石野貴之の勝因は仕上がりとブランド力か。4日目後半からボートが変更になり「伸びが一艇身落ちた」とガックリしているが、それでも中堅上位はある。また、マイペースのイン進入に持ち込んだことも要因だろう。
 磯部誠の2着は、徳増秀樹が前付けに動かなかったことが有利に運んだ。特訓からストレートの良さをアピール。徳増にリスクを背負って動くよりマーク策を選ばせたことが勝因だろう。
 道中で磯部を猛追した茅原悠紀だが、及ばず3着に敗れた。「準優はアシを求めて調整をしたらターン回りが良くなかった」と艇界屈指のターン力を誇るが、仕上がりがあまくて届かなかった。
 トップショットは2コースの守田俊介だったが、インの湯川浩司が1マークまでに伸び返して堂々と先制。守田が2コース差し、原田幸哉は割り差しに構えたが、先マイした湯川がグイッと押して逃げ切った。伸びだけでなく出足関係の良さも印象に残った。
 毒島誠は5コースから角度鋭いまくり差しでバックストレッチは好位置へ。2マークは北山康介、2周1マークは守田、2周2マークは原田と次々に内へ切り込んで来た選手を冷静に差し交わして次位を確保した。
 守田と原田は1マークの狭いスペース(湯川とターンマーク)に殺到して絡んでしまったことが尾を引いた。
 準優ラストもコース取りに動きはなく、折り合いの付いた枠なりの3対3で行われた。スタートは濱野谷憲吾以外の5艇がゼロ台の踏み込み。インの平本真之は上体を起こしながらもコンマ04を決めて先マイ態勢に持ち込んだ。「少し窮屈になったけど、舟が返って来ました」と出足関係の良さが勝因だ。
 次位争いは2コースから丸野一樹が一番差しに構えたが、引き波で艇が浮かんでしまい一歩後退。「アシはバランスが取れて良かったけど、テクニック不足ですね」と反省していた。
 最後の優出切符を掴んだ濱野谷は「チルトマイナスで小回りが利いたね」とニッコリ。平本の引き波を絶妙に避け、各コーナーを握って回ったスピードターンが光った。
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