期末の勝負駆けもいよいよ正念場。ボーダー近辺の選手はモチベーションも高くなる。舟券対策として各選手の勝率はしっかり頭に入れておきたい。

 大阪支部の豪華メンバーが蒲郡に襲来。その中でもエースはもちろん、石野貴之。当地はGⅠ制覇の実績もあり、相性は上々。加えて近況のリズムも悪くない。2月の近畿地区選で優出を果たすと、3月のSGボートレースクラシックでも切れ味鋭いスタートを連発。優勝戦も4着に食い込むなど、大いに見せ場を作った。ゾーンに入った時の集中力、勝負強さはボート界でも比肩するものはない。気迫の走りから目が離せない。
 実績、経験豊富な丸岡正典にもチャンスは十分。近況はなかなか優勝には手が届かないが、昨年のSGオーシャンカップで優出を果たすなど、随所で勝負強さを発揮している。大舞台で培ったスタート、ターンセンスは健在。洗練された走りでファンを魅了する。
 次世代のエースとして期待を背負うのが上條暢嵩木下翔太の2人。上條は昨年のクラシック、PGⅠヤングダービーで準V。SGグランプリにも出場を果たした。グランプリでは結果を残すことができなかった、大きな経験を積んだ1年となったはず。今年は悲願のSG制覇も視野に入ってくる。一般戦では負けられない。木下はいまひとつ殻を破り切れていないのが歯がゆいが、本来はGⅠ、SGを主戦場として戦うべき実力の持ち主。意地の走りに注目したい。中村魅生小池哲也井上忠政も素材的には一級品。ただ、井上はF2の足かせが痛い。しのぐレースを余儀なくされそうだ。
 海野康志郎が強力大阪勢にストップをかける。重量級のハンディを補って余りあるターンテクニックを持っている。蒲郡に登場するのは2019年11月の周年以来。調整、スタートをいち早くつかむことができれば、優勝の可能性は十分だ。森野正弘も総合力は高い。決して派手さはないが、コース不問の的確なハンドルワークで流れを引き寄せる。
 勢いなら濱崎直矢も負けていない。昨年は6Vの大活躍。3月のクラシックでSG初出場、初勝利を飾った。不惑間近だが、選手として全盛期を迎えている。蒲郡ではなかなかエンジン抽選に恵まれないが、昨年8月には準優勝の実績がある。有力なV候補であることは間違いない。埼玉支部では黒井達矢向後龍一川尻泰輔も勢いに乗ったら白星を量産するだけのポテンシャルを秘めている。
 地元勢では宮下元胤天野友和に大きな期待が集まる。ともにA2に甘んじているが、実力的にはA1の資格は十分。走り慣れた水面だけに、調整面のアドバンテージは大きい。底力を秘める吉田健太郎、若手レーサーでは藤原孝斗の頑張りも楽しみだ。
 女子レーサーでは山下友貴若狭奈美子川井萌高橋淳美らがどこまで男子レーサー相手に力が通用するのか。山下は2月の当地のレディースオールスターは準優6着に終わり、惜しくも優出を逃した。今節はリベンジに燃えている。2月の浜名湖でデビュー初Vを飾った石原翼、ベテランの野長瀬正孝森竜也古場輝義らレース巧者がずらり。見どころ満載のシリーズとなりそうだ。