2月から始まった「蒲郡レディース4部作」は佳境に入りましたが、夏からはトップレーサーによるSG・GⅠ戦線が熱くなります。6月1日から始まるGⅠオールジャパン竹島特別を皮切りに、10月にはSGボートレースダービー、来年2月にはGⅠ東海地区選手権が開催されます。
 今年も68周年記念には全国各地から強豪が集結しました。SGタイトルを持っているのが20名、GⅠウイナーは15名、GⅠ初制覇に燃えているのが16名のラインアップです。

 ドリームメンバーのうち池田浩二濱野谷憲吾峰竜太茅原悠紀の4選手は別コーナーを設けているため、ここでは割愛させていただきます。
 SG10Vの池田に続く9冠は今垣光太郎。今垣は2016年のグランプリシリーズ以来SGVからは遠ざかっていますが、昨年も浜名湖周年を制するなど、まだまだ第一線で活躍中です。当地は2002、2004年にメモリアルを制覇。デビュー初Vなど、若い時から得意にしていました。昨年は8月、10月に連続優勝。一般戦だったとはいえ、FL持ちで優勝するなど、地力の違いをみせつけました。11月に地元で行われるチャレンジカップへ向け、賞金加算に燃えています。
 SG5冠は田中信一郎、濱野谷、峰の3選手。グランプリ3Vの田中は、3月のクラシックで3年9カ月ぶりにSG戦に帰って来ました。惜しくも優勝戦には進められませんでしたが、存在感は十分に示しました。
 SG4冠は吉川元浩。2020年に平和島SGクラシックと福岡周年をダブルで制覇して以来、勲章の上積みはありませんが、50歳になっても安定感が光っています。これまでに残したGⅠVは20回。今節のメンバーでは今垣(30V)、濱野谷(22V)に続く3番目です。

 SG3冠は辻栄蔵坪井康晴田村隆信平本真之の4選手。辻は2005年に黄金のヘルメットをかぶりましたが、その後はなかなかSGタイトルと縁がありませんでした。紆余曲折はありましたが、2021年に多摩川チャレンジカップを2マーク差し返しで制覇。蒲郡は衝撃の差しでSG初Vを飾った思い出の水面です。
 昨年の坪井はGⅠ以上のレースに14節出場して予選突破は地元での2回(メモリアルと周年)。今年に入ってもエンジン出しに苦しんでいますが、5月の若松一般戦で6コースから優勝。これをきっかけに浮上したいところです。
 田村は今年1月に徳山GⅡMB大賞を制覇。幸先の良い滑り出しを決めました。蒲郡はデビュー初Vや64周年を制覇するなど、活躍するシーンを多く目にします。

 地元の平本は66周年のチャンピオン。昨年は大舞台での優勝はありませんでしたが、気持ちを吹っ切った今年はジワッと上向いています。当地はSGやGⅠになると常に活躍。今節も頂点を目指してスピード全開の走りを見せてくれるでしょう。
 SG2冠は寺田祥笠原亮篠崎元志の3選手。篠崎は2015年のボートレースメモリアルで当地SGVを成し遂げています。蒲郡との相性なら笠原も負けていません。通算20優出6優勝。GⅠ2優勝を始め2度のSG優出もあり、キレのある走りで魅了します。
 寺田は3月の芦屋周年を優勝。準優勝戦、優勝戦とも赤いカポックから4カドに持ち出して一気まくりとまくり差しを決めました。インだけでなくセンターからも勝負手を持っていることが強みです。
 SGタイトルを持ち蒲郡周年Vの実績を残しているのが赤岩善生柳沢一。勝手知ったるホームプールで赤岩は通算110Vの内、当地では26Vと断トツの優勝回数です。柳沢もコース不問の立ち回りで安定した航跡を描いています。秋のダービー出場へラストスパートに入ります。昨夏のメモリアル覇者・片岡雅裕、昨秋から記念ロードに帰って来た吉田拡郎も侮れない存在です。

