ボートレース界は11月1日から新期に突入。全てのレーサーが勝率や事故率がリセットされ、新たな目標に挑む。そんな新期第1弾は、7日間のロングランシリーズ。蒲郡の7日制と言えば、最近は5日目にベスト24選手による準優進出戦が行われていたが、今大会は5日間の予選を行い、6日目にベスト18選手による準優勝戦、そして最終日は優勝戦が争われる。そんな白熱の攻防戦にA1戦士が10名もあっせんされた。優勝候補の筆頭は池田浩二。今年は6月のグランドチャンピオン(唐津)でSG10Vを達成。この数年も第一線で活躍していたが、SGの優勝は2013年のグランプリ以来だった。2月東海地区選手権(常滑)でのフライングでG1復帰は12月からだが、各地でVラッシュと一般戦ではテクニックの違いをみせつけている。ここもぶっちぎりの優勝候補として堂々のエントリーだ。

 池田と同じくダービー帰りなのが本多宏和。冬場が得意で今期の適用勝率は7.44と自己ベストを更新した。モーター出しを得意としており、これからの季節は特にマークをしておきたい選手だ。
 蒲郡を大得意にしているのが吉田裕平。当地では2018年12月にデビュー初Vを飾り、2020年7月にはルーキーシリーズも優勝。今年8月のお盆開催では、地元の強豪選手を相手に堂々のレースっぷりでVゴールを決めた。通算5Vの内3つが蒲郡と相性は抜群。スケールの大きな走りでV戦線に加わるか。
 ダービーからの転戦組と言えば、土屋智則もその一人。今年は3月の常滑周年を優勝して2つ目のG1タイトルをゲットした。7月のG2芦屋モーターボート大賞の優勝戦でフライングをしてしまいペースダウンしたが、9月のG1桐生周年ではファイナル入りして挽回した。蒲郡は2019年12月から2021年4月にかけて3連続優勝といつきても活躍するイメージだ。
 前期(5月1日~10月31日)が好調だったのが松田祐季。ここ3期は7点アベレージを残せていなかったが、キレのあるコーナー戦でV字回復。10月には、G1児島周年で自身2度目のG1Ⅴを飾ったばかりで、この勢いで地元勢を撃破したい思いだ。
 東京支部のA1カルテットも舟券作戦からは外せない。代表格の一瀬明は、1999年に初めてA1に昇格してから48期間で42期もA1ボーダーをクリア。50歳を超えてもスピードの衰えはなく完成度が高い。かつての小林泰は、A1になったかと思えばB1に降級したりと成績にムラがあった。それでもこの2~3年は、常に6点台を稼ぐことが出来るようになり安定感が出てきた。前期はピリッとしなかった蜷川哲平加藤政彦だが、A1返り咲きへ気持ちを新たに参戦してくるだろう。
 近年はすっかりA1戦士の看板が板について来た竹田和哉にとって課題は優勝回数(通算3V)。勝負どころでのパンチ力を身に着けてスケールアップを果たしたい。
 今節は現級こそA2だが、前期に活躍した選手にも注目したい。10月の当地戦では凡機に手を焼いた上條嘉嗣。前期は6月にフライングをしてしまったが、その後の踏ん張りは見事だった。力を付けているだけに侮れない存在だ。松山将吾木村仁紀の滋賀支部コンビも機敏なコーナーワークで着実にポイントを稼いでいた。成長の伸びシロは十分なだけに今後も目が離せない。
 最後に愛知勢は、池田を始めとする主力トリオの他にも畔柳俊吾牧原崇鈴木裕隆高野心吾齋藤和政沓名貴輝笠間憲哉樋江井愼祐が参戦。地元水面で気合の入ったレースを披露する。