白井英治の勝因はエンジン力が9割以上だろう。2コースから外の5艇のスタートタイミングはコンマ06~10だったが、インの白井は17。やや立ち遅れ気味だったが、1マークまでにグイッと伸び返して先制した。「ずっと100m近辺ばかり練習していたので…」と苦笑い。「伸びるので全速スタートを心掛けている」と胸の内を明かした。
 2コースから一番差しに構えた毒島誠だが、その内をまくり差したのが濱野谷憲吾。バックストレッチは両者が並走したのち、濱野谷は2マークを全速マイ、毒島は遅れ差しの峰竜太を差し交わしてのホームストレッチ伸び比べに。濱野谷が2周1マークをさばいて次位を確保した。「毒島が相手なので素早い対応が求められた」と迷わず握った2マークの判断を勝因に挙げていた。
 平本真之がインからコンマ05の好スタート。「蒲郡のこの風はスタートが速くなるので、気を付けながら行きました」と経験値を生かしたことが最大の勝因だった。
 同じく地元の池田浩二も「風が変わったので慎重に行った」と吐露。「足に関しては全然良くないけど、スタートは大体いけると思う」と今節は2走目以外はコンマ09~13の間で決まっている。
 3着だった羽野直也は「1マークで落とし過ぎたし、バックストレッチも微妙に(艇先が1号艇に)かかってしまった。それが2マークのミスに繋がってしまった」とスタートでハイリスク(コンマ03)を取ったが、優出には結び付かなかった。
 原田幸哉の勝因は、一にも二にもモーターパワーだろう。「今節で一番良かったのが3日目だったけど、準優はそれ以上。もうパーフェクトの調整だった」と満足げ。「全部いいけど、その中でも行き足が一番気に入っています」と自己ジャッジしていた。
 原田の完勝とは対照的に最後の優出切符を巡る攻防は激しかった。2コースの今垣光太郎が差し、中島孝平は握りマイ、新田雄史が二番差し、篠崎元志はまくり差し、丸野一樹が最内差しと各艇がセオリー通りのハンドル。バックストレッチは大接戦でボートが接触するシーンがあったが、2マークで内から小回りした丸野が次位へ浮上。「レース勘は戻って来ています」と絶品ターンを披露した。3着の中島は「バランスが取れて悪くなかったけど中堅」と、もうひと足あればファイナリストに残れていたかもしれない。
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