SG開催がない4月は一般戦をあまり走らない超大物が参戦することがある。今節の目玉は何といっても峰竜太だ。ボート界第一人者が昨秋のSGボートレースダービー以来、半年ぶりに蒲郡に凱旋する。

 まさに圧巻――。昨秋のダービーは峰の一人舞台だった。予選トップ通過からV戦絶好枠を獲得して圧勝。対戦相手が「峰が1号艇で、あの足をしていたら何もできない」と嘆いたほどの完勝劇だった。最高峰の舞台で通算100Vと全24場制覇を同時に達成してしまうのはスター性のなせる業。当地は初Vまで時間がかかったが、ダービーだけでなく、近況は2020年、2023年のGⅠ周年記念でも優出しているように水面相性は問題ない。近況成績も文句なし。1月の浜名湖周年記念、2月の芦屋九州地区選手権でGⅠ連続Vと乗りに乗っている。18期連続で8点オーバーの勝率を継続中。これだけハイレベルで安定するスーパースターは今後もそう簡単には現れないだろう。直近4節の優勝はすべてSG、GⅠで、9カ月ぶりの一般戦Vを狙う。
 峰を追うA1勢も中島孝平柳沢一篠崎仁志萩原秀人島村隆幸らなかなかの豪華メンバーだ。
 中島の当地直近はSGとGⅠばかりとあって、しばらく優出から遠ざかっているが当地は通算3Vと実績を残している。峰と同じくSGグランプリ覇者の意地に期待しよう。
 地元主役として期待されるのは柳沢。前回戦の2月GⅠ東海地区選手権では凡機に苦しみ、調整手腕を発揮できなかったが、並のモーターなら上位級に底上げするだけのペラ調整には定評がある。
 2年ぶりの当地参戦となる篠崎は前々回戦でV。2020年のSGチャレンジカップでも優出(5着)実績がある。
 萩原の武器は速攻力。直近1年間の平均スタートは峰と並びコンマ12と今節メンバーの中ではトップタイの数字をマークしている。常に攻めの起点として展開推理を組み立てたい。当地は昨年8月、11月に参戦してともに準優勝に終わっているだけに今節こそ美酒を味わいたい。
 島村は昨年3月から5月の間に宮島と児島のGⅠ制覇を含め、6優出して5V、準優勝1回と固め打ちしている。勢いに乗ると止まらないタイプだ。今年も鳴門、尼崎でVとリズム良好。そして3月の尼崎では通算3回目のGⅠ制覇を果たしている。
 他のA1級も地元からは野口勝弘佐藤博亮。東京のベテラン一瀬明渡辺豊。それに杉山貴博松山将吾もおり、V戦線は大激戦だ。
 3連単51万円台の当地歴代最高配当を叩き出したこともある野口は今や穴男から自己最高勝率の6.95をマークするまでに飛躍した。佐藤の速攻力も魅力十分。コース不問で攻撃力を発揮して見せ場を作ってくれるだろう。
 一瀬は2月のGⅠ平和島関東地区選手権では1号艇で優出。52歳でGⅠ初Vの期待も高まったが、惜しくも3着。勝ち切れなかったものの、節間通しての奮闘はベテラン健在を大いにアピールした。
 藤生雄人興津藍の両者も当地一般戦の走りは堅実。速攻力光る小林泰の一撃や、穴党ファンには「3着名人」として名高い表憲一も高配当の使者として熱視線を送りたい。
 全46人のうちA級がその半数以上となる24人となかなかハイレベルなメンバー構成だけにB級勢にはかなり厳しいが、A級初昇格へここが踏ん張りどころの倉田茂将の奮闘にも期待したい。
 この時期の舟券作戦として勝率面で勝負駆けの選手を狙うのも一興だ。4月末に2024年後期適用勝率の審査期間を終えるだけに、ボーダー近辺の勝負駆け選手を積極的に狙ってみるのも妙味がありそうだ。