ベテランから若手まで。女子レーサーを含めて多彩な顔ぶれがそろった。熱いバトルから目が離せない。

 地元の鈴木勝博が優勝争いをリードする。2022年後期適用勝率は参加メンバートップの7.00。7月の桐生で優勝を飾るなど、近況のリズムは上々だ。8月のお盆開催は好素性機のポテンシャルを確実に引き出し、オール3連対で予選は堂々の首位通過を果たした。しかし、準優進出戦はインからスタートで後手に回り、まさかの6着。惜しくも準優入りを逃した苦い経験があるだけに、今節はリベンジに燃えている。旋回力、ペラ調整、エンジン出しの手腕は申し分ない。意地の走りで優勝へ突き進む。
 充実度なら山田祐也も負けていない。四国地区選は圧巻だった。単騎ダッシュとなった優勝戦はコンマ06のスタートを踏み込んで一気にまくり、初のG1タイトルをゲットした。その後も4月の丸亀、5月の福岡で優勝を手にするなど、安定して結果を残している。ダイナミックなレーススタイルはG1、SG戦線でも十分に通用する。今後の飛躍のためにも、一般戦では力の違いを見せつけたいところ。
 権藤俊光も着実に実績を積み重ねている。初優勝が昨年7月の下関。早くから素材の良さは注目を集めていたが、最後の最後でなかなか勝ち切れないレースが続いていた。しかし、今年はすでに優勝3回と、勝負強さを発揮している。決して派手さはないが、さばきは堅実そのもの。コース不問でどこからでも連に絡むことができる。大崩れは考えられない。
 女子レーサーのラインアップが豪華だ。地元の大きな期待を背負うのが細川裕子だ。当地は先月下旬のヴィーナスシリーズを戦っているだけに、調整面でのアドバンテージも大きい。ヴィーナスシリーズはインで取りこぼすことが多く、優出を逃している。男子の強豪相手にどこまで力が通用するのか。気迫の攻めは要チェックだ。
 長嶋万記三浦永理の静岡コンビにもチャンスは十分。長嶋は蒲郡通算9優出3Vと、相性は抜群。冷静かつ、大胆な仕掛けでファンを魅了する。三浦は細川同様、ヴィーナスシリーズを戦ったことが大きな強みになる。テクニックは男子顔負け。切れ味鋭い走りは必見だ。また、年末のクイーンズクライマックスに向けて賞金争いもそろそろ気になるところ。女子レーサーの頑張りがシリーズにアクセントを加えてくれそうだ。
 攻撃力なら君島秀三も忘れてはならない。スタート力は一級品。今年は優勝がないだけに、そろそろ結果が欲しい。滋賀勢では川北浩貴も注目の1人。2020年2月の近畿地区選で左上腕を骨折。約半年間レースから遠ざかるなど、大きくリズムを崩したが、状態は確実に上向いている。いぶし銀のさばきで優勝戦線を盛り上げる。
 SGタイトルホルダーの三嶌誠司野澤大二滝沢芳行も軽視は禁物。特に野澤は7月の当地は好スタートを連発し、見事に優勝を手にしている。後藤正宗は今期に入って絶好調。先月の戸田で優勝を飾るなど、勢いは止まらない。山本英志内堀学も優勝を狙えるだけのテクニック、スピードは秘めている。地元勢ではエンジン出しに定評がある黒柳浩孝、非凡な攻撃センスを持つ池田雄祐の走りも楽しみだ。