6日間シリーズの主役を務めるのは地元の岩瀬裕亮だ。今年はこれ以上ない幸先の良いスタートダッシュを決めている。年またぎの当地正月戦を11戦7勝で優勝を飾り、続く常滑でもV。連続優勝を決めて2023年はひと味違う走りを披露している。10月には当地でSGダービーが開催されるとあって地元強豪はそこを最大目標にする選手も多いが、岩瀬もその1人。ダービー勝率をアップさせるだけでなく、2020年にマークした年間8Vを超えるVラッシュにも期待したい。

 大舞台での実績を重視すれば寺田祥が断然の存在だ。当地は過去5年、直近4節はすべてSG、GⅠとあって目立った活躍はないが、一般戦のこのメンバーなら調整力と展開の読みは一枚上だ。着取りは1着量産タイプ。今節参戦のA級勢とは異なり、2、3着回数に比べて、抜けて1着回数が多いのはコース不問の鋭い決め手を表している。
 当地SGで優出実績ある下條雄太郎もV候補の一角に名を連ねている。2015年8月のメモリアルでSG初優出(4着)。翌年のSGグランドチャンピオンでも準優勝戦まで駒を進めているように当地は好相性の得意舞台だ。
 他のA1勢は大澤普司大橋純一郎中岡正彦新田泰章森永隆ら。当地巧者の中岡は直近3節で2優出。昨年1月には優勝を飾っている。そのレース内容も準優勝戦は3コースからトップスタートを決めてまくり快勝。優勝戦も前づけ艇を入れて3コースからまくり差しで突き抜けているように、速攻力と展開の読みは光っている。
 新田は当地前回戦となる1月には優出3着と健闘しており、今年2回目の当地優出を狙う。森永は1月の津で通算3回目の優勝。2期連続のA1キープへ向け、残り2カ月が勝負どころだ。
 若手で注目したいのは埼玉の畑田汰一だ。2月の江戸川GⅠ関東地区選では初日連勝発進を決め、6回目のGⅠ参戦で初のGⅠ優出につなげている。優勝戦では転覆失格を喫したものの、次のステップアップにはいい経験になったはずだ。当地は4回目の参戦で昨年4月の前回戦では初の準優進出を決めている。近況の上り調子なら当地初優出の期待も高まる。
 岩瀬に続きたい地元勢は佐藤大介中山雄太汐崎正則吉島祥之大須賀友らがV戦線にどこまで絡むことができるか。
 佐藤の当地近況は4節連続で準優2、3着が続いており、まずはしっかり勝ち切って優出を決めたいところ。吉島は近況モーター抽選運に泣くことも多いが、並のモーターなら優出戦線に絡むだけのスピードはある。
 伏兵では広島のベテラン谷勝幸が2月の宮島で3コースからまくって、白井英治らを撃破して約11年ぶりに優勝と勢いに乗っている。また当地参戦歴の多い長野道臣の当地堅実味は光っている。近況は7節連続で予選突破しており、穴党ファンにはおなじみの存在だ。前回戦、前々回戦ともに6コースから2回舟券に絡んでいるように外枠時の時こそ妙味を増す選手だ。
 川尻泰輔は足の負傷により昨年8月から約5カ月欠場し、今年1月の当地で復帰初戦を迎えた。「レース勘が戻るのはまだまだ」と語りながらも節間2勝をマークしたように地力はあるだけに、今節メンバーなら十分、優出圏内とみている。森安弘雅は今期B1から来期はA1昇格を狙えるペースできているように好調だ。
 新人で注目したいのは石渡翔一郎だ。父は今年のGⅠ関東地区選を制した石渡鉄兵。当地初出走となった昨年12月には6コースからまくって3連単7万円台の大穴を提供しており、穴党ファンは父親譲りの攻撃力に熱視線を注ぎたい。