大山千広がV戦線をリードする。昨年10月に骨盤を骨折し、約4カ月間レースを欠場。復帰初戦となった2月の当地GⅡレディースオールスターは圧巻だった。レース勘、フィジカル面で不安を抱えながらも、堂々の優出を果たし、あらためて存在感をアピールした。先月の徳山では復帰後初Vを飾るなど、順調にリズムを上げている。蒲郡は2019年のPGⅠレディースチャンピオンを制した思い出のプールでもある。相性の良さも味方に優勝へ突き進む。

 地元勢では宇野弥生に大きな期待が集まる。昨年末の三国から2月のGⅡレディースオールスターまで6節連続優出。GⅢクイーンズクライマックスシリーズでも優勝を手にするなど、充実期を迎えている。かつては地元戦では気合が入り過ぎて空回りするケースも少なくなかったが、今の調子ならそんな心配は皆無。持ち味のスタート力、攻撃センスを存分に発揮し、私らしく優勝を狙う。
 中谷朋子の安定感が際立っている。昨年12月の浜名湖ヴィーナスシリーズ、2月の平和島GⅢオールレディースを制すなど、女子戦では大崩れは考えられない。当地は3月のGⅢオールレディースに参戦。惜しくも優出は逃したが、しっかり舟足を仕上げ、予選を3位でクリア。大いにシリーズを盛り上げた。卓越したハンドルワークから目が離せない。
 金田幸子も有力なV候補の1人。昨年9月の当地ヴィーナスシリーズはオール3連対の活躍で予選2位通過を果たしたが、準優はインからスタートを踏み込めず、5着で涙を飲んだ。今節はリベンジに燃える。勢いに乗ったら手が付けられないタイプ。パワフルな仕掛けでファンを魅了する。
 櫻本あゆみにもチャンスは十分。2月のGⅡレディースオールスターは予選敗退に終わったが、節間3勝をマークするなど、勝負強さを発揮した。3月のGⅢオールレディースも準優3着とあと1歩、優勝戦には手が届かなかったが、こちらも節間5勝を稼ぐなど、ファンの舟券作戦には貢献した。強気な攻めは必見だ。
 三浦永理は男子顔負けのテクニックの持ち主。洗練されたターン力を駆使して白星を量産する。当地は通算3Vの実績もあり、相性はいい。静岡勢では池田浩美も注目の1人だ。2020年8月に蒲郡で優勝の経験もある。大敗が多いのがネックだが、女子トップクラスの攻撃力を秘めている。
 魚谷香織滝川真由子廣中智紗衣も虎視眈々と出番をうかがう。経験豊富な魚谷、廣中はもちろん、愛知県出身の滝川にとって蒲郡は勝手知ったるプールでもあり、モチベーションは人一倍。シャープな走りは見逃せない。西澤日花里も近況は着実にステップアップしているだけに、楽しみな存在だ。
 地元勢では谷川里江水野望美にも期待が集まる。水野は2月のGⅡレディースオールスターは未勝利、3月のGⅢオールレディースでは準優3着で優勝戦進出を逃している。本来の実力を考えれば、近況の成績は物足りない。スタート、調整面のアドバンテージをフルに生かし、地元で浮上のきっかけをつかみたい。
 樋口由加里薮内瑞希も高いポテンシャルを持っている。森下愛梨川井萌も勢いに乗ったら初Vまで駆け上がる可能性を秘めている。女子戦だけに何が起こっても不思議ではない。熱く、可憐なバトルに注目したい。