「食欲の秋」到来を告げる10月の第1弾は「幸田町長杯争奪 秋の美味筆柿レース」。順調に実りの時期を迎えた若手A1選手を中心に、5日間にわたって熱戦が繰り広げられる。

 中心に座るのはSG、記念戦線で早くから活躍する福岡支部の仲谷颯仁だろう。デビューから3年1カ月の2017年のグランプリシリーズ戦でSGデビューを飾ると、翌2018年2月の九州地区選で並みいる強豪を破ってGⅠ初優勝。その時はクラシックをはじめ、5つのSGに出場した。近年はその勢いこそやや落ちた感じだが、それでも前期はメンバー最高の勝率7.32をマーク。今年も2月の丸亀や4月の三国で優勝を飾っている。当地はさほど走る機会は多くないものの、2017年9月のヤングダービーではGⅠ初優出を決めた思い出深い水面で、6コースから準優勝と結果も残している。
 地元では吉田裕平がまずV候補に名前が挙がる。吉田は自身6優勝の内、3回がこの蒲郡。直近5節でも当地では3優出、1優勝と安定した成績を残している。
 地元からは他に池田雄祐前田篤哉野中一平も勝てるだけの力を持っている。特に池田は9月の当地一般競走で9戦7勝のピンラッシュで優勝を果たしたのも記憶に新しい。吉田同様に、当地直近5節は3優出、1優勝と頼もしい。いずれもボート界で活躍する前田3兄弟を引っ張る篤哉も巧みな差しハンドルには定評がある。また、野中のスタート攻勢も魅力たっぷりだ。
 遠征組も今シリーズは20代の若手が目立つ。昨年一気に10回の優勝を果たし、ブレイクしたのは新開航。今年はクラシックやオールスターでSGにも出場、優勝も6月のGⅢウエスタンヤングなど8月までに4回を数えている。一昨年11月の地元・浜名湖賞でGⅠウィナーの仲間入りを果たした板橋侑我も吉田、前田、新開と同じ1996年生まれだけに、ライバル心もあるだろう。
 他にも近畿地区からA1級が3選手参戦。2012年クラシックでSG優勝実績を持つ馬袋義則に、9期ぶりにA1級に復帰を果たした松井賢治小野達哉の3人だが、小野は2023年後期適用勝率において、自己最高に迫る勝率6.92(最高は7.03)をマーク。153走して1着本数が48本とメンバー中1位の仲谷ともわずか1本差で、勝ち切るレースが多くなっているのが魅力だろう。
 A1級ではないが、お隣三重支部の星野太郎東本勝利松尾充の3人もテクニックがあり、V戦線に加わるだけの力がある。
 福岡支部も仲谷、新開らに加え、岡村将也國崎良春木下大將とハイレベルな強力布陣。
 大阪支部の岡田憲行小池哲也は当地でなかなかのインパクトを残す。岡田は当地直近3節で2優出、1V。現行エンジン初下ろしだった7月の一般戦では優勝戦でチルト3度に跳ね、伸び型仕様にチャレンジした。また、小池は前回8月の一般戦で開幕6連勝を記録。予選首位通過、ファイナル1号艇もつかみ、初優勝に挑戦した。優勝戦では渡邉英児のカドまくりに屈し4着に終わったが、思い切りの良い攻めは気持ち良かった。今回は優勝戦の悔しさも晴らしてもらいたい。
 3節後には今年の蒲郡一番の目玉「SG第70回ボートレースダービー」も控えるが、ファンの方には節間通してエンジンの動きもチェックして、SG戦の舟券予想に役立てて欲しい。