ボートレース蒲郡2月最後の開催は「創刊70周年記念中日スポーツ賞 第44回龍神杯」。25日から4日間に渡って熱戦が繰り広げられる。

 シリーズの中心を担うのは地元が誇る看板レーサーの赤岩善生だ。卓越した整備、調整力と闘志あふれるレースでファンを魅了。地区選や開設57周年記念のGⅠVをはじめ、当地は実に26回の優勝を数え、人気に応え続けている。
  赤岩にとって、悔しかったのは前回の当地、新春レースだろう。5戦3勝、オール3連対で予選を首位通過。ただ、迎えた準優で、3カド戦の奇襲もあり6着に敗れた。伸びの部分でやられる選手はいたが、赤岩自身の仕上がりも出足を中心に良かっただけに、何とも惜しまれる一戦だった。今回はその雪辱の思いも胸に気迫満点のレースを見せてくれるはずだ。
 対抗は辻栄蔵。SG3V、GⅠ9Vという輝かしい実績を持つテクニシャン。そしてSG初戴冠は、2003年のここ蒲郡で開催されたSGオーシャンカップとあって、当地への思い入れも強いだろう。昨年の優勝こそ7月の戸田一般戦の1回のみだが、まだまだ勝負強さは持っている。
 この辻を筆頭に、今大会は遠征勢の充実ぶりが目立つ。4人がエントリーしている兵庫支部は、吉田俊彦高野哲史尾嶋一広山本隆幸とV候補に名前が挙がる実力者ばかり。吉田は昨年1月に当地初優勝も果たしている。また、当地3Vの実績がある山本はデビュー初優勝が当地で、6号艇から5コースまくりを決めている。
 お隣の三重支部からは豊田健士郎星野太郎が参戦。売り出し中の若手・豊田は昨年5回の優勝をマーク。当地でも2019年のルーキーシリーズで優勝するなど相性は悪くない。星野も当地は連続優出中で、前回10月には優勝も果たしている得意水面だ。
 岡山支部の渡邉和将も忘れてはならない。当地ではこれまで3回の優勝があるが、記憶に新しいのは一昨年4月のGⅠ開設67周年記念だ。強烈な伸びを誇り、中盤以降まくりを連発。後半3連勝で予選を首位通過すると、準優、優勝戦は危なげなくイン逃げを決めて、GⅠ初優勝を成し遂げた。その後も当地でのエンジン出しには定評があるだけに、赤岩にとって一番の強敵になるかもしれない。
 さらに香川支部で着実に力をつけてきている若手・川原祐明もV戦線に加わってくるだけの実力を持っている。
 地元勢は赤岩の他に4人。女子の深見亜由美はゆっくりでも地道な努力で力をつけ、前期は勝率5.92をマーク。初のA2級に昇格した。河村了、本多宏和といった地元の強豪に教えを請い、粘り強い道中戦は見応えがある。積極果敢なコース取りで進入から湧かせる清水紀克、時折見せるカドまくりが魅力の加藤啓太、若手の鰐部太空海も新期はわずか3カ月で期別最多の1着本数をマークするなど、頭角を現している。
 先に深見の名前が挙がったように、今シリーズは男女混合戦。喜多那由夏寺島美里白石有美山口真喜子藤原早菜と女子も盛り上げてくれそうだ。