※SGレース名は各選手の直近優勝レースです。
 まだ記憶に新しい昨秋の当地SGチャレンジカップを優勝。正味のアシはメーカー機を手にした2着の岡崎恭裕や3着の久田敏之の方が良かったが、しっかりと出足を引き出しVロードを駆け抜けた。中堅クラスのモーターでも、戦えるレベルに押し上げ、スピードターンで成果に繋げられるのが最大の長所だ。今大会は地元勢を差し置いてドリーム戦の絶好枠に指名された。大得意のナイター戦で縦横無尽な走りで他を圧倒する。
 蒲郡は初優勝を飾ったメモリアルプール。デビューからわずか1年8カ月、6コースからトップショットを決めて差し抜けた。その後も52周年で当時絶頂だった1号艇の魚谷智之を4カド一撃で沈めるなど、スタート攻勢を主武器に功績を残した。現在はプロペラを中心としたモーター出しに磨きをかけ、常に優勝戦線に顔を出す。当地は2月のG3戦で試走済み。研ぎ澄まされた感性をフルに発揮してV獲りに燃える。
 昨年の65周年は、3カドから抜群の伸びと最高のダッシュを乗せて峰竜太を撃破。2月のG3でも井口佳典や白井英治らを相手に優勝を飾った。当地は若手時代だけでなく、SGウイナーになってからもなかなか勲章を挙げられなかった。本人も苦手意識があったものの、この一年で完全に払拭した。ドリーム戦はディフェンディングチャンピオンとして昨年優勝した3号艇で登場。気合の踏み込みでレースを作る。
 「蒲郡はいい時と悪い時がハッキリしてますね」と話すが、客観的に振り返ると「いい時」の方が圧倒的に多い。G1ダイヤモンドカップを含む当地5優勝は、住之江の14Vに次ぐ2番目の回数。残りの優出も2018年ダービーの銅メダルや60周年の1号艇(5着)も含まれている。前期はA1からの陥落危機が訪れたが、地力の高さと持ち前の闘争心で乗り越え、SGクラシックも制した。今節も勝利の方程式を確立させV戦線に絡むことは必至だ。
 当地はボートレーサーとして歩み始めた出発点。「デビュー前に一番練習をさせていただきました」と振り返る。常滑在住のため愛知2場での比較では常滑のあっせんが多いが、スピードターンを生かしたレースっぷりは、蒲郡の方が合っていると感じる。これを立証するために必要なのは実績。前回のチャレンジカップなどSGで2度のファイナル歴を残すが、まだ頂点には届いていない。地元代表として主役の座は誰にも渡さない。
 もう10年も前の出来事だが、2011年11月の新鋭リーグ優勝戦で受けた衝撃を忘れない。2コースからまくって優勝。この時の上がりタイムは1分42秒8と脅威の勝ち時計だった。2015年に出力低減モーターが導入される以前は、これが蒲郡のコースレコード。その後、高速ターンを武器にグランプリを勝つまでに成長した。当地は走る回数が少ないものの、昨年の65周年はオール3連対で銀メダル。機微なコーナー戦で魅了する。
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