恒例のお盆開催は「オール愛知」で行われる。地元の精鋭が意地とプライドをかけ、ファンの前で熱いバトルを繰り広げる。新エンジン、新ボートになって4節目。まだまだエンジン相場が不透明だけに、波乱の要素も少なくない。

 優勝争いは磯部誠が1歩リードする。今年は2月の常滑G1東海地区選で見事にV。インの池田浩二がフライングを切り、恵まれでの優勝だったが、大きな自信を手にした。5月の宮島SGオールスターは堂々の予選トップ通過。準優はスリット隊形の不利もあって5着に敗れたが、SGでも力が通用することをしっかりと証明した。当地は21優出8Vを誇るドル箱水面だ。エンジンを強力に仕上げ、切れ味鋭い走りで優勝へ突き進む。
 上昇度なら柳沢一も負けていない。6月のグランドチャンピオンは1走目こそ6着に大敗したが、そこからメンタル、機力を立て直し、通算6度目のSG優出を決めた。優勝戦は6コースから4着に敗れたが、節間を通じて存在感は示した。当地は7月に出走し、すでに新エンジンは経験済み。持ち味のスタート力をフルに発揮し、V戦線を盛り上げる。
 仲口博崇が2022年後期適用勝率は参加メンバートップの7.52をたたき出した。近況はなかなか優勝には手が届かないが、昨年は年間6Vを量産するなど、力は衰えていない。当地の調整のノウハウは知り尽くしている。ピット離れを仕上げ、コース取りからレースの主役を務める。
 黒野元基が勢いに乗っている。6月の桐生で優勝を手にすると、6月の児島ルーキーシリーズ、7月の鳴門ルーキーシリーズで連続V。才能が着実に開花している。4月の当地G1周年でも予選を突破するなど、大舞台でも物おじすることはない。強気な仕掛けでファンを魅了する。
 岩瀬裕亮も虎視眈々とチャンスをうかがう。今年の優勝は3月浜名湖の1回のみ。5月の浜名湖でフライングを切るなど、いまひとつ波に乗り切れないが、当地は通算5Vを誇る得意水面。調整、スタート勘に狂いはない。卓越したターンテクニックを駆使して貪欲に優勝を狙う。
 鈴木勝博も有力なV候補だ。当地のお盆シリーズは2018年に優勝の実績がある。勢いに乗った時は爆発的な強さを発揮する。今年はここまで優勝がない。後半戦に向けて流れを変える意味でも、是が非でも結果が欲しい。天野晶夫は4月のPG1マスターズチャンピオンで優出を果たし、健在ぶりをアピールした。2022年後期適用勝率も7点をオーバーするなど、安定感は抜群。大崩れすることは考えられない。
 北川潤二が7月にA1復帰を果たした。5月の浜名湖では約4年ぶりに優勝を飾るなど、リズムアップが止まらない。コース取りからシビアに立ち回り、レースを面白くする。底力なら河村了坂元浩仁も引けを取らない。河村と坂元は共に6月の戸田でそれぞれ優勝をゲット。近況のムードも悪くない。シャープな攻めから目が離せない。
 スタート自慢の佐藤博亮もV候補の一角。吉田裕平も柳沢同様、新エンジンを経験していることが大きなアドバンテージになる。杉山裕也新美恵一宇佐見淳池田雄祐はもちろん、当地のゴールデンウイーク開催でデビュー初Vを決めた中野夢斗ら若手レーサーの活躍にも大きな期待が集まる。