「日刊スポーツ杯争奪 第56回蒲郡大賞典」が10月27日から11月1日までの6日間開催で行われる。

 参加メンバーを見渡すと吉川元浩、菊地孝平、末永和也の存在感が大きく抜けており、これら3人を中心にV争いが展開されることは間違いない。その中でも菊地がVへの最短距離に立つ。持ち味はボート界NO.1と称されるスタート力。大時計とあうんの呼吸でスリットを通過してけれん味のない攻めを繰り出す。9月に行われた津74周年記念では約2年半ぶり通算18度目のGⅠV。それも8走全てコンマ10以内の踏み込みを決めるなど、菊地らしさが凝縮されたシリーズでもあった。2024年の住之江SGグランプリのトライアル2nd1回戦でフライング。その罰則で昨年はSGの舞台から遠ざかるなどの苦難を乗り越えて、本来のリズムを取り戻してきた。当地は優勝した昨年4月一般戦以来の参戦。正確無比な仕掛けをたたき込みレースを支配する。
 末永は昨年10月の津ダービーでSG初Vを飾り、グランプリにも初出場と大いなる飛躍を遂げた。今年に入っても唐津正月戦を皮切りに下関一般戦、尼崎BBCトーナメントを立て続けにV。昨年以上の活躍が期待されたが、褒賞懲戒規定に抵触して2カ月間の出場停止の処分を受けた。じくじたる思いを抱いたことは想像に難くないものの、引きずってばかりもいられない。卓越したターンスピードを武器に相手をなぎ倒す。吉川はこのところSG、GⅠ戦線での活躍が聞かれないとはいえ、そこは尼崎センプル軍団が誇る金看板。長年にわたって高いレベルでもまれた手腕は一般戦に入ると段違い。レース運びやエンジン出しだけにとどまらず、あらゆる面で経験値の違いをまざまざと見せつけて頂点へ上り詰めたい。
 これら3強に続くのが西野翔太だ。12期連続して6点台の勝率をマーク。派手さはなくとも、スランプの幅が少ない取り口には定評がある。また、ここ一番には妥協なきコース取りに出るなど、戦いにスパイスを加える存在となる。武田光史に中辻博訓の福井支部ベテランコンビもまだまだ元気いっぱい。現在はA2級の身であるが、今期(5月以降)勝率は6点台半ばでA1返り咲きへ順調なペースを刻む。攻めてよし、さばいてよしとメリハリの利いた立ち回りは必見だ。片橋幸貴と木村仁紀の滋賀支部勢もチャンスは十分。機を見て敏なコーナー戦でポイントを積み重ねていく。小気味のいい攻めっぷりを身上とする松尾昂明や篠田優也、金子和之もV争いを大いに盛り上げること必至。枝尾賢は脳梗塞という大病を乗り越えて、着実に復活ムード。その精神力には頭が下がる思いだ。近況伸び盛りの佃來紀は、そろそろデビュー初Vの雄たけびを上げたい。
 地元愛知支部に目を向けると、大須賀友の名前がきらりと光る。独自の理論に基づくペラ調整は多くの選手が一目置くほど。どんな凡機であっても快速仕様に変貌すると言っても過言ではない。また、成長まっただ中の松田真実や荒木颯斗の師匠として知られており、後輩育成の手腕にも定評がある。吉田慎二郎は愛弟子の石原凪紗の奮闘に目を細めつつ、自身も7期ぶりのA1カムバックへ気合の走りを見せている。天野友和、大谷直弘の2人は屈指の安定銘柄。主役を脅かすべくコースや展開を問わずにレースの流れを引き寄せにかかる。都築正治は当地で13度のV歴。これは参加メンバーで断トツの数字だ。酸いも甘いもかみ分けたベテランの妙技は進入から目を離すことができない。最後に鈴木章司と一色颯輝の若手レーサーをピックアップ。まだまだこれからの2人だが、ともに父親がボートレーサーなこともあり、潜在能力は高い。チャレンジャー精神でレースに臨み、見せ場をたっぷりとつくりだしてもらおう。