スタート展示では枠なりの3対3だったが、本番レースでは5号艇の谷川里江が好ピット離れから巧みなスローダウンで4コースを奪取。123/546で行われた。
 5コースに回った大山千広がコンマ08のトップショットを決めたが、スローの3艇が伸び返してダッシュ勢を止めた。
 1着は塩崎桐加。バックストレッチは3番手だったが、2マークで内のスペースへ切り込んで一気にトップへ躍り出た。「これまでとは違った調整をしてみて良かったです」と出足がアップしたことで浜田亜理沙を捕らえることに成功した。
 2着の浜田は「2マークは失敗しました」と反省。それでも1マークの差しは見事で出足関係の仕上がりは上々だった。
 3着に敗れた中谷朋子は「みんなが出ていると思います」と競った浜田と塩崎の足に感服していた。

 チルト1度の森岡まきは、コース争いに参加せず6コース回り。折り合いのついた123/465で行われた。
 スローの3艇がビシッと踏み込み、その中でもインの永井聖美と2コースの清埜翔子が伸び返して1マークへ。先マイした永井がそのまま逃げ切り、清埜は初動のかかりが悪く、そこを3コースから押さえ込んだ宇野弥生が2番手へ。2マークは二番差しの水野望美が迫ったが、宇野が交わして次位を確保した。
 永井の勝因はエンジン力。レディースオールスターで田口節子が銀メダルだった73号機を引き出している。
 蒲郡水面を知り尽くしている宇野は水面相性。この優出で当地4連続ファイナルだ。
 清埜の敗因は「回り過ぎで水を掴んでなかったし、全然合ってなかったです」と舟が浮いてしまったことを悔やんでいた。

 6号艇の真子奈津実がややピット離れは優勢だったが、入れ替わるほどではなく枠なりの3対3で行われた。
 インの長嶋万記がコンマ08のトップタイミング。他の5選手は13~15の横一線だった。こんなスリットになれば長嶋がインからマイペースの逃げ。優秀機の中里優子が3コースから好パワーを駆使して握って回ったが長嶋には遠く及ばなかった。
 焦点の次位争いは、中里と2コースから差した櫻本あゆみが抜きつ抜かれつのデットヒート。3周2マークまで繰り広げたが、中里が競り勝って最後の優出切符をゲットした。
 長嶋の勝因は、ここ一番で理想的なスタートを切れる仕上がりと度胸。これは優勝戦でも最大の武器になりそうだ。
 中里と櫻本は正味の足が違っていた。これまで中里は蒲郡に苦手意識を持っていたが、この優出がターニングポイントになるかもしれない。

 たくさんの投票を集め大いに盛り上がったGⅡレディースオールスターが終了。ちょっと寂しい思いをされている方も多いでしょうが、心配はありません。今度はGⅢオールレディースが始まります。そして、蒲郡ボートの2023年度開催日程が発表されました。5月にヴィーナスシリーズ、7月にはGⅢオールレディースが開催されます。なんと、これから約4カ月間に3回も女子戦が行われます!
