
いよいよ今年の開催は2節のみ。暮れの大一番、PGⅠクイーンズクライマックスへ向けて徐々に緊張感が高まってきた。レースの傾向、エンジンの動向はしっかり確かめておきたい。

飛び抜けた選手が見当たらない。それだけに優勝争いは激しくなりそうだ。安定感ならドリーム戦の1枠で登場予定の
林美憲が一枚上。2月のGⅠ四国地区選手権は優出して4着に入るなど、大舞台でもまだまだ力が通用することを証明した。9月の芦屋で優勝、10月の唐津で準Vを飾るなど、近況のリズムも決して悪くない。円熟のハンドルワークでファンを魅了する。
市橋卓士にもチャンスは十分だ。当地は2015年のボートレースメモリアルでSG初優出を果たした思い出の水面でもある。先月の唐津では3コースから豪快なまくりを繰り出し、鮮やかに優勝を手にした。ここ一番の勝負強さはさすがの一言。緩急自在の走りでV争いを大いに盛り上げる。
塩田北斗の2025年前期適用勝率は参加メンバートップの7.10をたたき出した。10月の浜名湖GⅠ周年は舟足をしっかり仕上げ、堂々の優出。同月の戸田SGボートレースダービーは高い壁に跳ね返され、無念の未勝利に終わったが、その後の津でしっかりV。いち早く軌道修正に成功した。地力は確実にアップしている。
地元勢では
永井源に大きな期待が集まる。なかなか優勝には手が届かないが、コンスタントに優勝戦に乗れている。当地は10月に出走。7走して4勝をゲットし、優勝戦も3着に食い込んだ。当地でのエンジン出しには定評がある。大崩れは考えられない。
松尾拓と
吉川貴仁の三重コンビも虎視眈々と出番をうかがう。松尾は2月の当地で開催されたGⅠ東海地区選手権で3日目に転覆し、無念の途中帰郷。リベンジに燃えている。吉川は今年の戸田ボートレースダービーでうれしいSG初出場。1走目にいきなり勝利を飾るなど、ファンに大いに話題を提供した。その後は転覆が続くなど、流れはいまひとつ。得意の当地で再浮上を目指す。
吉川昭男の存在も忘れてはならない。来年1月には3期ぶりに指定席であるA1級に復帰する。当地はエンジン抽選運に恵まれないのがネックだが、その中でも爪痕は残している。コース取りからシビアに動き、気迫の攻めを披露する。滋賀勢では
谷川祐一のレースぶりにも注目が集まる。
地元勢には永井以外にも実力派がそろった。
中村泰平はフライング過多で調子を崩したが、10月の平和島で約3カ月ぶりに実戦に復帰すると、11月の徳山で優出。万全の姿を見せてくれそうだ。
大場恒季は前期ラストランとなった当地でまさかの失速。ほぼ手中にしていたA1級昇格を逃した。巻き返しへの思いは強い。速攻派の
伊藤誠二、底力を秘める
谷本幸司、沈着冷静な立ち回りが光る
牧原崇も侮れない。
渡辺豊、
野長瀬正孝らさばき堅実なベテランはもちろん、攻撃自慢の
星栄爾、
北中元樹の強気な仕掛けも必見だ。
清水攻二、
藤田竜弘、
下河雅史、
木下大將もうまく流れに乗ればV争いに参加するだけのポテンシャルを秘めている。寒空を吹き飛ばす、白熱バトルから目が離せない。