一年に一度の蒲郡巧者集結シリーズ。今年は名古屋グランパス30周年記念カップとして開催される。モーター、ボート、プロペラが更新されて2節目。乗り手も予想する側も手探り状態の中で行われる。

 7月から適用されている勝率で出場選手ナンバーワンは秋山直之。蒲郡55周年を含むG1で5勝の実力者で今年もオールスター(予選敗退)、グランドチャンピオン(準優3着)とSG戦線を渡り歩いている。7.54のハイアベレージが示す通り、1マークのキレ味、道中の猛追撃と多彩な技を持っている。主役の座は揺るぎないか。
 前期に大ブレイクしたのが三浦敬太。自己最高勝率を残し、その内容も素晴らしかった。期始めの桐生を皮切りに、1月、3月も桐生で優勝。3月には住之江でもトップゴールを決めておりトータルで7優出4優勝。ナイター開催を全て優勝と、当地に参戦する上で頼もしい限りだ。
 9期振りにA1へ返り咲いたのが北川潤二。エンジン出しが快調だったことが要因だが、それ以上に目を見張ったのが積極的なコース取り。深い起こし位置から繰り出す粘り腰は師匠の赤岩善生譲り。今期に入って5月の浜名湖で4年振りの優勝。同月の大村G2モーターボート誕生祭では準優6号艇から3コースに潜り込み2着を確保した。優勝戦は4コースから5着だったが、強気な前付け策をアピールした。まだ地元での美酒を味わっていないだけに、今回は優勝だけに照準を合わせて臨むか。
 秋山以外にも蒲郡で優勝歴のある選手が目白押し。松崎祐太郎は2014年ファイナルカップで優勝。2018年にはダービーでSG初出場するなど、九州の選手ではあるが蒲郡は縁を感じるレース場だ。
 当地でハイパフォーマンスを魅せるのが梶野学志。2020年11月の優勝戦では1号艇で痛恨のスリットオーバー。だが、約1年後に再度ファイナル1号艇を奪取してリベンジVに成功した。コース不問のコーナーワークは舟券推理から外せない。
 蒲郡は4優勝の荒井輝年。1999年9月を手始めに直近では2017年に優勝を飾っている。エンジン出しへの情熱が衰えず、常にプロペラを研究している成果だろう。
 当地では優勝を飾っていない鈴木博だが、緩急自在な立ち回りでファイナル進出率は高い。ベテランになってもスピードの衰えは感じない。堅実さなら深井利寿。ボートを操縦する技術が高く、展開を突くのがズバ抜けて巧い。
 東京支部の飯山泰北山康介は、A1からA2に降級してしまったが、決して地力が落ちた訳ではない。まだ始まって2カ月だが、A1ペースに軌道修正を果たしている。
 最後に地元の愛知勢は、前節に引き続き大挙12名がエントリー。A1は北川のみだが、野中一平野口勝弘平見真彦は、いつ来ても地元戦士として恥じないレースを披露する。野中はフライング持ちでの参戦になるが、1本なら大幅な割り引き材料にはならない。野口は昨夏に大けがをして4カ月半も戦列を離れたが、復帰後にA2ボーダーをクリアするなど、調子は悪くない。平見は前回2月に蒲郡初優勝。得点率トップ通過からVロードを歩んだ。虎視眈々と当地連続Vを狙っている。
 他にも吉島祥之広瀬聖仁川上聡介は一発力を秘めており、しばしば大物食いのシーンを演出する。また、畔柳俊吾永田郁弥横井健太も蒲郡水面だと評価の割増しが必要だ。
 登録から2年が経過した沼田大都と1年の成貞琳平は、デビューの地で水神祭を狙う。