 今回もA1、A2、B1&B2(今期適用勝率)の3グループに分けて紹介いたします。なお、本文中の成績は3月13日時点での数字です。
 今期の適用勝率1位の細川裕子(7.23)、2位の大山千広(7.07)、3位の長嶋万記(6.85)、4位の浜田亜理沙(6.65)、6位の松本晶恵(6.62)、10位の櫻本あゆみ(6.28)はドリーム戦に選出されているため、特別枠を設けております。
 6位の中里優子(6.48)は、11月に大村でフライング。期始めの勇み足で今期は1点以上も勝率を落としています。攻めの姿勢が身上なだけにフライング持ちは痛いですが、それをカバーするベテラン力に期待です。
 7位の三浦永理(6.41)は、今期もA1ボーダー付近に位置しています。2012年にGⅠクイーンズクライマックスを制覇。当時はスピードで押していましたが、近年は2コース差しなど堅実さも身に着けました。蒲郡はインコース以外で3Vを挙げており相性は良好です。
 8位の今井裕梨(6.35)は、前期4優出2Vの活躍で初のA1入り。スタート力を向上させたことが躍進の要因です。
 9位の中谷朋子(6.34)は、今期は5優出2V(浜名湖・平和島)と真価を発揮しています。勝率7.35は、長嶋万記の7.31を上回っており、いかに好調なのかを物語っています。蒲郡はデビューの地であり、2018年のダービーではSG初出場を果たすなど、縁のある水面。2017年には5コースからのまくり差しで優勝も飾っています。
 日高逸子(6.23)は、女子ボートレーサーのレジェンド。レディースチャンピオン2回、クイーンズクライマックス1回を含む通算76優勝の大記録を更新中です。レディースオールスターでは3日目にフライングをしてしまいましたが、その後の粘り強い走りは光っていました。
 地元のお祭り舞台は不完全燃焼だった大瀧明日香(6.14)ですが、今度は蒲郡初Vのミッションに切り替えています。スロースターターなだけに優秀機を引いて初日からぶっ飛ばしたいところです。
 清埜翔子(6.08)は、昨年10月の住之江ヴィーナスシリーズで初優勝。着実に力を着けている一人です。
 近況の充実度なら宇野弥生(6.04)。今期は12月の三国男女W優勝戦を皮切りに6連続優出2V(大村・びわこ)とビッグウェーブに乗っています。快速攻から繰り出す豪快戦から目が離せません。
 関東からは前田紗希(6.00)永井聖美(5.90)平田さやか(5.71)渡辺千草(5.41)が参戦。昨年は5優出1V(江戸川)とブレイクした前田は、先のレディースオールスターでも予選をクリアして安定感が出て来ました。
 平田は一年前の戸田ヴィーナスシリーズで優勝。成績には波がありますが、級別に関しては7期連続でA2と崩れることがありません。
 5年半振りにA2に返り咲いた永井は、今期も出走回数さえ届けば同級を守れそうです。心配なのは渡辺。今期は81走して4.86とリズムに乗れていませんが、最後は帳尻を合わせてくるでしょう。
 昨秋の当地ヴィーナスシリーズでは優勝戦まで駒を進めた森岡まき(5.84)、蒲郡はデビュー初1着を決めた水面の犬童千秋(5.63)、センターからの一発力を秘める五反田忍(5.53)、当地で優勝することを目標に置いている地元の水野望美(5.52)、スピード戦に衰えはない池田浩美(5.42)が持ち味を最大に発揮してV戦線に絡んで来るでしょう。
 6月末まではB1ですが、7月からの昇格へチャレンジ中なのが、出口舞有子塩崎桐加古賀千晶谷川里江の4選手。出口は、ミス38位としてレディースオールスターに参戦。好発進から予選を突破しましたが、終盤はエンジンメンバーの壁にぶち当たりました。それでも、今期はここまで6.01と自己ベストを更新しそうな勢い。地元の女子戦で気合が入っています。
 塩崎は昨年10月から戦列に復帰。男女混合戦でいきなり優出5着と非凡ではない一面を披露しました。大目標は8月に地元の津で開催されるレディースチャンピオンでしょうが、その前にいくつもの自信を積み上げて臨みたいところです。
 古賀は派手なレースっぷりではありませんが、堅実な立ち回りは2~3着向き。どんなメンバーが相手でも押さえておいて損はないでしょう。
