年またぎで開催される、毎年恒例の「中日スポーツ杯争奪 新春特別覇者決定戦」。今年は大晦日の31日に開幕し、1月5日までの6日間に渡って熱戦が繰り広げられる。

 シリーズをけん引するのは地元・愛知の強豪・赤岩善生平本真之だ。今年はともにグランプリ出場こそ果たせなかったが、SG戦線で活躍。赤岩は6月のからつグランドチャンピオンで優出(3着)、平本は浜名湖ボートレースメモリアル(4着)、鳴門チャレンジカップで優出(6着)して、存在感を示している。
 赤岩は4月と5月の2度のフライングで2カ月レースから遠ざかったのが痛かった。そして、らしくなかったのは今年果たした3回の優勝の中に当地・蒲郡がなかったことだ。優勝は若松、からつ、福岡と九州ばかり。いつも以上に気合を込める蒲郡で、2021年9月以来の優勝を果たして、2023年を好スタートさせたいところだろう。
 平本にとっても今年は悔しいシーズンだったに違いない。2年連続のグランプリファイナリストとして迎えた2022年。優出はそれなりにあったが、なかなか美酒は味わえなかった。グランプリ切符をかけた最後のチャレンジカップでも優出。2着以上なら自力進出が可能で、4号艇からコンマ06のトップスタートを踏み込んだが、他艇と接触して万事休した。このまま1年間優勝なしなら2010年以来のことだ。当地の直近優勝は2021年6月のG1開設66周年。まだ記憶にも新しいが、今節も切れ味鋭いレースで主役を張ってもらいたい。
 他にも地元強豪はズラリといる。仲口博崇は2022年も11月までに3Vをマーク。しかもその優勝が4コースまくり差し、逃げ、3コース差しとバリエーションに飛んでいる。その柔軟性こそが、仲口のさらなる「進化」を感じさせる。岩瀬裕亮は前期6.92と変わらず高勝率をマークしているが、優出、優勝がともに1回というのは彼の実力を考えれば寂しい限り。ただ、昨年からの2年間で当地では5優出と安定した結果を残しているだけに、この新春の地元戦を復調の足掛かりにしてほしい。
 充実ぶりが著しいのが北川潤二だ。前期はキャリアハイとなる勝率6.83をマーク。優勝も前期だけで3回と量産した。北川にとって忘れられない勝利は9月の前回当地戦。師匠・赤岩と同じあっせんで、初戦の3着以外オール2連対で勝ち進み、優勝戦1号艇をゲット。2号艇の赤岩を相手に堂々の逃げを披露し、優勝、しかも師匠とのワンツーだった。今回もその再現なるか。
 他にも伸び仕様も含め様々な攻撃パターンを持つ杉山正樹、スタート巧者の野中一平伊藤誠二宇佐見淳永井源に差しテクニックある天野晶夫丹下将中村泰平前田篤哉、1月から4期ぶりにA1級復帰を決めている新美恵一もV候補に名前が挙がる。
 そして、今年の新春特別は遠征勢が多いのも特徴。45人中、18人が他支部の選手だが、兵庫支部の尾嶋一広小坂尚哉は地元勢の大きな壁になって立ちはだかりそう。2人ともまだ当地優勝はないものの、小坂は当地で3節前に、尾嶋は当地直近5節で2回ベスト6入りを果たしている。他にも静岡支部の渡邉英児重木輝彦濱崎誠らも地力はあり、激戦必至の6日間になりそうだ。