 磯部誠はドリームメンバーのため、ここでは割愛させていただきます。GⅠを複数回数優勝しているのが秋山直之吉田俊彦山田哲也桑原悠山田康二前田将太関浩哉島村隆幸の8選手。最多の5Vは秋山。2013年に戸田周年を勝ってから10年が経ちましたが、スピードターンに加えてスタートも速くなっています。
 GⅠ3Vは吉田俊彦と磯部。吉田も最後にGⅠを勝ったのが2013年の下関周年。この間にA2へ陥落することもありましたが、昨年は5Vを挙げて3月のSGクラシックに出場しました。準優入りを果たすなど、まだまだキレ味は健在です。
 GⅠ2Vの山田哲也は、前々期が6.29、前期は6.30と勝率は物足りませんが、今年のGⅠ戦線では5節で3度の予選突破と水準以上に走れています。同じ山田でも康二の方はハイアベレージ。3期連続で7点台に乗せ、前期は7.81をマークしています。
 1月の江戸川周年を2マーク差しで優勝したのが前田。早くから活躍していましたが、2021年に福岡周年を勝つまでには時間を要しました。近年はレースの幅も広がっており注目の一人です。
 2019、2020年に九州チャンプに輝いたのが桑原。近年は快音が響いていませんが、蒲郡は11度の参戦で4優出2Vと相性は悪くないです。
 関は躍進が目覚ましい群馬支部の一人。SGでは7度出場して5回の準優入りとエンジン出しでヒケは取りません。昨年の67周年も平凡機ながらファイナルまで進出しています。
 そして今、一番注目が集まる島村は、4月の宮島周年、5月の児島周年を撃破。勢いは最高潮です。当地でも一般戦ながら優勝歴があるだけに目が離せません。
 萩原秀人はGⅠタイトルこそ1つですが、SG優出が4回もあるように地力は高いです。当地は昨年12月を含む3Vと水面との呼吸は合っています。

 江戸川周年を勝っているのが岡村仁大池佑来。岡村のスピード戦、大池の機力出しはGⅠ戦でも見どころ十分です。
 2020年に中国地区選手権を勝った村松修二は浮上のきっかけをつかみたいところ。最後に渡邉和将は昨年の竹島特別で念願のGⅠ初制覇。パンチのあるストレートに仕上げて連覇を目指します。

 GⅠ初Vを果たすためにも、まずは予選突破、そして優勝戦まで駒を進めることが重要です。ここでは優出回数の多い順にご紹介いたします。
 最多はGⅠ11優出の西村拓也。2019年にはSGグランプリシリーズでも優出(4着)しています。節間1着3回、2着2回と好戦しましたが、優勝には届いていません。まだ1号艇でファイナルを迎えたことがないだけにトップ通過が最大の目標でしょう。蒲郡は4月のGⅢ戦で優勝。予選で不良航法を取られながらも見事にVゴールを決めました。
 7優出の上野真之介も、いつGⅠを獲っても不思議ではない実力者。課題を挙げるなら、優勝戦に外枠(5・6枠)で乗ることが多いことでしょう(5回)。そのため、優勝戦の最高成績も2度の3着が精いっぱいです。SGでは2020年宮島グランドチャンピオンで優出2着。このときは2号艇で優出しただけに、やはり予選道中の着順メイクが重要になってきます。
 6優出は岩瀬裕亮。昨年は4節しかGⅠに呼ばれず、それでいて一般戦でも7優出2優勝と物足りない成績でした。メンバー層の厚い愛知支部では、勝率が6点台後半では出場機会が減ってしまうのでしょう。今年は年頭の当地正月レースを優勝。5月には常滑ゴールデンウイーク戦も優勝して6優出3Vとペースは悪くないです。ダービー出場を目標に走っていますが、地元周年で念願を叶えることが出来れば、今後にも弾みが付くでしょう。

 石橋道友は5優出ですが、2009年に常滑SGチャレンジカップで優出歴(4着)があります。近年は記念戦線への機会が減少していましたが、4月の宮島周年は優出3着と存在感を示しました。
 福来剛もGⅠ優出は4回ですが、2020年平和島クラシックでSG優出歴(5着)があります。特筆すべきはGⅠファイナルでの成績。2着3回、3着1回とオール舟券絡みです。2008年に当地でGⅠ初優出を果たしており、その後の走りも悪くはありません。
 優出3回の高倉和士は、過去のGⅠ戦10節を振り返ると優出3回は上々の成績。舟券的には魅力があふれる一人です。
 優出2回は青木玄太河村了豊田健士郎の3選手。青木は2017年に大村GⅡモーターボート誕生祭、河村は2020年に丸亀GⅡMB大賞を優勝しています。今度はGⅠに照準です。豊田は2019年三国ヤングダービーと2021年津周年で優出。2・3着と舟券に貢献しました。
 優出1回は石丸海渡黒野元基。石丸は2021年の三国周年で5着、黒野は今年3月の多摩川周年で6着と優勝戦の緊張感を味わっています。
 最後にGⅠ未優出は6人。菅章哉はGⅢ・一般戦の優勝回数が20回もあるだけに意外な印象ですが、伸び仕様がハマると上位進出も十分に可能でしょう。
 松井洪弥佐々木完太が当地で優勝したことは記憶に新しいでしょう。松井は昨年3月のGⅢ戦を5コースから差し切り、佐々木完太は昨年11月のルーキーシリーズを3カドからまくって快勝しています。
 澤田尚也前田滉定松勇樹はトップルーキーに選ばれており将来の有望株。特に澤田はGⅠ経験を積みながら勝率も右肩上がりなのは頼もしいです。