シリーズは4日間の短期決戦で行われる。エンジン抽選、展開次第では、思わぬ伏兵が飛び出す可能性も秘めている。激しいバトルから目が離せない。

 男女のトップレーサーが多数参戦するが、実績的には坪井康晴が一枚上。マスターズ世代に入ったが、洗練されたテクニックは衰えるどころか磨きがかかっている。12月下関の優勝戦をインから制し、今年4度目のV。6月の徳山SGグランドチャンピオン、11月の大村GⅠ周年ではともに優勝戦で3着に入るなど、まだまだ大舞台でも力は通用する。エンジン出しも巧みで、大崩れする要素は特に見当たらない。ドリーム戦は1号艇での登場。的確なハンドルワークでファンを魅了する。
 岡崎恭裕も負けてはいられない。今年はなかなか優勝に手が届かないが、10月の当地SGボートレースダービーでは2勝をマークするなど、予選をクリア。随所に見せ場を作った。レースセンス、ターンテクニックは艇界トップクラス。コース不問の走りでV戦線を盛り上げる。
 攻撃力なら池永太の名前が挙がる。当地は直近5節で3優出2Vと、勢いが止まらない。伸びを強力に仕上げ、豪快な仕掛けを繰り出す。昨年のPGⅠヤングダービーチャンプ・近江翔吾にもチャンスは十分。さらなるブレークのためにも、しっかり結果を残して流れに乗りたい。
 女子レーサーでは三浦永理が唯一、ドリーム戦に名前を連ねる。2024年前期適用勝率は7.29を稼ぐなど、テク二カルエリーが完全復活。蒲郡は5月のヴィーナスシリーズを含め、通算4Vの実績がある。相性の良さも味方に、勝負強さを見せつける。
 高田ひかるはレース勘に若干の不安を抱える。フライング過多によって9月のPGⅠヤングダービーから約3カ月欠場。PGⅠクイーンズクライマックスで実戦に復帰したばかり。ただ、SGボートレースメモリアルで2勝を飾るなど、まくりの威力は女子レーサーの物差しでは測れない。当地は3節連続優出中の得意水面。大暴れに期待が集まる。
 地元の大瀧明日香宇野弥生も虎視眈々とチャンスをうかがう。大瀧は選考順位12位で際どくPGⅠクイーンズクライマックスの切符をつかみ取った。高田同様に当地は3節連続優出中と、さすがの安定感を誇る。男子顔負けのテクニックは魅力たっぷり。宇野も自慢のスタート力を生かした攻撃的なスタイルは健在だ。「私らしく」勝利へ突き進む。池田浩美大豆生田蒼も果敢な走りで躍進を目指す。
 大須賀友の走りも楽しみだ。1月にはデビュー初のA1に昇格する。エンジン出し、ペラ調整に関しては豊富なノウハウを持っている。調整面でのアドバンテージを生かし、大暴れを目論む。地元勢ではさばき堅実な牧原崇にも注目が集まる。スタート、速攻力自慢の伊藤将吉、着実に地力がアップしている金子萌はもちろん、静岡勢では後藤正宗吉村誠原豊土松下一也も底力は間違いなくA1級。気迫の攻めは見逃せない。
 末永祐輝森野正弘森永隆長尾章平ら山口支部勢の出番も増えそうだ。末永は先日、パチスロライターのみさおさんとの結婚を発表するなど、公私ともに充実ぶりが目を引く。森野、森永はともに今年2V。蒲郡での実績に乏しいのがやや難点だが、うまく調整がかみ合えば一気に突っ走るだけのポテンシャルは秘めている。