タイトルホルダーがずらりと集結し、白熱バトルは必至。女子レーサー、インファイターの存在もシリーズを大いに盛り上げてくれそうだ。また、期末の勝負駆けもいよいよ正念場。舟券作戦のためにも勝率がボーダー近辺の選手はしっかりチェックしたい。

 それでも、地元の闘将・赤岩善生が主役の座は譲らない。当地は通算26Ⅴを誇る得意水面。誰よりも特性を知り尽くしている。先月の開催では優勝こそ愛弟子の北川潤二に譲ったが、節間を通じて大いに話題を振りまいた。卓越した調整手腕の持ち主だけに、大崩れは考えられない。ダービーに向けて弾みをつけたいところ。内寄りからシビアな攻めを繰り出し、V戦線をけん引する。
 実績ならSG7冠の太田和美が1歩リード。7月のオーシャンカップで堂々の優出。先月の桐生G1は惜しくも準Vに終わったが、2コースから大胆に仕掛けて大いに見せ場を作った。勝負勘、テクニックはもちろん、スピードも全く衰えていない。まだまだSG戦線での活躍が見たい選手の1人でもある。
 中野次郎がリベンジに燃える。当地は先月に参戦したが、エンジン出しに苦しみ準優6着で涙をのんだ。しかし、今期はすでに3Vをマークするなど、リズム自体は決して悪くない。旋回力はSG、G1でも十分に通用する。前回の苦い経験を生かし、意地の走りで優勝を目指す。
 江口晃生の底力もまだまだ健在。今年はフライング過多に苦しみ不完全燃焼のレースが続いていたが、8月の桐生で優勝を飾るなど、調子は確実に上向いている。コース取りからシビアに動き、熟練のハンドルワークを披露する。吉川昭男も夏場以降、リズムを上げている。7月の徳山で優勝を飾ると、8月のびわこまで4節連続優出。唐津マスターズリーグでは今年2度目の優勝も手にした。江口同様、コース取りは必見。江口、吉川がいるだけでレースは面白くなる。
 平尾崇典にもチャンスは十分。コース不問の多彩な走りは魅力たっぷり。当地は8月に出走し、機力的には目立たなかったが、それでもしぶとく優出(4着)を果たした。新エンジンを経験したことは、調整面で大きなアドバンテージになるはず。変幻自在の仕掛けでファンを魅了する。
 蒲郡巧者なら坂口周も忘れてはならない。当地通算優勝こそ3度だが、コンスタントに優出を果たすなど、安定感は抜群。先月の住之江で優勝をゲットし、勢いに乗っている。松下一也の勝負強さも目を引く。2021年4月を含め、蒲郡は通算2度のV実績がある。攻撃的なレースに注目だ。
 女子レーサーにも実力者がそろった。地元の大瀧明日香は7月の開催では男子相手に優勝戦の1枠を手にしたが、惜しくも3着に敗れた。豪華メンバーを相手に悔しさをぶつけたい。出口舞有子の頑張りも楽しみだ。着実に地力はアップしている。どこまで力が通用するのか。思い切ったレースに期待したい。売り出し中の高憧四季の走りも見逃せない。
 地元の新美恵一丹下将も虎視眈々とチャンスをうかがう。渡邉睦広山本浩次も豊富な経験の持ち主。春園功太白神優上條嘉嗣藤田靖弘も優勝を狙えるだけのポテンシャルを秘めている。熱いバトルから目が離せない。