1月3節目のシリーズは「誰が勝っても蒲郡初優勝!エフエムEGAO杯 第52回家康賞」で、25日から5日間に渡って熱戦が繰り広げられる。

 タイトル通り、出場メンバー44選手中誰も当地でV経験はないが、中心を担うのは北村征嗣だろう。1月から適用される2024年前期適用勝率は7.05とただ一人7点オーバーの高勝率をマークし、6月と9月に住之江で優勝を飾っている。当地での相性も決して悪くない。ここまで11回の優出、途中3節連続優出という抜群の安定感も見せている。悔やむとすれば、当地を初優出した2002年1月の新春レースか。優勝戦1号艇を手にしたものの、2コースから新美恵一のジカまくりに遭い、6着と大敗している。
 A1級は北村も含めて6人参戦。実力者の多い福岡支部からは益田啓司長野壮志郎が主軸を担う。益田は昨年3月の当地戦が4年ぶりの登場、その前も約3年ブランクがあるなど当地を走る機会はあまりないが、それでも7回の優出がある。出場17節だけにその優出確率は約40%で走る際はきっちり結果を残している印象だ。一昨年の九州地区選を制し、GⅠウイナーの仲間入りを果たした長野は、当地を走る機会はもっと少ない。今回は2019年8月以来、約4年5カ月ぶり。水面特徴や調整法など素早く思い出して、持ち前の攻撃力を発揮してもらいたい。
 他には有賀達也妹尾忠幸金子拓矢がA1級。有賀は隣県・三重の津で毎回好走しているイメージだが、2023年は鳴門と宮島で優勝している。しかも驚くべきはその2回がともに6コースからの優勝。差しと抜きで制しており、決して恵まれでないところにすごさが表れている。しかも、これまで通算10回の優勝でイン逃げはわずかに2回。残る8回は4から6コースのダッシュ枠で挙げており、仮に優勝戦が外枠でも軽視は禁物だ。
 金子は前期F2と苦しみ、勝率、出走回数ともギリギリでのA1級キープとなったが、それでも90日のF休み明け初戦12月の津一般競走で優出するなど、その勝負強さは相変わらずだ。
 迎え撃つ地元・愛知支部からは10選手が出場。A1級こそ不在だが、V戦線に食い込んでくるだけの実力を持ったA2級がズラリといる。メンバー中、当地で最多16回の優出実績を持つのは古川誠之、スタート力がある天野友和に、出足を生かした的確なコーナーワークが光るのは吉島祥之で、吉島は8回の当地優出経験がある。さらに三浦洋次朗黒柳浩孝も攻撃力があるが、近況、目覚ましい活躍をしているのは前田聖文だ。前田は5月の江戸川でデビュー初優勝をマーク。この時は4コースからの恵まれだったが、12月の浜名湖では2回目の優勝も果たし、フロックでないことを証明した。しかも、オール2連対のまま、予選首位通過からの「王道V」。その直前の下関でも節間6勝をマークしているだけに、ペラに正解を出しているようだ。
 遠征陣でも先に挙げた選手以外に、SGタイトルホルダーの馬袋義則をはじめ、前野竜一江本真治の山口支部コンビ、さらにスタート巧者の星栄爾前出達吉南佑典松本博昭らテクニックのある選手が多数参戦。誰が当地で初めての美酒を味わうのか、今から楽しみだ。