鈴虫の鳴き声が聞こえてくる今日この頃。これから紅葉の季節も迎え、秋本番に差し掛かる。その時季に「スポーツニッポン杯争奪 蒲郡ボート大賞」が開幕し、男女混合戦で行われる。確かな技術を誇るA級レーサーを筆頭に、攻撃力高い女子勢の台頭に注目だ。

 地元の要になりそうなのは河村了。毎年コンスタントに優出と優勝を重ねている。今年は2月常滑、7月多摩川で優勝。特に多摩川の優勝戦では3コースから「十八番」のまくり差しをさく裂させて制覇。センター戦でのハンドルさばきは秀逸で、勝機は逃さない。蒲郡では2021年の正月開催で優勝。優出実績も豊富で、調整も熟知している。要所で俊敏自在な攻勢を繰り出してVを目指す。
 河村と並び、地元で遠征勢を迎え撃つのは北川潤二。近年はA1に定着。スタート力の強化は顕著に表れていて、鋭い踏み込みからの白星が増えている。エンジン出しにも妥協はなく、あくなき調整と整備を駆使して水準以上の足に仕上げてくる。今年は1月芦屋、常滑で優勝。8月蒲郡では、現エンジンで優出しているのも大きい。しっかりとエンジンを仕上げて覇権を争う。
 10年以上A1をキープしている渡辺浩司。年々、スタートの精度は増している。今年は1月と7月の福岡で優勝している。安定感は光っていて、ターン技術に調整力と全てが高いレベルだ。複数の優出歴がある蒲郡で、当地初優勝を目指す。黒崎竜也はスタート事故が目立つこともあるが、果敢な踏み込みからの強烈ターンは魅力だ。スリットを臆せずに攻めていく姿勢でレースを支配。蒲郡は複数の優出歴があり、相性も上々だ。渋いハンドルさばきには定評のある吉田慎二郎。今期は初のA1に昇格。勝手知ったる蒲郡では2022年10月、今年1月と連続で優出中だ。地元は実力も割り増し。的確な攻勢でポイントを稼ぐ。
 地元で輝きを増すのは宇野弥生。今年は2月びわこで優勝。同月の蒲郡GⅡレディースオールスターではトップ級の選手と堂々と渡り合って優出を果たした。身上であるスタートの早さは女子屈指。コース不問の踏み込みから、強烈なターンを繰り出して主導権を握る。大瀧明日香は的確なハンドルさばきから、鋭い踏み込みも見せて、何でもできるオールマイティーぶりは魅力だ。古くは2019年蒲郡PGⅠレディースチャンピオンでは準V。蒲郡では現エンジンで3度目の参戦となり、調整面でも有利に働きそう。勝機を逃さずに巧腕を発揮して蒲郡初Vを目指す。女子勢の中で実績上位は金田幸子。2013年PGⅠレディースチャンピオンの覇者。8月鳴門で優出を果たし、調子は上々。柔軟な運びで白星をつかむ。
 攻撃力高い原豊土がダークホースか。近況はさばきに重きを置いているが、本来はダイナミックな攻めが魅力。勝負どころで豪快な攻勢を繰り出して存在感を示す。永田啓二は4月住之江、7月常滑で優勝。蒲郡では2017年12月に優勝実績も。的確な攻めで水面を制圧する。前野竜一は安定感光るさばきでポイントを加算。中越博紀中嶋健一郎蜷川哲平貞兼淳二は果敢な攻めで一発。松尾祭のさばきにも注目。森安弘雅浜野孝志は俊敏自在に攻めて進出。ベテラン内山文典も巧腕を繰り出す。