月またぎの5日間シリーズで主役を務めるのは今年5Vの豊田健士郎だ。

 今年は津で3回、浜名湖と福岡を含め5Vと堅調。このまま順調に優勝回数を重ねれば、来年3月のクラシックで待望のSGデビューも見えてくる。今年はこれが当地3回目の参戦。1月のGⅢでは準優3着で優出はならなかったが、2019年のルーキーシリーズではV実績もあり、得意水面にしている。
 地元A1は池田雄祐前田滉の2人。2期連続でA1キープした池田の持ち味はやはりスタート力。今年1年間の平均STはコンマ13とさえている。
 前田は昨年11月のルーキーシリーズで蒲郡初優出。当地GⅠ初参戦となった6月の周年記念では9戦して未勝利に終わり、トップクラスとの実力差を痛感していた。その後、F2となり、事故率を下げることが最優先となったため、7月のからつGⅡではオール6コースでほとんど6着。今節も残念ながら着順よりも、無事故完走が課題となりそうだ。
 埼玉の小山勉もV候補の一人で当地の走りは堅実だ。2021年6月のGⅠ周年記念は序盤大敗続きで予選敗退となったが、2020年には連続優出を決めているように相性は上々だ。
 若手のころから速攻力光る鈴谷一平は2月の尼崎で松井繁のイン戦に対して、3コースからまくり差してV。センターからの鋭い攻めが最大の武器でもある。
 地元の山崎哲司は約1年間実戦から遠ざかっていたが、今年5月の津で復帰。4節目の浜名湖では、準優2号艇で乗り、節間6勝をマークしたようにレース勘はすでに取り戻しているとみていいだろう。休む前は3連続優出で優勝1回、準優勝2回とV戦線に絡んでおり、本来の実力を発揮できれば復帰後初優出もありそうだ。
 九州勢では竹井貴史溝口海義也のA1両者がV戦線に絡んできそうだ。昨年12月の平和島でデビュー初Vを決めた溝口は今年3月の戸田でも優勝。ルーキーシリーズでは主役を張れる存在で着実に地力を磨いている。
 竹井は当地4年9カ月ぶりの参戦でブランクはあるが、前回戦では優勝戦1号艇を獲得。結果的にはイン戦をものにできず5着と勝ち切れなかったが、水面相性は悪くないだけに、リベンジの期待は高まる。
 若手で一番勢いがあるのは滋賀支部の香川颯太だ。7月のびわこではデビュー初優出を初Vに結びつけている。その内容も秀逸。チルトを2度に跳ねて、3カドに引いてまくり快勝。今節もチルトを跳ねたまくり屋として注目したい若手有望株だ。
 三重支部の中山将はキャリアハイとなる5.81の勝率をマークして3期目のA2級となった。まだ優勝こそないものの、近況は優出回数も着実に増えており、初Vもそう遠くはないだろう。近況好調で来期初のA1を狙えるだけの勝率を残している。
 ベテラン勢では烏野賢太柴田光吉田一郎矢後剛らも熟練のテクニックを発揮して優出戦線に絡んできそうだ。矢後は伸び仕様のモーターを引いた時は、チルトを跳ねて見せ場をつくることも多い。7月の当地前回戦は4~6コース戦で4回走り、すべて3着以内にまとめている。
 今節はSG級のビッグネームが不在とあって混戦模様で推移しそうな5日間シリーズだ。