4日間の短期決戦は準優制で予選は2日目の10レースまで。3日目の9~11レースで準優勝戦が行われる。

 シリーズの主役を務めるのは田村隆信柳沢一の両者だ。田村にとって蒲郡はデビューして1年2カ月目に初Vを決めた思い出深い水面で、その後も2019年にG1開設64周年を制すなど3Vを決めている得意舞台だ。2022年は惜しくもグランプリ出場はならなかったが、10月の常滑ボートレースダービーで優出するなどSG戦線でも存在感を示しており、実績はこのメンバーでは抜けている。
 地元の柳沢一は当地直近5節のうち4優出2Vと堅調。2022年の平均STはコンマ12と速攻力は断然でコース不問の機敏な仕掛けでシリーズをリードする。年間16優出4V。その中には6月の唐津SGグランドチャンピオンも含まれており、高いレベルで安定している。走り慣れた地の利を生かして主役としてシリーズをリードしそうだ。
 田村、柳沢の「2強」に割って入る地力があるのは和田兼輔だ。8月の戸田では4コースからゼロ台の鋭発を決め、まくって優勝。この攻撃力が一番の武器で、アウトの時はチルトを跳ねた伸び仕様で一撃狙いができるのも強みだ。2021年7月の当地前回戦は優出して6コースから3着と舟券に絡んでおり、外枠時でも軽視はできない。
 新年から2023年前期勝率が適用され、級別も一新。A1復帰となる後藤正宗板橋侑我星栄爾の静岡トリオも優出戦線に絡んできそうだ。後藤は近況好調で9月の戸田、10月の多摩川で優勝。11月の当地前回戦では低調機を立て直しており、次につながる調整をつかんでいる。2021年の浜名湖周年記念でG1ウイナーの仲間入りを果たした板橋はその後、A2級に陥落したが、今期は6.72とキャリアハイの勝率を残しており、再度記念戦線での活躍を期している。伸び仕様を好む星栄爾はダッシュ戦でまくりが気持ちいいように決まっている時こそ好調の証しだ。当地は一般戦ではコンスタントに優出。2018年のSGボートレースダービー準優勝戦で6コースから3着と健闘しているように得意水面にしている。
 他のA1復帰組では広島の新田泰章にも注目したい。年間3Vは自己ベストで着実に勝負強さを磨いている。スタート力の観点からすると富永修一の踏み込みもなかなか鋭い。今節の中では柳沢と並び、平均STはコンマ12とスリット線での果敢な仕掛けには定評がある。12月の徳山優勝戦でのフライングは痛いが、コース不問で攻めの起点になるだけの速攻力を秘めている。
 他では江崎一雄春園功太寺本重宣岡村将也國崎良春廣瀬将亨澤大介らも優出戦線に絡んできそうだ。
 江崎は5年ぶりの当地参戦となるが、その前回戦ではVと実績を残している。春園は2019年5月の準V以降、当地で目立った活躍はないが、展開の読みを駆使した全速差しハンドルはA1相手でも十分通用するものがある。寺本は当地直近4節で2優出と得意水面にしている。澤は前期F2で苦戦し、90日の休み明けとなる12月から実戦復帰。現在は枠なり主体のオールラウンダーとなったが、アウトの時は伸び仕様で勝負をかけてくることもある。
 柳沢に続きたい他の地元勢は清水紀克鈴木裕隆高野心吾が参戦する。内寄り主体の清水は近況の当地では好モーターを引くことも多く、そろそろ結果に結びつけたいところだ。