地元の豪華メンバーがずらりと集結し、意地とプライドをかけて熱いバトルを繰り広げる。10月にはSGボートレースダービーも控えている。現行のエンジン、ペラ、ボートは先月に一新されたばかり。ダービーに出場する面々にとっては調整のヒントをつかむ意味でも、大事なシリーズとなりそうだ。

 実績に勝る池田浩二がシリーズをリードする。6月の当地GⅠ周年は4日目に痛恨のフライングに散っただけに、リベンジに燃えている。3月のSGボートレースクラシック、6月のSGグランドチャンピオン、先月のGⅡボートレース甲子園で優出を果たすなど、大舞台でもコンスタントに結果を残している。洗練されたターンテクニック、正確無比なスタート力は健在。気迫の走りから目が離せない。
 勢いなら磯部誠も負けていない。昨年は初出場のSGグランプリで大暴れ。ファイナルに進出し、堂々の3着に入った。今年の前半戦はやや苦戦が続いたが、6月のグランドチャンピオンをインから逃げ切り、悲願のSG初制覇を飾った。レースセンス、メンタルの強さは折り紙つき。蒲郡は通算8Vのドル箱水面であり、調整のノウハウは知り尽くしている。タイトルホルダーとして、地元ファンの前で恥ずかしいレースはできない。
 蒲郡の看板レーサーを自負する赤岩善生にも意地がある。6月のGⅠ周年はファイナルの1枠を手にしたが、吉田拡郎の差しに屈して惜しくも優勝を逃した。卓越した調整手腕は他の追随を許さない。通算26度の優勝を誇る蒲郡に限って、スタートで後手に回る危険性は極めて低い。コース取りから強気に動き、今度こそ優勝をつかみ取る。
 柳沢一も総合力の高さならメンバー屈指の存在だ。4月の下関で今年初Vを飾ったが、6月の当地GⅠ周年は予選で敗退するなど、実力を考えれば、満足できるような結果は残っていない。今年の後半戦に弾みをつけるためにも、何としても優勝が欲しい。切れ味鋭い走りは必見だ。
 本多宏和も有力なV候補の一人だ。昨年は常滑ボートレースダービーでうれしいSG初出場を果たし、いきなり開幕から連勝を飾るなど、大いに見せ場は作った。エンジン出しも巧みで、さばきに安定感もある。大崩れすることなく、優勝戦線を盛り上げてくれそうだ。
 岩瀬裕亮も虎視眈々とチャンスをうかがう。蒲郡は今年の正月開催でV。6月のGⅠ周年でも3枠でファイナルに進出するなど、安定して結果を残している。ターンテクニックは、十分にSGでも通用するレベルに達している。磯部のSG制覇も大きな刺激になったはず。さらなるブレークに期待したい。
 杉山裕也も前期は3Vを飾るなど、2023年後期適用勝率は6.91を稼いだ。近況はややリズムを崩しているが、底力は十分。大暴れの予感が漂う。北川潤二もすっかりA1に定着した。シビアなコース取りはもちろんだが、近況はターンの迫力も増している。先月の開催で新エンジンをすでに経験済みなのも、大きなアドバンテージとなりそうだ。永井源宇佐見淳前田篤哉佐藤大介伊藤誠二佐藤博亮の活躍も見逃せない。
 間嶋仁志森竜也松村康太ら地元勢以外にも個性派がそろった。完全アウェーの中、どんなレースを見せてくれるのか。今から開催が待ち遠しい。