実力上位の湯川浩司がシリーズをリードする。湯川にとって蒲郡は思い出の水面でもある。2020年4月の当地GⅠ65周年は3カドから豪快にまくりを決め、堂々の優勝を飾っている。その時の1号艇は峰竜太だった。SGボートレースダービーで峰が通算100V、全場制覇を達成したのが何とも興味深いが…。いずれにしろ、湯川が残したインパクトは今でも語り草となっている。10月の常滑はオール2連対で優勝をゲットするなど、確実にリズムは上向いている。11月の若松GⅠ周年では強力なピット離れを武器に優出を果たした。調整の引き出しは多い。卓越したテクニックもフルに生かし、存在感の違いをアピールする。

 地元勢では佐藤博亮に大きな期待が集まる。蒲郡は直近5節で3優出と、安定して結果を残している。2020年4月には優勝戦の1号艇でフライングに散る苦い経験もあるが、天性のスタート力、ターンセンスは魅力たっぷり。平常心で普段通りのレースができれば、チャンスは十分。切れ味鋭い走りは見逃せない。
 岡山支部から強力メンバーが多数参戦する。入海馨は今年2V。9月のPGⅠヤングダービーでは1号艇でファイナルに進出したが、スタートを攻め切れず惜しくも3着に敗れた。悔しい思いを味わったが、大舞台での経験は今後の貴重な糧になるはず。関西高校時代には甲子園に出場するなど、勝負根性は一級品。2024年前期適用勝率は参加メンバートップの6.98を稼いだ。豪快な仕掛けでファンを魅了する。
 村岡賢人白神優も有力なV候補。村岡は今年の優勝こそ6月芦屋の1回のみだが、2月のGⅠ中国地区選手権では優出を果たし、3着に食い込んだ。今後はもっと大きな舞台で活躍が期待される選手でもある。攻撃的なレースは必見だ。白神は8月の唐津でV。その後も優出を重ねるなど、レースに安定感が出てきた。大崩れすることなく、シリーズを盛り上げる。岡山支部ではもう1人、森定晃史も要チェック。湯川が制した当地GⅠ65周年では優出し、3着に入っている。相性の良さは抜群だ。
 重野哲之の出番も十分。5月のびわこでの周回誤認によって4カ月の出場停止。今節が復帰戦だけに、モチベーションは高い。実力は誰もが知っている。当地は通算5Vと、しっかり結果を残している。レース勘にやや不安は残るが、底力の違いを見せつけたい。
 岡祐臣松井洪弥の三重コンビも虎視眈々とチャンスをうかがう。ともに非凡なレースセンスを持ち、エンジン出しもうまい。特に松井は昨年3月に当地GⅢ企業杯で優勝を飾るなど、蒲郡を得意としている。平田健之佑もポテンシャルは高く、侮れない存在だ。
 GⅠVの実績がある角谷健吾も忘れてはならない。ただ、当地は2020年7月以来の参戦だけに、調整面での不利は否めないか。一方、岡田憲行にとって当地は通算4Vを誇るドル箱水面。近況はチルト3度、ピット離れ仕様にしてレースに挑むなど、戦法のバリエーションが増えている。多彩な立ち回りでシリーズに貴重なアクセントを加えてくれそうだ。
 地元勢では吉田凌太朗の活躍に期待が集まる。SGダービーでの弟・裕平の活躍は、大いに刺激になっているはず。
 A1レーサーの池田雄一木村仁紀はもちろん、実績十分の中村有裕ら多彩な顔ぶれがそろった。寒空を吹き飛ばす、熱いバトルから目が離せない。