実績、経験豊富な実力者がずらりと集結する。その中でも、カリスマ性なら松井繁が頭ひとつ抜けている。先月のSGボートレースオールスターで生涯獲得賞金が前人未到の40億円に到達した。2位の今村豊(引退)さんとは実に10億円以上の差がある。SGの優勝は2014年のボートレースクラシック以来遠ざかっているが、今年1月のPGⅠBBCトーナメントを制し、通算59回目のGⅠ制覇を達成。存在感は全く衰えていない。40億円到達は単なる通過点。これからも絶対王者としてボート界に君臨する。一般戦では負けられない。

 守田俊介にもチャンスは十分。先月の徳山で今年初Ⅴを飾った。SG、GⅠ戦線では苦戦が続くが、年齢を重ねてもスピードはまだまだ健在。同支部の馬場貴也、遠藤エミの活躍も大いに刺激になっている。当地は2018年のSGボートレースダービーを制すなど、相性も上々。卓越したターンテクニックの持ち主だけに、どんなエンジン、ペラでも乗りこなしてしまう。切れ味鋭い走りから目が離せない。
 地元の赤岩善生にもプライドがある。蒲郡での強さは圧倒的。今月上旬の記念は実績機とタッグを組んで看板レーサーに相応しい大活躍。惜しくも優勝は逃したが、ファイナルの1枠を手にするなど、大いに見せ場は作った。蒲郡での調整、スタートのノウハウは体に染みついている。ドリーム戦は堂々の1号艇で登場する予定。行き足を中心に強力に舟足を仕上げ、コース取りからシビアに動いて流れを引き寄せる。
 地元勢では柳沢一にも大きな期待が集まる。記念はエンジン出しに苦しみ、まさかの予選敗退。リベンジへの思いは強い。今年は1月の徳山GⅡモーターボート大賞で優出を果たし、4月の下関でV。一般戦ではコンスタントに結果を残している。非凡なスタートセンス、ターンテクニックを駆使し、優勝を目指す。
 渡邉和将の活躍も見逃せない。大会連覇を狙った記念は好素性機を引き当てながら不完全燃焼に終わったが、当地は通算3Vの実績があり、相性は抜群。今年の優勝は4月の児島の1回のみと、やや物足りない。再浮上のきっかけをつかむ意味でも、結果を出して勢いに乗りたい。調整の引き出しも豊富で、攻撃力も十分。パワフルな走りでファンを魅了する。
 近江翔吾も有力なV候補だ。昨年はPGⅠヤングダービーを含めて年間6Vと大ブレーク。3月のSGボートレースクラシックでは予選を突破するなど、大舞台でも物怖じしないレースを演じている。そろそろ今年初Vが欲しい。蒲郡は2019年9月に優勝を手にするなど、出走回数こそ少ないが、その中でもしっかりインパクトは残している。
 経験豊富な田中豪矢後剛山谷央、強気な攻めが光る内堀学ら東京支部勢の浮上も必至。地元勢では黒柳浩孝中山雄太前田翔の活躍にも期待が集まる。黒柳は蒲郡でのエンジン出しに定評があり、シリーズを大いに盛り上げてくれそうだ。今期優出ラッシュの中山、7月から初めてA1に昇格する前田も勢いは魅力たっぷり。
 ベテラン、実力者はもちろん、デビュー間近の132期ら若手レーサーも多く参戦する。トップレーサー相手にどんなレースを演じるのか。未来のスター候補生の走りをチェックするのも面白い。