9月の3節目は人気の高いコンテンツである三遠ネオフェニックス杯争奪ヴィーナスシリーズ第12戦「ムーンライトプリンセス決定戦」。人気と実力を兼ね備えた女子45人が集結し、華やかでスリリングな戦いを繰り広げる。

 シリーズの主役を担うのは田口節子だろう。昨年は年末のPG1クイーンズクライマックスで初優勝。2コースから果敢なまくりで大会連覇を狙ったイン・平高を沈め、クイーンの座についた。田口は2011、2012年にPG1レディースチャンピオンを制しており、夏、冬女子の2大タイトルをつかんだことになる。田口はこの蒲郡でも相性はいい。近況でも2019年8月のレディースチャンピオン以降、6節当地を走っているが、4優出、2V。そのレディースチャンピオンでもきっちりベスト6入りを果たしている。積極果敢な攻めを今回も期待できるだろう。
 田口に待ったをかけるのは地元の中心選手たちだ。細川裕子は昨年11月のG3オールレディースで当地2回目の優勝を飾った。それまではイン戦で勝ちきれないシーンも多かったが、準優勝戦、優勝戦と的確なスタートから他を寄せ付けることなく逃げ切って見せた。前回を含め、近況の蒲郡では5節中3優出と安定した成績で、また今年は7月の大村ヴィーナスシリーズで優勝と好調だ。宇野弥生ももちろんV候補の1人。当地ではなかなかベスト6入りを果たすことさえできなかったが、昨年6月のヴィーナスシリーズで優勝戦1号艇の座を獲得。そして優勝戦でもインからコンマ02の鋭い踏み込みで悲願の地元初Vを成し遂げて見せた。今年は4月の下関オールレディースで優勝。当地は8月末の一般競走も走っており、調整面でのアドバンテージもあるだろう。水野望美も勝ち上がってくる力はある。A1級にこそあと一歩届かない勝率が続いているが、当地では2018年2月、昨年11月のオールレディースなど優出を果たしている。今回こそ地元Vをと、気合を入れて乗り込んでくる。
 他の遠征陣も強豪は多い。今期好調なのは浜田亜理沙で8月27日時点で勝率は細川に次ぐ2位の7.33をマーク。優勝も6月の多摩川と7月の津、いずれもヴィーナスシリーズで2回優勝もしている。センター戦での決定力はライバルたちにとって大きな脅威だろう。昨年5Vと強さを取り戻した鎌倉涼もそつないハンドルワークが光る。今年は6月の住之江オールレディースで待望の地元初Vも飾って気持ちも乗っている。
 西橋奈未も前期は勝率7点オーバー。出走回数不足でA2級だが、男女混合戦で着実に力をつけている。
 田口と同じ岡山支部勢は層の厚さを誇る。堀之内紀代子は8月の津で通算1,000勝をマーク。7月の芦屋男女W優勝戦で優勝と調子もいい。金田幸子も5月の戸田G3オールレディースで優勝。そして昨年11月に産休から復帰した土屋南もさらに強さを増している。1月の児島ヴィーナスシリーズで地元初Vを飾ると、2月の浜名湖ヴィーナスシリーズでも優勝。枠に応じてチルトを跳ねる伸び仕様の調整も手に入れて攻撃力がアップしている。
 また、3月の宮島で約4年半ぶりに優勝を果たした三浦永理山下友貴の静岡勢に魚谷香織川野芽唯の福岡勢も怖い存在で、激戦は必至だ。