GⅢマスターズリーグは全10戦組まれており、蒲郡が今年度の第1戦となる。出場資格は満45歳以上で、優勝者には来年4月のプレミアムGⅠ「マスターズチャンピオン」の出場権が与えられる。

 SG戦線で主役を張っていたこともある古豪が多数参戦する。今節のA1主力にも個性派がそろっており、進入駆け引きの妙が一番の見どころでもある。
 主役には当地巧者の服部幸男を推す。2月の浜名湖東海地区選手権で準優勝するなど、GⅠでもV戦線に絡めるだけの力はあり、スピードは健在。昨年の三国PGⅠマスターズチャンピオンでも優出(5着)しているように地力は一枚上だ。
 当地は通算V5のうちGⅠ2回(2004年東海地区選手権、2009年ダイヤモンドカップ)、GⅡ1回(2013年モーターボート大賞)とグレード戦線でもしっかり実績を残している得意水面だ。近況も常滑、鳴門と連続優出と堅実だ。
 地元愛知勢はA1級の仲口博崇を筆頭に伊藤誠二天野晶夫らがV戦線をリードしそうだ。
 仲口は昨年1月の当地GⅢマスターズリーグでも優出(4着)している。2021年5月以来の当地優勝を狙って、コース取りから気迫のこもった走りを披露しそうだ。伊藤は今年すでに3回蒲郡を走っており、近況2節は準優4、3着で優出まであと1歩だが、持ち前の攻めるレースで活路を見いだしたい。スタート力が一番の武器だ。天野は昨年の三国マスターズチャンピオンで優出実績がある。また新美恵一は4月の児島で2節連続フライングを切っており、踏み込みで無理できないだけに割り引きは必要だ。
 関東勢ではSGウイナーでもある三角哲男平石和男の両者に注目したい。三角はスタートで仕掛けて鋭発一気の強攻策が一番のセールスポイント。対照的に平石は道中のコーナー勝負で追い上げて見せ場をつくるタイプだ。
 来期適用勝率でメンバー中トップの数字をマークしているのが馬袋義則だ。今年1月からの着取りを見ると1着回数18回に対して2着回数が33回。自力で攻め切るよりも、機敏なさばき技で展開の読みを駆使して上位争いに加わるケースが多い。
 正木聖賢は来期適用勝率を5点台半ばまで落としているが当地GⅠウイナーでもあり、水面相性を生かして優出戦線に絡んでくるか。山本浩次は当地を走る機会は直近5年間で2節と少ないが、2018年5月のGⅢでは準優勝と健闘。2節の平均スタートはコンマ12と鋭発連打で攻め込んでいる。
 当地近況成績で言えば直近4節で3優出とまとめている深井利寿の安定感も光る。また、丸尾義孝は2月の唐津から3月の三国まで近況3連続優出と堅調。スタート力を駆使したコース不問の攻めで勝機を見いだすスタイルに変わりはない。
 地元勢では他にも谷本幸司杢野誓良塩崎優司堀本裕也らも流れひとつで優出を狙えるだけの力はある。杢野は3月以降、平和島、徳山で2優出と近況リズムはまずまず悪くない。
 激戦必至の6日間シリーズ。枠なり主流のレースが多い中、歴戦の猛者による意地の張り合いを興味深く見ながら推理の妙を堪能しよう。