ボートレース蒲郡の年末年始恒例の大会は「中日スポーツ杯争奪 新春特別覇者決定戦」。今年は大晦日の31日に開幕し、年をまたいで、4日まで5日間に渡って開催される。

 シリーズをけん引するのは平本真之赤岩善生の2枚看板だろう。平本は3月のびわこGⅡ秩父宮妃記念で優勝、6月の徳山SGグランドチャンピオンで優出するなど、安定した活躍で2年ぶりにSGグランプリに出場している。この新春レースは前回大会で序盤に苦しみ、よもやの予選落ちの屈辱を味わっただけに、今回は名誉挽回といきたいところだろう。
 赤岩は当地での強さはもちろんのこと、エンジン出しにさらに磨きがかかってきた印象。6月のGⅠ68周年では予選をオール3連対でトップ通過。準優もしっかり逃げ切って優勝戦1号艇の座をつかんだ。優勝戦では吉田拡郎の差しに2着惜敗したものの、シリーズ通して地元主軸としての責任を果たし続けた。続く7月の一般戦でもオール3連対で優出3着。またSGボートレースダービーでも早々に舟足を仕上げて準優に進出している。ただ、赤岩にとって痛かったのは8月の当地お盆シリーズ初戦でフライングを切ってしまったことだ。このフライングで三国SGチャレンジカップの出場権を失ったことにより、結果的にグランプリ出場も叶わなかった。悔しさはあっただろうが、また決意も新たに2024年の最高のスタートを切りたい。
 若手で最も期待されるのは吉田裕平。SGデビューとなった10月の当地ボートレースダービーでの活躍はまだ記憶に新しい。初日1Rのオープニングレースを逃げていきなり水神祭を挙げると、その後も2・3・4・2着とまとめ予選5位で準優進出。準優も2号艇で2着とし、いきなりSG初優出を決めて優勝戦でも4号艇で3着という好成績だった。吉田は昨年から当地では7節走って5優出(1V)と安定感抜群で、今回も大暴れが期待できる。
 他にも実力者がズラリ。岩瀬裕亮は前回大会の覇者で、今年当地3連続優出の実績を持つ。また理論派でレース巧者の鈴木勝博、積極的なコース取りから見せ場を作る北川潤二も名を連ねる。
 7点超の高勝率をマークし、1月からA1級に復帰してくる野中一平、前期3Vするなど着実に復調している杉山裕也、攻撃力がある佐藤博亮黒野元基も十分優勝できる力を持っている。また、堅実なさばきが売りの天野晶夫宇佐見淳永井源もA1級の実力者。出走回数は足りなかったが、山崎哲司も6点台後半の勝率を残している。
 新期からA2級に陥落してしまうが、丹下将池田雄祐も当地V実績を持つ。丹下は今年8月のお盆シリーズで準完全V。62号機のパワーをいかんなく発揮した。11月の当地名物レース「準優6R制」で優勝を果たしたのは中村泰平。他にもベテラン・古川誠之吉島祥之平野和明平見真彦らのハンドルさばきも的確だ。
 若手の奮起にも注目したい。前田滉は前期6、7月と立て続けにフライングを切ったことが原因で、勝率を大幅に落とし、A1級からB1級に降格したが、足かせも取れて、本来の実力を発揮してくる。成績右肩上がりの仲道大輔は5月の常滑で6コースまくりを決めデビュー初優勝。1月からは初のA2級にも昇格している。チルト3度など、調整の引き出しも多く、そこから繰り出す多彩な攻撃は魅力的だ。