12月第2弾のシリーズは「中日スポーツ賞 第43回龍神杯」。前回大会が2月で、例年、年明けに開催されることが主流だが、今年はクリスマス前に、4日間の短期決戦で行われる。

 A1級が9人も出場する中で、期待も込めてV候補筆頭に推したいのは地元の若手・黒野元基だろう。2022年のトップルーキーにも選ばれていた黒野は、着実に成長を遂げ、今年の夏場に一気に覚醒した。6月の桐生で自身3回目の優勝を果たすと、6月末の児島、7月上旬の鳴門とルーキーシリーズで2節連続V。ルーキー戦での実力の違いを見せつけた。当地ではまだ優勝実績こそないが、昨年、今年ともG1周年記念では予選突破を果たすなど、結果も残している。それだけに、悲願の当地初優勝を達成して、迎える新年のさらなる飛躍へとつなげてほしいものだ。
 対抗には笠原亮を挙げる。笠原にとって、蒲郡は地元・浜名湖の10回につぐ、6回の優勝を数えるドル箱水面。昨年11月、顔面骨折などの大けがから約1年2カ月ぶりに復帰を果たしたが、その後もブランクを感じさせず3回優勝、すぐさまA1級復帰を果たすなど実力はまるで衰えていない。前期の勝率7.71も今回出場メンバー中、最高成績で、シリーズを引っ張っていける存在だ。
 当地相性という面では福島勇樹の名前も挙がる。福島はデビュー初Vが2003年7月の蒲郡だったが、それを含め当地で5回優勝がある。東京支部でもちろん平和島など関東のレース場を多く走ることが多いが、この5回優勝は24場でキャリア最多。ここ数年は美酒から遠ざかっているものの、毎回のように快速仕立てに仕上がる印象だ。福島は出走回数がわずかに足りず、級別こそA2級だが、勝率は6.43をマークしており、調子そのものも悪くない。
 他にも実力者はズラリ。23期連続でA1級をキープしているのは福岡の渡辺浩司前沢丈史も前期は勝率6.25でギリギリながら連続A1級を20に延ばした。ともにセンターから攻撃力があり、豪快なレースが持ち味だ。また「走る選手会長」としてA1級に復帰し、その座を瓜生正義にバトンタッチした上瀧和則もコース争いから見せ場を作ってくる。さらに地元の宮下元胤、級別はA2級でも末永祐輝北中元樹三宅潤小畑実成小野勇作らもツボにはまれば勝ち上がってくる力は十分にある。
 今大会は男女混合戦でもあり、女子も7人が出場予定。中でも注目は地元の実力派3人衆で、大瀧明日香は前期6.14の勝率をマークしている。谷川里江は前期期始めの2本のフライングで来期はB1級降格が決まってしまったが、まっさらな状態にリセットされれば別。新期は津でいきなり優出。伸びを意識した調整で、豪快なまくりで魅了してくれるだろう。また、水野望美も着実に力をつけ、昨年の当地G3オールレディースでは優出を果たしている。それ以外にも東京支部の富樫麗加西舘果里も女子戦では優勝実績があり、混合戦でも軽量を生かした走りで、高配当提供が期待できる。