 谷川は11月の当地戦で負ったケガの影響で今期の出走回数は53走(5.32)。ここから期末まで女子戦が3節続くだけに、A2返り咲きに燃えています。
 勝率は4点台ですが、喜多那由夏大橋由珠深見亜由美真子奈津実垣内清美笠野友紀恵加藤奈月らは、ツボにハマった時は舟券に絡んで来ます。仕上がりが重要なだけにモーターの後押しが欲しいところです。
 3点台の大澤真菜宮崎つぐみ松尾怜実も軽視は禁物。特に宮崎はレディースオールスターで堀之内紀代子を制した先まくりで3万円台の好配当を演出しました。
 3点に届いていない横田悠衣宇恵有香西村歩中尾彩香赤井星璃菜梅内夕貴奈石原凪紗松田真実は、なんとか舟券に絡んでファンへアピールしたいです。

 2月の当地レディースオールスターでは、初の女子4大タイトルをゲット。出足関係をしっかりと仕上げてトップゴールを果たした。これまでにも数多くの優勝を飾り、SGには14回も出場していた実力者だけに「遅マキながら」の優勝劇だった。
 今年は早くも3優勝を挙げ「ボート100%で行こうと思っています」と好調の要因を吐露。蒲郡は現役女子レーサーで最多の5Vと相性はナンバーワン!昨年10月の男女混合戦、レディースオールスターに続く3連続Vの懸かるシリーズだ。
 今期は11月の当地男女混合戦で勇み足。ボートレーサーは期始めにフライングをすると勝率は下がる傾向が多いが、翌節の尼崎ヴィーナスシリーズを優勝するなど、7点に迫る勝率を残している。過去には5回も7点台に乗せているだけに不思議ではないが、逆境に陥ってもハネ返す地力の持ち主だ。
 蒲郡はいつもエンジンを機歴以上に引き出し、調整を手の内に入れている。コンスタントに優勝戦へ駒を進め、2020年3月のオールレディースでは優勝も果たしている。
 レディースオールスターにおける大山の走りは敢闘賞ものだった。大ケガからの復帰戦だったが、手にしたモーターはよりによって2連対ワースト機。ボートも20%台と絶望的な状況だったが、大崩れのない走りで奮闘。勝負駆けの予選ラスト走ではコンマ01スタートを決めて準優入りを果たした。もうこれだけでも十分過ぎるが、最後に優出切符をつかんだ時は、多くの人が胸を熱くしたに違いない。改めてポテンシャルの高さを証明した。
 蒲郡は2019年のレディースチャンピオンで優勝と相性の良さは言うまでもない。
 「せっかくなので盛り上げたいです」と臨んだ地元大舞台だが、気持ちが高まり過ぎて3日目にスリットオーバー。女子4大タイトルVはお預けとなったが、収穫もあった。手にした34号機は超平凡機だったが、個性的なプロペラ調整で引き出すことに成功した。
 さすがにフライング休みが未消化なだけにスタートで無理は厳禁だが、道中勝負に徹した方が好結果に繋がるケースも十分に考えられる。機敏なコーナーワークでレディースオールスターの汚名を返上だ。
 この3年間(6期間)は交互にA1とA2を行ったり来たりしている。と言うことは、5月~10月はA1勝率を残すと決め打ちして割増し予想。11月~4月はA2と思って予想を組み立てるのが櫻本の舟券作戦かもしれない。
 実際に今期もここまで5点台半ばと例に漏れていないが、1カ月前のレディースオールスターより確実に暖かくなって来た。これは好材料でモーター出しさえ互角ならキレのあるターンを連発する。
 蒲郡は優出歴がないだけに、まずはファイナリストに残ってV機を伺いたい。
 コース不問の立ち回りが最大のセールスポイント。外コースを苦にすることはなく、6コースからでも舟券に絡む確率は54%を誇っている。これにインから隙を与えずに逃げ切ることが出来たなら、女子最強クラスを目指せる力を秘めている。
 蒲郡は2019年3月のヴィーナスシリーズで優出3着があるものの、その後は予選落ちと妨害失格(レディースオールスター帰郷)とかみ合っていない。それでも、直前の大村男女W優勝戦ではトップゴールを決め、すぐさま軌道修正を果たした。ドリーム戦は勝率のいい6コースから見せ場以上を演出する。
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