蒲郡今年の一大イベント・SG第70回ボートレースダービーが終わると、いよいよ11月。その第1弾は当地恒例の企画レース「準優6R制!マンスリーBOATRACE杯争奪戦」だ。準優1着選手しかファイナルに勝ち上がれない、過酷なバトルは7日から6日間に渡って行われる。

 シリーズをけん引するのは清水敦揮だろう。2023年後期適用勝率はメンバー中最高の6.94の高勝率をマーク。10月31日までの今期も6点台後半と「安定高値」で推移している。清水は今年、蒲郡を走る機会も多く恵まれ、これが4節目。2月の一般戦では予選を首位通過。準優3着でベスト6入りはならなかったが、それでも最後までオール3連対を継続してみせた。また、前回8月の一般戦では3日目にフライングを切ってしまったが、その後4走を5、6コースからオール3連対。当地の走り、調整面も熟知していると考えていいだろう。今回は準優敗退した2月の雪辱も晴らし、当地初優勝を狙う。
 迎え撃つ地元勢は8人。現在A1級は3人で、宇佐見淳坂元浩仁吉田慎二郎と攻撃力ある選手が名を連ねる。坂元は6月の江戸川で通算21回目の優勝。当地優勝は2014年5月以来、遠ざかっているが、2節前に優出するなど結果は残している。宇佐見も優勝の美酒からは遠ざかっているが、スタートが年々速くなっている印象で、1着率が上がってきている。10月10日現在で、今期の1着本数は45本だが、これは2012年後期にマークした自己最多の期別1着本数47本に迫る勢い。準優6Rという、今回の勝ち上がり方式に適した選手とも言えるだろう。長期欠場明けで表記はB2級ながら、復帰後も6点台中盤の勝率を残している山崎哲司も実力は確か。近況、やや勝率を落としているとはいえ、中村泰平平見真彦畔柳俊吾牧原崇もV戦線に加わるだけの力は持っている。
 清水以外の遠征陣では関東から三角哲男小林泰秋元哲とA1級が3人出場。SG1V、GⅠ3Vと実績上位なのは三角で、今年もすでに優勝3回と結果を残している。三角哲男について特筆すべきは5月に行われた当地GⅢマスターズリーグの優勝。1号艇仲口博崇の勇み足による、恵まれでの1着だったものの、蒲郡では実に四半世紀ぶりのVだった。小林は昨年が平和島、常滑と2回、今年も1月の尼崎で優勝を飾っているが、いずれも4号艇での優勝。決まり手も抜き、まくり、差しとバリエーションが豊富だが、一撃の魅力という点では注目度が高い。
 他にも滋賀支部からはベテラン吉川昭男是澤孝宏柘植政浩と精鋭ぞろい。是澤は前期4期ぶりにA2級に陥落したものの、今期はメンバー中トップを争う7点近い勝率を残し、A1級返り咲きも濃厚。当地初優勝を目指す。静岡支部も大橋純一郎にベテラン金子良昭山田雄太石原翼ら実力者がラインアップ。着実に実力をつけてきているのは石原で、今年は2月浜名湖のデビュー初優勝に続き、6月の平和島でもV。現在はB1級ながら飛び級で初のA1級昇格も確実なものにしている。他にも三重の若手・中山将後藤盛也上原健次郎ら、伸び盛りの若手も多く、熱く、激しい戦いが期待できそうだ。