
2025年度のボートレース蒲郡は、4日間開催が2節しか組まれていない。その内の一つが今回の「蒲郡市観光協会会長杯争奪戦」だ。予選の出走回数がわずか3走から4走で準優勝戦の18ピットが決定する白熱のショートシリーズから目が離せない。

優勝候補の筆頭は
白井英治。2022年の大村SG第37回グランプリを制覇して金字塔を打ち立てた。SG3冠、GⅠ13Vの実績は断然の存在。その内の一つに当地GⅠ52周年記念があり、前回戦の2025年1月も圧倒的なパフォーマンスで優勝を飾った。当地連続Vに照準を合わせての参戦だ。
白井が制したSG第37回グランプリのシリーズ戦を優勝したのが
宮地元輝。あの毒島誠のイン戦を破ったことでターン能力の高さをアピールした。それからも活躍を続け、昨年はグランプリに出場するまでに成長。1マークの決定力はボート界でも指折りだ。
前記両者に対して2025年後期適用勝率で上回るのが
上野真之介。4月10日現在で7.88のアベレージを残し、ボート界全体で見ても6位に付けている。過去には勝率8点台を3度も記録しており、ハイクラスなエンジン出しは群を抜いている。
今井貴士はオープンコースから繰り出す自在技が持ち味。高いレベルで安定しているように見えるが、ハッキリした傾向がある。それは夏場を得意としていることだ。過去5年間においてすべての年で夏場を中心とする前期適用勝率の方が後期適用勝率(冬場)を上回っている。5月1日からは夏場が始まっているだけに、今井の季節が到来したと言っても過言ではない。
3月の当地GⅢ戦では優出5着の
村上遼。キレのあるコーナー戦がセールスポイントだが、原稿締め切り段階ではA1級勝負駆け中。参戦時には合否が決定しているが、いずれにしてもスピード全開のターンで躍動するか。
牧宏次はA1級に在籍しているが、元々好不調の波が激しいタイプ。近年でもA1級からB1級に陥落したかと思えば、B1級から一気にA1級に上がったこともある。近況はA2級ペースで安定しており、ひとまず買いのサインと判断しても良さそうだ。
地元からは5選手がエントリー。トップは愛知支部長の
佐藤大介だ。大所帯の愛知支部をまとめ、それでいてA1級を18期も継続している。柔軟性に富んでおり、エンジン出しや展開を読む力が素晴らしい。遠征勢のラインアップは強力だが、2022年9月三国以来の優勝へ地元の牙城を守るか。
近年はA2級に甘んじている
渡辺真至だが、スタート、ターン、調整力は水準以上。欠点の少ない選手だけに舟券作戦からは外せない。
宇野博之は前回9月の当地戦では抜群パワーを引き出し、準優進出戦、準優勝戦を共に2着で突破。優勝戦は5着だったが、デビュー初Vが狙えるほどの仕上がりだった。これまで一度もA級経験はないが、当地を走るときは2割増しの評価が必要だ。また、
笠野友紀恵、
松浦勝も地元のあっせんで気持ちは高まっているはずだ。
女子レーサーで注目は
豊田結。昨年10月当地ヴィーナスシリーズで戦列に復帰。優勝戦にこそ進められなかったが、節間で4勝を挙げた。その後も平和島と当地で優出するなど、復帰してからは6点ペースで走っている。出産以前はモーターを出し負けする場面が多かったが、産休明けからはグッとウェートも絞られ本来の豪快なレースとかみ合うようになっている。他にも
五反田忍、
真子奈津実、
倉田郁美、
稲生夏季、
石井裕美が参戦。軽量を生かして高配当の使者となるか。