ルーキーシリーズは年間24戦組まれており、今節は第21戦となる。出場資格は登録6年未満だが、6年以上でも30歳未満のSG優出経験者を除くA級選手はオーバーエージ枠として最大6人まで出場できることになっている。

 今年のシリーズ覇者を振り返ると第4戦の宮島を馬場剛、5戦の鳴門を川原祐明、9戦の児島、10戦の鳴門を黒野元基、13戦の三国を澤田尚也が制している。
 優勝候補にはメンバー中最多となる年間V3の戦績を残している黒野を推したい。デビュー当初から展開の読みを駆使したまくり差しハンドルには定評があったが、年々地力を強化している。地元蒲郡では昨年6月、今年4月の周年記念で準優に駒を進めているように大舞台での実績も着々と積んでおり、SGデビューを果たす日もそう遠くはないだろう。
 前述したオーバーエージ枠で参戦する馬場、川原、吉田凌太朗らもV候補の一角として注目したい。馬場は屈指の速攻派で年間勝率7点超えに加え、平均STはコンマ12と抜群の速攻力を誇っており、コース不問で攻めの起点になれる存在だ。
 地元の吉田はスタート事故が多く、近況は3期連続でA2級にとどまっているが、ここ一番の勝負強さは兼ね備えており、当地では2019年4月、昨年2月と2回のV実績がある。
 板橋侑我は昨年の浜名湖G1覇者。あれから丸一年優勝から遠ざかっているだけに、そろそろ奮起に期待したいところ。川原は今年6回ルーキーシリーズに参戦して5優出と安定感が光っており、今節も優出戦線に絡んでくるだろう。
 レベルの高い九州地区でもまれ、メキメキと頭角を現しているのが佐賀の末永和也だ。今年の多摩川ヤングダービーではG1初出場初優出。道中は2番手まで浮上するも、準優勝目前のところで振り込んでしまい、6着に後退する憂き目に遭ったがその後も堅実に優出を継続。8月の津から5連続優出となった10月の若松ファン感謝3Daysボートレースバトルトーナメントでは3コースからまくり差して快勝。白井英治、田村隆信らを相手に初Vというのもいかにも大物感が漂っている。当地初参戦でどこまで大暴れするか楽しみだ。
 今年V2を決めている澤田、佐々木完太の両者も期待の逸材だ。澤田の武器はキレ味鋭い速攻力。佐々木は4月の浜名湖で初Vを飾った後の5月大村でG2モーターボート誕生祭を制している。他のA級勢では井上忠政溝口海義也中島秀治高岡竜也石原翼らがV戦線を賑わせてくれそうだ。  地元の前田滉は9月の浜名湖では峰竜太らを相手に6コースからまくってV。今後に自信をもたらす勝利となり、来年1月から適用される2023年前期には初のA1昇格を濃厚なものにしている。
 黒野、吉田、前田に続く他の地元勢は上田健太一色凌雅大場恒季川原涼らの奮闘に期待は高まる。当地フレッシュルーキーに選出されている一色は一般戦でA1強豪相手に強気なレースを披露することもあり、きっかけひとつで大ブレイクもありそうだ。
 ルーキーシリーズには次代を担う逸材を見つける楽しみもあり、意地とプライドがぶつかり合う握りマイの応酬を堪能したい。