入コース別成績(%)】

進入コース 1着率 2着率 3着率 4着率 5着率 6着率
1 57.4 14.8 9.3 3.7 3.7 5.6
2 13.6 29.5 9.1 11.4 15.9 20.5
3 18.9 13.5 10.8 10.8 16.2 27.0
4 23.1 17.9 28.2 10.3 7.7 12.8
5 23.1 3.8 0 15.4 34.6 23.1
6 0 9.1 0 36.4 18.2 36.4
算出期間:2016/9/1〜2017/8/17