2月は各地でG1地区選手権が開催される時期でもあり、普段はあまり他地区の一般戦に参戦しないSGクラスの大物が登場することも多い。今節はその典型シリーズで、ここ数年の中では最もハイレベルで豪華メンバーとなった一般戦といってもいいだろう。

 強豪が多数集結した中でも昨年末のSGグランプリに参戦した原田幸哉菊地孝平のビッグネームがキラリと光っている。
 原田はSGグランプリで決定戦まで進出して4着。ファイナルに乗ったことにより、SGの年間優先出場権を獲得している。言わずもがな蒲郡はかつての地元水面でもあり、今でも地元意識は強い。2021年8月のメモリアルを制して、念願の蒲郡SGタイトルを獲得。多くのファンを喜ばせた。当地の一般戦登場は2018年12月以来、約4年2カ月ぶりとなる。
 菊地は今期、2007年後期以来、自身2回目となる8点オーバーの勝率をマーク。SGやG1戦線でも高いレベルで安定していた証だ。昨年の航跡を振り返れば、8月のSGメモリアル、10月のSGダービーで優勝戦の絶好枠を獲得。いずれも勝ち切れなかっただけに、どうしてもそこがクローズアップされてしまうが、SGで2節連続予選トップ通過はなかなかできることではない。今年もSG戦線でも主役を張ってくれるだろう。
 原田と菊地を「2強」とみてもいいが、他のA1勢も豪華布陣だ。特に九州勢の層が厚く、日程的にここを走ってG1九州地区選に乗り込む選手が多い。岡崎恭裕深川真二前田将太らSG、G1タイトルホルダーだけでなく、安河内将村上遼。さらには売り出し中の若手、定松勇樹もいつもの一般戦なら十分、V候補筆頭としてピックアップできるだけのスピードを兼ね備えている。
 岡崎は昨年、地元福岡のG1を筆頭に5V。当地は2020年11月のSGチャレンジカップで準優勝の実績がある好相性水面だ。また、深川も昨年びわこG1を含めて6Vの戦績を残した。当地は前回戦となる2019年2月に初Vを飾り、全24場制覇を達成した記念すべき舞台でもある。今節も妥協なき前づけ策で進入から見せ場をつくってくれるだろう。
 大物ルーキーとの呼び声高い定松は当地初参戦でどこまでその実力の片鱗をみせることができるか。今期勝率は前期から大幅にアップさせて6.87。初のA1級昇格を果たしている。
 蒲郡巧者の福島勇樹や当地前回戦で優勝を飾っている渋谷明憲も優出戦線に絡んできそうだ。渋谷は昨年末に優勝してから次節のびわこでもオール2連対で優出して準優勝とプロペラが当たっている。
 地元勢は伊藤誠二丹下健平野和明服部達哉高野心吾らが参戦。いつもの一般戦に比べれば、上位陣の層が格段に厚いだけに優出戦線に絡むのは厳しいが、逆に格上相手の時こそ奮起の一発に期待したい。
 男女混合の5日間シリーズで軽量な女子の台頭が波乱を呼びそうだ。女子で唯一のA2級・永井聖美がどこまで見せ場を作れるか。当地は2021年2月以来、2年ぶりの参戦で前回は男女混合の一般戦で準優まで駒を進めている。原田幸哉と同じく永井も元愛知支部の人気レーサーだっただけに、走り慣れた蒲郡水面での躍動が楽しみだ。
 他の女子選手では黒澤めぐみ高田綾深見亜由美。当地初参戦となる若手・冨名腰桃奈らに穴党ファンは熱視線を注ぎたい。
 勝率7点オーバーの強豪が5人も参戦する豪華メンバーで、真冬のハイレベルなスピード戦の応酬を堪能しよう。