いいエンジンだと思いますよ。一番の特徴は『悪いところがない』ってところですかね。グイグイ出て行くとかじゃないから、最初からいいとは言えませんでしたが、レースを重ねるごとに良さを実感しました。また引きたいと思えるエンジンですし、6月の周年記念で引けたらいいですね。

 初下ろしの一節目を振り返ると、モーターのみならず、プロペラも新しかったため、大きな機力差は表れていませんでした。明確に誰が節イチかを断言するのは難しかったです。それでも、出足やターン回りは岩瀬裕亮の62号機、伸びは平見真彦の57号機だったでしょう。
 平見は常に展示タイムが良く、準優、優勝戦も一番でした。本人も「回り足を合わすのが難しかったですが、伸びに関しては僕が一番だったと思います」と胸を張っていました。
 大化けの可能性があるのが鈴木智啓の52号機。ウエイトが58kgにも関わらず、軽快な回り足を披露。得点率5位で予選をクリアしました。「ノーハンマーなのに、これだけ動いてくれたし、エンジンはいいと思います」と太鼓判を押していました。
 準優は一歩及ばず3着だった田中豪が「自分の63号機は35~40%のポテンシャルだろうけど、汐崎(正則)選手のはいいよね。前検から出ていたよ」と汐崎の12号機にいいねボタン。本人のジャッジは「中の上」でしたが、準優1号艇で乗った実戦足は高評価に値します。
 石川吉鎬の17号機はチルトを0度にハネて伸び仕様。ストレート系は上位の一角だったと言っても過言ではありません。
 最後に磯部誠の65号機と平野和明の61号機で迷いましたが、優勝モーターに敬意を表して65号機をランクインです。

最初から伸びは良かったけど、なかなか体感が良くならなくて…。他と比較をして悪かった訳ではないけど、良くなってくるのに時間がかかりました。まあ、最終的には仕上げられたし、アシ負けする相手はいませんでした。57号機はいいエンジンだと思うけど、伸び型なので、加藤(政彦)君の31号機もいいなぁと思っています。

 2節目を振り返ると、初下ろしで動いていたモーターは全般的に好気配を継続していました。その筆頭は仲口博崇の57号機。伸びて行っては飛ばされるなど、展開が不運な面もありましたが、「自分がレースをミスしていただけ」と常にストレート系は上位でした。
 その仲口が絶賛していたのが加藤政彦の31号機。こちらはモーター検査時に計測する航走テストタイムが1位タイでしたが、初下ろしの倉田茂将が前期F2の後遺症で参考外でした。加藤は初日こそプロペラを合わすのに手間取りましたが、2日目以降は軽快タッチ。こちらは中間速主体にバランスが取れています。
 62号機の大橋純一郎は「合ってないのに成績がいいし、やっぱり本体はいいと思います」とニヤリ。こちらも航走タイムが1位タイとGOLD級のポテンシャルですが、マッチングも考えてSILVER評価にしました。
 26号機の金田諭は「悪くはないと思いますけど、本体の力はどうなんでしょう!?」と歯切れの悪いコメント。ただ、優出2着が示す通り、アシは全体的に水準以上でした。
 河村了の71号機は「いいモーターのひとつだと思いますよ。ドリーム班での前検練習で僕だけが新モーターでしたけど、それなりに動いていましたから」とニッコリ。「それでも、仲口さんとかもっといいのはあるので、僕のモーターは上位の次ぐらいですかね」と冷静にジャッジをしていました。その河村が「若女井さんの68号機はいいと思いますよ」と耳打ち。調整を外した中盤はゴンロクでしたが、ゾーンに入るとかなりの動きを披露していました。

谷川(里江)さんの69号機は別格やないかな。一緒になった準優が(優勝へ)正念場やと思っていたからね。それに今節は女子レーサーが出てたわ。古賀(千晶)さんの45号機や池田(紫乃)さんの38号機なんかもいいんじゃないかな。女子レーサーとは体重が違うけど、それを踏まえても良さそうだった。男子の中では自分が一番出ていた。優勝戦もスタートさえ決めればイケると思えるほどの仕上がりだったしね

 3節目は男女混合シリーズだったため、単純な比較は出来ませんが、伸びが節イチだったのは谷川里江でした。ただし、バランスとウェイト面を考慮すると、トップは金子龍介の36号機でしょうか。序盤こそ伸び型でしたが、勝負どころの準優、優勝戦では好バランスに仕上げていました。また、3日目にボート変更をしても影響は全くなく、本体のポテンシャルは確かです。思えば2節目の桐村翔太も水準以上でしたし、GOLD認定に異論はないと思います。
 もちろん、谷川の69号機も伸びは抜群。ターン回りには課題を残していましたが、2節目の齋藤達希はバランスが取れて中の上はありました。パワーは十分に秘めているだけに注目機のひとつです。
 初下ろしの河村了に引き続き、軽快なレース足を披露したのが松竹大輔の71号機。伸びは2強(谷川と金子)に若干劣りましたが、その分だけ出足や回り足は力強かったです。松竹も「まだ本体を割っていないエンジンだし、赤岩(善生)さんが引いたら、もっと出すんじゃないですかね」と伸びシロがあることを強調していました。
 最後にBRONZEは、これまでに取り上げていなかったモーターをチョイス。18号機の小澤学は「引き波に入っても出て行くしレースがしやすいです」と実戦向き。
 準優であわや1着と見せ場たっぷりだった篠田優也の43号機や大外から優出3着だった野末智一の70号機もマークが必要です。

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