田口節子は自らに向いた最高の展開を逃さなかった。「1マークはまくろうと思っていただけに“まさか”と思ってハンドルを切り損ねてしまった」と吐露。それでも、冷静にターンマークを回ってバックストレッチは独走態勢へ。猛パワーの後押しがあったことも忘れてはならない。
 宇野弥生の2着はスタート。5コースの山下友貴がコンマ19に対して宇野は09の好ショット。山下がヘコんだことにより、1マークは5コースの位置になり、まくり差しで次位を確保した。「スタート勘は4日目から大分見えやすくなりました。優勝戦も準優と同じぐらいの設定で行きます」と目標値を話した。最後の最後までもつれた3着争いは松本晶恵に軍配。「宇野さんのスタートはさすがでした」と称えていた。4着の守屋美穂は「1マークは少し出ていたので中途半端になってしまいました」と強気に攻めたが、仕上がり面で一歩足りなかった。


 長嶋万記の勝因はなんだろう!? と一瞬考えてしまったが、蒲郡との相性ということにする。やや遅れ気味のピット離れに加えて進入でエンスト。「冷静さがなかったです。スタートは何とか入ったけど、1マークのターンがグチャグチャでした」と反省。それでも結果的には1着でゴールしたのは、足の良さと当地との相性か。
 鎌倉涼は思い切ったターンで2着をキープした。「伸びは少し劣勢だし、出足も少しズレると全然良くないです」と足勝ちではなく、俊敏なターンが優出へ結び付いた。
 3着の渡邉は「ペラをやって一番良かったです。ただ、焼き肉のにおいがしたのでスタートを放りました」とバックストレッチは長嶋や鎌倉に食い下がったが、3着が精いっぱいだった。  


 高田ひかるの勝因は戦略とスタートだ。スタート展示ではスローの3コースに向けていたが、レースでは3カドに引っ張りコンマ09のスタートを決めた。「ピット離れに不安があったので、最後までスローになるかダッシュになるかは分からなかったです」と振り返った。結果的には、3カドを取りトップショットを決めたことが大仕事に繋がった。
 2着の大山千広は、やっぱりスターレーサーだ。「スリットから分が悪かったし、エンジンが弱い分、風に負けやすいですね」と厳しい足だったが、それでも機敏な立ち回りで2着を確保。大けがからの復帰戦だが、そんなハンデを見事にハネ返して最後の優出切符を掴んだ。
 インから5着に敗れた遠藤エミは「自分がスタートを行き切れなかった。せめて10は行かないと。試運転では一番足が良かったです」とスタートを悔やんでいた。