ボートレース界の2月と言えば、全国6地区で開催されるGⅠ地区選手権競走。今年は2週間に渡って開催される。これにより毎年この時期の一般戦は、地区選の日程によってA1レーサーの配分が決定される。今回のビクトリーカップも例に漏れず、GⅠ関東地区選手権からのローテーションが5名。GⅠ九州地区選手権からは3名の配分となった。

 そんな中で福岡から参戦する岡崎恭裕が「ビクトリーDR」の1号艇にエントリーする。2010年のSGボートレースオールスター(浜名湖)でSG初制覇。翌2011年のSGボートレースメモリアル(福岡)では優勝戦でフライングをしてしまい、一時はSG戦線から遠ざかったが、すぐさま復帰して昨年もSGグランプリシリーズで優出(6着)するなど、長らく一線級で活躍している。蒲郡でも華麗なターンを繰り出し、通算7優出2優勝。2020年のSGチャレンジカップでは5コースからまくり差しで2着争いを制した。1月の日本財団会長杯は優出5着だったが、モーター機歴を考えるとさすがのテクニックを示した。間を空けずに参戦するだけにV候補の筆頭として期待が高まる。
 2号艇は須藤博倫。蒲郡は通算10優出4優勝、2014年には得点率トップ通過からGⅠVを飾っている。この年のGⅠ59周年は、GⅠ単独開催だったこともあり豪華メンバーが集結。ファイナリストは、井口佳典、瓜生正義、峰竜太、池田浩二、松井繁と蒲郡周年史上最高の優勝戦でしっかりと押し切った。相性のいい当地で躍動する。
 3号艇はSGタイトルを持つ中澤和志。今期の適用勝率(7.13)はメンバートップを誇っている。47歳になってもオープンコースから剛柔兼備の走りを披露。外枠でも舟券から欠かせない1人だ。
 4号艇の飯山泰は、3度のGⅠ優勝歴を残す実力者。近年は一般戦が主体になりつつあるが、安定した航跡を描いている。蒲郡はまだVゴールは決めていないが、13回も優出しており相性は悪くない。
 5号艇の齊藤仁もGⅠで3回、優勝ボードを掲げている。今期適用勝率は7点をわずかに割ってしまいトップの座は中澤に渡してしまったが、調子の浮き沈みが少ないタイプ。安定感の原動力はスタートとターンの精度だ。
 6号艇は今井貴士。11年前に九州チャンプに輝きGⅠウィナーの仲間入り。その2カ月後に行われたSGボートレースクラシック(平和島)では池田浩二の2着とフィーチャーされたが、その後は快音が響いていない。それでも、思い切ったコーナーワークは一般戦では一枚上の存在だ。
 SGやGⅠでの実績がないためドリーム戦からは漏れてしまった赤羽克也だが、今期適用勝率の6.86は立派な数値。これは9期前に残した6.59を越える自己ベストを更新しており地力アップが顕著だ。
 A1戦士のラストは三苫晃幸。かつてはB1とA2のエレベーターレーサーだったが、今期適用は3期ぶり2度目のA1に返り咲いた。こちらも、赤羽同様に自己ベスト(6.41)をマークしており、今期に入っても12月に丸亀で優勝している。
 A2では山室展弘藤生雄人荒井輝年松江秀徳蜷川哲平らがA1レーサーを相手に下克上をもくろむ。
 最後に愛知支部からは丹下将吉島祥之黒柳浩孝神田達也一色凌雅杉江浩明永田郁弥の7名が参戦。昨夏のお盆開催を優勝した丹下を始め地元セブンが徹底抗戦で牙城(がじょう)を守る。