大岳:それでは、優勝戦を振り返っていきたいと思います。1号艇上瀧選手、2号艇山崎智也選手、3号艇濱野谷選手、4号艇原田幸哉選手そして5号艇辻選手、6号艇吉川選手でした。原田選手はコンマ10、辻選手はコンマ11というスタートでした。
辻:僕は5コースで、4コースは原田幸哉くんでした。原田くんのスタートが早いのはわかっていましたから、僕はそれを連れて行くスタートをきらなくてはいけませんでした。
僕の方がレバーを握って全速になるのは早かったんですけど、原田くんの方が少し伸びていきましたね。その分、原田くんのスタートの方が早かったんだと思います。
大岳:そして1マークですが。
辻: 3コースがへこんでいるのが見えていましたから原田君が捲くっていくとは思いました。そのどこを差すかを考えていました。『1号艇を行かして差すのか、1号艇を抑えて差すのか』。それだけですね、1マークで考えていたのは。
大岳:そして本当に迷いの無い全速のターンでした。
辻:いや、迷いはありましたよ。ちょっとだけ迷いました。(笑い)
ほんの一瞬だけ迷いました。でもその一瞬がすごく長く感じられました。人生、生きていると一瞬がすごく長く感じるときがありますよね。コマ送りみたいに見える一瞬がこの1マークでした。
大岳:1マークまわったときは、勝利を確信されましたか。
辻:いえ、道中最後まで原田くんがすごいスピードで追いかけてきましたからまったくそんな気持ちはありませんでしたし、必死で走っていました。ゴールした時は、僕の足がつっていましたからかなりの力が入っていたんだと思います。
大岳:水神祭の時の気持ちはどうでしたか。
辻:すごい嬉しかったです。このとき投げてくれたのが、愛知の新美さん、原田くんだったんですよ。オーシャンカップは地元の選手が優勝したいレースだと思います。
心の中では、くやしいと思いながらそれを押し殺して僕の優勝を祝福してくれて本当に嬉しかったです。愛知県の選手の懐の深さをすごく感じました。だから愛知の選手にはすごく親しみを感じます。
大岳:今年は地元の宮島周年にも優勝されました。
辻:はい、地元のGI優勝も本当に嬉しかったです。4日目ぐらいからずっとプレッシャーでした。優勝戦も結局地元は僕だけしか乗れませんでしたし1号艇でしたから、すごいプレッシャーでしたね。やっぱり、地元GIで勝てたことは本当に自信になりましたし、嬉しかったです。
大岳:そして、競艇選手なら誰もが憧れる賞金王決定戦に出場されるわけですけども。
辻:そうですね。競艇選手なら一度は乗ってみたいレースだと思います。
大岳:賞金王決定戦という場所はどんなところですか。
辻:そうですね。選手はみんな笑っていますけれども、後ろを向くと刀を持って立っているような感じでしたね。(笑い)僕は、さっきも話しましたが何も考えていないときが一番いいレースが出来ると考えているので、『落ち着け、落ち着け』とひたすら自分に言い聞かせていました。(笑い)
まわりは、すごい選手ばかりでしたからね。賞金王決定戦のレースは毎日がSGの優勝戦のような感じですからね。
大岳:残念ながら決定戦には残れませんでしたが、順位決定戦では見事に一着でした。
この1勝は今年の辻選手にいい感じでつながるんではないですか。
辻:そうですね。でも、あの場所に立てばやはり決定戦の6人に残りたかったです。
大岳:今年、その夢を実現してください。
辻:その積もりではいますが、去年賞金王決定戦に出なかった実力のある選手たちが今年は出てくると思いますので、そんなに簡単なことではないのはわかっています。だけど、あの場所に一度立ってしまうと、病み付きになっちゃうんですよね。あのピリピリした雰囲気も僕は嫌いじゃないので、やはり出たいです。去年の年末は心も体もズタボロにされましたが何か、『生きてるな』という感じでした。
大岳:最後になりますが、蒲郡のお客さんに一言お願いします。
辻:SGを初めて獲らせていただいた場所ですし、オーシャンカップの表彰式での皆さんの声援を聞いて本当に涙が出そうになりました。蒲郡ではということではなくて、どんなレースでもどんな状況でも自分のベストを尽くして優勝できればそれは最高の結果ですし、出来なくても自分から逃げることなく自分のベストをつくして頑張りますので、これからも応援してください。
大岳:辻栄蔵選手のインタビューでした。ありがとうございました。
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