夏真っ盛りの8月第2弾は「名鉄バス杯争奪戦」。A1級8人をはじめ、45人の選手が出場して、6日間に渡って熱戦が繰り広げられる。

 シリーズをけん引するのは笠原亮だ。2020年8月に浜名湖で大けがを負い、約1年2カ月もの間、レースから遠ざかったが、復帰戦の昨年11月・浜名湖一般戦ではいきなり優勝してみせた。しかも8戦6勝、オール3連対という抜群の成績。その後も前期は92走して勝率7.12のハイアベレージを残し、7月からはA1級にも復帰を果たしている。
 笠原と言えば、「ガマハラリョウ」と表現されるほど、蒲郡を得意としている。2005年の開設50周年や2008年の東海地区選手権などG1を2勝、それ以外にも勝利を重ね、当地V6を誇る。今期に入っても戸田G2モーターボート大賞で優出(5着)も果たしており、近況の調子は上々。今回もその勝負強さを見せつけてくれそうだ。  対抗には馬場剛を推す。前期マークした勝率7.31は笠原をもしのぐ好成績。非凡なスタート力を生かした速攻が売りだが、際立つのは6着の少なさだ。何しろ前期は124走して、1着41本。それに対して6着はわずかに1本しかない。いかに諦めない走りを日ごろから実践しているかがわかる数字だろう。当地も昨年は2節走ってともに優出と相性もいい。
 馬場以外にも今節は東京支部の強豪が目立つ。4期連続でA1級をキープしている若林将は、一昨年12月の当地一般戦で優勝実績がある。着実に地力アップした加藤政彦は前期キャリアハイとなる勝率6.52をマーク。自身初のA1級昇格を決めている。さらにもう1人A1級実力者は山本英志で、山本は当地前回の昨年12月の一般戦でもしっかりとベスト6入りを果たしている。
 迎え撃つ地元勢は都築正治佐藤大介の両ベテランに期待。特に都築は前回4月の当地一般戦ではまくりだけで節間5勝を挙げる豪快な攻めを見せ、準優勝。8戦6勝の固め打ちで期末に勝率をアップさせ、A1級返り咲きも決めている。
 佐藤は当地優勝こそ2018年1月以来、遠ざかっているが、昨年まで4年連続(6回)優出を果たすなど、コンスタントに結果を残している。今回も堅実な走りで、ファンの声援に応えてくれるだろう。
 地元では他にも鈴木幸夫川上聡介松竹大輔堀本裕也ら実力者が多数いる。積極的なコース取りから注目を集める鈴木は、8月10日に65歳を迎えるが、変わらず1着率の高さが目立つ。そして、2月の浜名湖で約5年ぶりの優勝を果たした川上もツボにはまった時の強さは目を見張るものがある。
 また、お隣の三重支部からも攻撃力自慢の選手が参戦する。2020年前期以来、5期ぶりにA1級復帰を決めたのは黒崎竜也。強力な伸びを武器に果敢に握ってレースを作る。他にも今年3月のG3KIRIN CUPで当地初優勝を飾った松井洪弥、アウト屋を卒業して、安定した成績を残している澤大介、カドから思い切った攻めが売りの平田健之佑、そして昨年の東海地区選手権でG1ウィナーの仲間入りも果たした松尾拓も、優勝候補に名を連ねるだろう。