V候補筆頭格は当地ダービー王の守田俊介だ。蒲郡では2018年のダービーを制した後も一般戦を3回走ってすべて優勝と大の得意水面にしている。近況は2022年3月、今年7月と連続優勝中だ。7月の尼崎でフライングを切ってしまったが、1本ぐらい何のその。天性のスタート力を武器に鋭発連打で戦線をリードする。

 61歳の大ベテラン・西島義則も元気いっぱいだ。当地前回戦となる2022年1月のマスターズリーグでは優勝戦1号艇を勝ち取って優勝に結び付けている。妥協なき前づけ策から仕事場である内水域に入り込んで、常にレースのキーマンとして大暴れしそうだ。今年2回目の優勝を決めた宮島では3号艇でインを奪取して逃げ切りに成功している。
 地元A1は野口勝弘丹下将の2人。野口はデビュー15年目にして今期初のA1昇格を果たしている。2013年10月に当地で3連単51万円台の最高配当を提供した穴男のイメージが強いが、近況は着実に地力を磨き、5月の津では2回目の優勝も決めている。
 丹下は今年3回目の当地参戦となる。2月の時は準優を5コースから2着、優勝戦を6コースから3着と健闘。8月のお盆シリーズは、強豪相手に予選トップ通過から優勝と好走が続いている。
 他のA1勢に目を移すと若手の川原祐明は3期連続でA1キープと近況は着実に力をつけている。佐藤大佑は伸び型を好むタイプだけに、仕上がった時のアウトからの攻撃力には定評がある。
 竹田和哉は真夏に入って堅調で近況は戸田、丸亀と連続優出している。上條嘉嗣は年間の平均スタートタイミングはコンマ18とA1級にしては早いほうではなく、1着よりも2着回数の方が上回っているのは覚えておきたい。
 繁野谷圭介も上條同様に2、3着でしっかりまとめるタイプ。8月の当地前回戦では初戦で不良航法を取られたが、その後は11戦して一度も5、6着を取ることなく9回舟券に絡んでいる。
 2020年のPGⅠマスターズチャンピオンの覇者・村田修次は差し屋のイメージが強いが、2021年以降、平均スタートタイミングはコンマ14前後で安定しており、スタート力が向上している。
 また、一瀬明は当地のモーター抽選運が悪く、苦戦することが多かったが、もともとコンスタントに優出するタイプで、並のモーターなら十分優出できる実力はある。同じく東京支部の馬場剛は典型的な速攻派。コース不問で攻めの起点になるだけのスタート力を備えている。
 大阪の個性派・藤山翔大は2021年に年間V7と大暴れし、翌年にはSGオールスターに初選出された。しかし、F2を経験するなどスタート事故で苦しみ、近況はA2に甘んじているが侮れない。
 他の地元勢では中村泰平平見真彦も優出争いに絡んでくるだけの実力はある。中村は期初めとなる5月当地前回戦でフライングを切ってしまいその後、苦戦。近況の1着はほとんどイン戦で決めたものだけに、そろそろ流れを変えて、ダッシュから鋭い切れ味を披露したい。
 平見は昨年2月に蒲郡初Vを決めている。ただし、「誰が勝っても蒲郡初優勝」シリーズだっただけに、強敵ぞろいの時にしっかり勝って今後の飛躍につなげたい。
 若手では中亮太のスピード戦に期待したい。年々、優出回数も増えており、ルーキー世代では主役を張れる存在に成長している。約4年ぶりの当地参戦で前回は節間未勝利に終わったが、あの時よりもスキルアップしており、西島や守田らベテラン勢に対し、ダッシュ戦で真っ向勝負を挑むシーンに期待したい。