ベテランから若手、女子レーサー、インファイターも多数参戦するなど、個性派がずらりと集結し、6日間に渡って熱いバトルを繰り広げる。シリーズは通常と違って準優6R制で争われる。準優勝戦はそれぞれ1着のみが優勝戦に勝ち上がることができるため、シビアなバトルは必至。過去には思わぬ高配当が飛び出すこともあり、見逃せないシリーズとなりそうだ。

 地元の岩瀬裕亮がV戦線をリードする。今年の優勝は一般戦の2回のみ。潜在能力の高さを考えれば、決して満足できる数字ではない。当地は8月のお盆開催に出走。準優勝戦の1枠を手にしたが、惜しくも3着に敗れてファイナル進出を逃しただけに、リベンジにかける気持ちは強い。非凡なターンテクニックをフルに発揮し、優勝へと突き進む。
 石渡鉄兵の安定感が際立っている。2023年前期適用勝率は参加メンバートップの7.36を稼いだ。大舞台で培った攻撃センス、勝負強さは一級品。マスターズ世代に入り、その立ち回りは円熟味を帯びてきた。当地は2018年5月に優勝を飾るなど、相性は悪くない。緩急織り交ぜた多彩な仕掛けから目が離せない。
 東京支部では齊藤仁梶野学志も有力なV候補だ。齊藤といえば、昨年10月の当地での優勝が記憶に新しい。5コースからコンマ11のトップスタートを踏み込み、鮮やかにまくり差しを決めた。どんなコースからでも勝負できるテクニックの持ち主だけに、大崩れは考えられない。総合力の高さが大きな魅力だ。梶野も蒲郡ではV実績があり、安定して結果を残している。スピード感あふれる走りでV戦線を盛り上げる。
 実績なら佐々木康幸中澤和志の名前が挙がる。佐々木は当地の2011年オーシャンカップでSG初V。しかし、その後はエンジン出しに苦しみ、蒲郡への苦手意識を公言することも少なくなかったが、10月の開催では機歴以上のパワーを引き出して準V。さすがの存在感を見せ付けた。今節も大活躍の予感が漂う。中澤の速攻力も全く衰えていない。蒲郡は9月に準Vを飾るなど、こちらも調整面で不安はない。
 西野雄貴は5月の丸亀でV。一般戦で優出を外すことは極めて少ない。実力的にもG1、SGでの活躍が見たい選手でもある。10月の徳山でのフライングの影響が気掛かりだが、強気な走りは見逃せない。当地巧者の坂口周、近況の充実ぶりでは地元の佐藤大介池田雄祐後藤正宗も決して引けは取らない。
 女子レーサーでは今井裕梨に大きな注目が集まる。6月の桐生ヴィーナスシリーズでうれしいデビュー初Vを飾ると、9月の鳴門ヴィーナスシリーズでも優勝をゲット。そして、1月には初めてA1に昇格する。その活躍は決してフロックではない。男子の強豪レーサー相手にどこまで勢いが通用するのか、楽しみは尽きない。また、松本晶恵の底力も軽視は禁物だ。
 地元勢では大瀧明日香の頑張りに期待したい。先月の当地では低勝率機と悪戦苦闘しながらも、最終的にはしっかりと機力を立て直した。苦しんだ分だけ、調整面で得たアドバンテージは大きい。今シリーズこそは大暴れを目指す。谷川里江も蒲郡の走りは知り尽くしている。経験値の高さを生かし、大胆な走りで波乱を演出する。