日本財団会長杯は、優勝賞金が50万円もアップされる。選手からすると魅力の大会だろう。A1戦士10名を迎えて激しい攻防戦が繰り広げられる。

 優勝候補の筆頭は山田康二。メンバー中ナンバーワンの勝率を残し、今期に入っても加速するばかり。3月6日現在で8優出5優勝、昨年12月には唐津69周年記念を2マークで差し返して2つ目のGⅠタイトルを手にした。まだ蒲郡では優勝歴を残していないが、63周年記念では優出3着があり水面相性は問題ない。ひと味違った走りでVロードを突き進むか。
 今節は主力陣に97期が多い。実績面でリードする土屋智則は、2017年6月に江戸川周年記念を制覇。昨年は3月に常滑68周年記念をインから逃げ切りGⅠ2Vを達成した。当地との相性も良く、2019年12月から2021年4月にかけて3連続Vを果たしている。
 蒲郡での優勝歴なら池永太も経験済み。なかなか優勝戦に駒を進められなかったが、2020年2月に優勝を飾ると同年5月もV。GⅠタイトル(2015年三国62周年記念)も持ち、常にハイアベレージをマークしている。
 山口達也はGⅡ以上のレースでトップゴールを決めていないが、GⅠ優出は11回を数え、SGのファイナリスト(2013年平和島ダービー)にも名前を残す実力者だ。
 SGVの勲章を持つのが長田頼宗西田靖滝沢芳行の3選手。その中でも長田は今期も浜名湖、江戸川の両周年記念で優出(共に6着)とGⅠロードで活躍。外コースを苦にしない走りは安定感十分だ。
 昨年4月の蒲郡67周年記念で念願のGⅠVを飾ったのが渡邉和将。節イチパワーに仕上げ、中盤からの5連勝Vは圧巻だった。超攻撃型なため、どうしても事故点とは縁が切れないが、それでもストレート系を最大限に引き出すノウハウとレースっぷりは脅威の存在だ。
 攻撃力と言えば濱崎直矢もその一人。今期は100走して1着41本と攻めの姿勢が実を結び、7優出4V。来春のSGクラシックが戸田で行われることも刺激になっているのだろう。
 昨年、新開航の125勝に次ぐ2位の113勝を挙げたのが益田啓司。的確なスタートから繰り出す自在戦で白星量産を築くか。
 他ではマスターズ世代になっても思い切ったレースは健在の立間充宏も舟券作戦からは外せない。
 ホームの愛知支部に目を移すと、ヤング世代の黒野元基がエース格として迎え撃つ。今期はまだ優勝をしていないが、前期は5優出3Vと地力アップは顕著。過去には蒲郡からフレッシュルーキーに選出された経緯もあり、恩返しのVが待たれる。
 ベテランの天野晶夫は、前期F2をしてしまい16年間続けたA1から陥落してしまった。当地の正月開催から戦列に復帰して、まだ本調子とは言えないが、冷静かつタイトなコーナーワークは侮れない。
 宮下元胤は2期続けたA1から降格してしまったが、以前より堅実さが増している。また、ホームプールでは割増しが必要で大物を相手にひと泡吹かすシーンが見られそうだ。
 今年からA2の仲間入りを果たした伊藤紘章は今期も勢いを継続中。この調子ならデビュー初Vも遠くはないかもしれない。黒柳浩孝は通算4Vが示すようにツボにハマると大仕事を成し遂げるタイプ。一発の魅力を秘めている。
 他にも鈴木智啓菅沼佳昭木幡純也が地元水面で気合の入った走りを披露するか。