ボートレース蒲郡で毎年恒例の年またぎシリーズ「中日スポーツ杯争奪 新春特別覇者決定戦」は12月30日に開幕、1月4日まで6日間にわたって行われる。

 地元・愛知支部の強豪が集結するが、中心を担うのは平本真之だろう。記憶に新しいのは10月の当地GⅠ開設70周年記念。当地では初めて初日第12レースに「ゴールデンレーサードリーム」が組まれたが、その1号艇に指名された平本はしっかりとイン速攻を決め、シリーズを白星発進。そのまま勢いに乗って予選をオール3連対で首位通過すると、準優勝戦、優勝戦もきっちりと押し切ってV。66周年以来、当地では2回目、GⅠ通算では5回目の優勝を果たしてみせた。勝負どころのSGボートレースダービーやSGチャレンジカップをF休みなどで欠場し3年連続のSGグランプリ出場こそ果たせなかったが、それでも主役を務めあげ、取りにいって取った当地周年Vの価値は色あせない。今回の新春レースは当地連続Vを果たすとともに、SGグランプリ復帰を目指す2026年を最高の形でスタートさせたい。
 その平本が果たせなかったSGグランプリ出場を叶えたのは磯部誠だ。賞金ランク18位で2年ぶり3回目の出場だが、3月に常滑GⅠ周年で優勝、SGボートレースオールスターの優出と春先の活躍が大きかった。下半期はエンジン運にも恵まれず、思うような成績を残せなかった悔しさもあるだけに、新年はまた心機一転、頭も心もリセットしてこの地元戦に挑みたい。
 当地と言えば、もちろんこの人も推さないわけにはいかない。赤岩善生は当地だけで通算27V。これはもちろん現役最多だ。今年はここまで5節走って3優出とさすがの安定感。昨年10月以来の当地Vを目指して、コース取りから積極的に動き、ファンの人気に応える。
 初日第12レースのドリーム戦には先に挙げた3人に加え、杉山正樹前田滉中村泰平の3人がエントリーする予定。当地で8回の優勝実績があるのは杉山で、現在も4連続優出中(2V)と好成績を残す。ただ、前回2023年8月の一般戦では優勝戦で痛恨のフライング…。迷惑をかけてしまった苦い思いもあるだけに、今回は名誉挽回も誓う。
 前期、メンバー中最高の勝率をマークしたのは前田滉。9月のPGⅠヤングダービーでは5号艇でV、初のGⅠタイトルも獲得したが、近況はペラに正解も出て、伸びはほぼいつもと言っていいぐらい上々。センターからの思い切った攻めのレースは魅力的だ。また、中村も前期は自己初の7点台となる勝率7.23をマーク。一皮向けた走りを地元ファンに見せたい。
 ドリーム組以外でも実力者は多数いる。2025年後期のA1級はドリーム組以外で8人。スタート巧者の山崎哲司に、勝負強さが光る鈴木勝博丹下将もツボにはまれば、1着を並べる破壊力がある。近況、地力強化しているのは前田聖文。直近4期は勝率6点台後半を残しており優出回数もかなり増えてきている。
 また、兄弟レーサーとして活躍している前田篤哉吉田凌太朗も参戦。前田篤は弟・滉がタイトル奪取で当地のSGボートレースクラシック出場も決めているだけに負けられない気持ちも強いだろう。他にもケガから復帰し本来の力も発揮してきた野口勝弘、デビュー初Vの自信を胸にA1級に昇格した岩永雅人も勝ち上がってくるだけの力を付けている。A2級でも坂元浩仁吉島祥之、また大場恒季らもヒケを取らない。静岡支部の石田章央藤田靖弘石原翼も愛知支部の牙城を崩す実力はある。
 さらに今節は男女混合戦で女子も9人出場。攻撃力あるベテラン谷川里江永田楽樋江井舞らもシリーズを盛り上げてくれそうだ。