今シリーズは現級(2023年後期適用勝率)のA1レーサーは6名。単純に比較すると多くはないが、来年1月のA1は10名と好調選手がそろっている。白熱の攻防戦に期待が高まる。

 現級からA1キープなのが北川潤二松田祐季。北川は進入での起こし位置をオールスローにしたことにより、スタートが安定するようになった。前期の平均スタートタイミングはコンマ12、平均発順の2.2は今節のメンバーでは共に最速。加えてターンスピードも進化しており頼もしい存在だ。
 松田はGⅠ2勝の実力者。当地は昨年11月と今年2月の一般戦では平凡機に苦しんだが、4月と7月は機歴以上に引き出していた。モーターさえ仕上がれば、絶品のハンドルワークを駆使して蒲郡初Vに照準を合わせる。
 現在A2から来年はA1に昇格するのが8名。6.82のハイスコアを叩き出したのが高野哲史堀本和也。高野は2020年オーシャンカップ(鳴門)でのSG優出(6着)をはじめ、GⅠは3回、GⅡは4回の優出歴がある。まだタイトルを獲れていないが、オープンコースから繰り出す俊敏攻めは目を見張る。
 堀本は5度目のA1にして自己ベストを塗り替えた。ここ3年はA2とA1を行き来しているだけに、冬場の今期でA1勝率を残せたら本格化だろう。
 F禍で前々期はB1に陥落した藤山翔大だが、元の位置に帰って来た。前期の勝ち度数を調べると1着が36本に対して2着は8本、3着は11本と舟券はアタマに絞って買うのが正解だ。
 今泉友吾は4期ぶりにA1へ復帰。フライングは通算でたった1本とスタートで勝負するタイプではない。モーターのポテンシャルを引き出し教科書通りの走りでポイントを稼ぐ。
 デビュー15年で初めてA1ボーダーを突破したのが大須賀友。弟子をとったことで自身も見つめ直すことになり、ターン力が向上した。新期一発目の桐生では3コースから一撃Vを決めており勢いに陰りはない。
 河野大は2019年のGⅠ四国地区チャンプ。その後は快音が響いていないが、一般戦なら優勝候補の1人としてノミネートする。
 小池公生は6年前の師走に当地で優勝。通算優勝は5回だが、その内の3回が東海地区と方角がいいのだろう。久々を苦にしないのも強みだ。
 中嶋健一郎は5期ぶりのA1。前期は尼崎、若松で優勝といい頃の走りを取り戻している。当地も9月にファイナルまで駒を進めておりイメージは悪くない。
 A1からA2に陥落してしまうのが、丹下将奈須啓太下出卓矢福島勇樹の4名。丹下は当地のお盆開催を8戦7勝2着1本の準パーフェクトV。池田浩二との得点率トップ争いに競り勝ったことは称賛だった。ただし、最終的にはA1キープは果たせなかっただけに今期は返り咲きに燃えている。
 前期の奈須は2から3着が減って大敗が増えていた。それまでは、23期間もA1を守っていただけに地力は確か。巻き返す可能性は高い。
 下出はGⅠに入ると結果を残しきれていないが、2019年の平和島GⅠ周年を優勝しているように調整がハマると大仕事を成し遂げる。10月の当地戦ではストレート系を仕上げて優出3着。調整面のアドバンテージが見込めそうだ。
 2009年の浜名湖GⅠ周年を優勝している福島だが、蒲郡も5Vを挙げているドル箱水面。A1ボーダーには届かなかったが、10月のびわこ、下関で連続Vと秋になってベクトルは上向きだ。
 他では11月に続く当地参戦の三浦洋次朗は、温水パイプが装着されたモーターを経験済み。ターンスピードはA1戦士にもヒケを取らないだけに機力次第ではV戦線に食い込んで来るだろう。