真夏の祭典・SGボートレースメモリアルが近づいて来ました。蒲郡にとって今大会は22度目のSGレース。その中でもメモリアルは6年ぶりで、旧称のモーターボート記念を含むと8度目の開催になります。当地で最も多く行われたSG競走で、これまでにも数々の名勝負が演じられました。出場52選手は、全国23場から推薦された46名と蒲郡が推薦した予備1名を含む6名。8月24日に熱戦の火ぶたが切られます。

 関東地区は各レース場の特性通り、オープンコースからスピードターンを武器にする選手が多いです。筆頭の毒島誠は、昨秋に当地で行われた第23回チャレンジカップの覇者。SG7冠の実力者で、その内の6つがナイターなのが最大の特徴です。
 毒島にターン力で負けていないのが桐生順平。こちらは、SGでのVは3つですが、2017年にはグランプリで優勝しています。昨年は年末の18人に残れませんでしたが、今年はGⅠで2Vを含む6優勝と飛ばしています。
 メモリアルに25年連続出場しているのは濱野谷憲吾。秋には48歳になりますが、まだまだスピードターンは健在です。今年は4月の大村GⅠダイヤモンドカップで快勝と気を吐いています。
 前記3選手はSGタイトルを持っていますが、ここからの7選手は初のSG獲りに燃えています。佐藤翼はこれまでにSGを5度走って3度の準優入り、昨年のダービーと今年のオールスターでは優出を果たしています。夏場を得意としているだけに今節は大仕事を成し遂げるかもしれません。
 残りの推薦選手をSG優出回数順に紹介すると、石渡鉄兵が5回、中野次郎長田頼宗は4回、久田敏之永井彪也が1回、大池佑来はまだありません。どの選手もさばきでは負けていないだけに、エンジン出しとリズムがかみ合えば大願成就の可能性も秘めています。
 SG優勝が一番多いのは池田浩二。グランプリ2冠を含む9Vは当地区での歴代最高選手のひとりでしょう。地元SG制覇へ気合MAXで臨みます。
 SG5Vの菊地孝平は、浜名湖からの推薦こそ得られませんでしたが、実績は静岡支部ナンバーワン。強スタートから繰り出す1マークの決定力はボート界屈指の存在です。
 SG2Vの平本真之新田雄史の同期コンビは、ともに昨年のSGグランプリのファイナリストで、SG優先出場権を持っています。平本は当地6月のGⅠ周年を予選首位通過し、Vロードを駆け抜け完全復調。新田は6月の児島SGグラチャンでのフライングが影響しなければ、当地での走りは安定しています。
 SGタイトル持つのが柳沢一徳増秀樹深谷知博。3選手とも記念ロードでもまれ、GⅠでは複数回優勝して栄光にたどり着きました。
 SG初制覇に意欲をみせるのは、磯部誠松尾拓。磯部は昨秋のGⅠヤングダービー、松尾は今年の東海チャンプに輝き、売り出し中です。
 上記の9選手が東海地区の所属ですが、湯川浩司守田俊介も今回だけは、ここのカテゴリーに入れさせていただきます。SG4Vの湯川は、昨年の蒲郡GⅠ周年を3カドからまくり勝ち。この節から当地をドル箱水面に大変身させました。相性の良さなら守田も負けていません。これまでGⅠ以上で6優勝していますが、SGとGⅠの両方を獲っているのは当地だけ。堂々の蒲郡推薦選手です。
 層の厚い近畿勢の中でも王者・松井繁はSG初V(1996年オールスター)から25年が経過。SGで12冠、GⅠ58優勝と四半世紀に渡ってボート界をけん引して来ました。
 SG9Vは石野貴之今垣光太郎。今春のSGクラシックを制した石野は、前期絶不調でしたが、そんな時でも大舞台での勝機は逃しません。常識では計り知れないパワーを兼ね備えています。今垣は未だに衰えぬ闘志でファンを魅了し続けます。思い起こせば、2002年に当地で行われた初のナイターSGで優勝。今大会では蒲郡SGメモリアル3Vを目指します。
 昨年、一昨年は大活躍の吉川元浩ですが、今期はすでにF2と苦しい現状。SG4Vの実力者ですが、今節ばかりは割り引き材料が多いです。
 SG2Vは中島孝平馬場貴也。2010年にグランプリを制した中島は、今春の浜名湖周年を制しGⅠで7勝目をマーク。堅実なハンドリングは常に舟券から外せません。馬場は鋭角ターンがセールスポイント。展開をシャープに割って来ます。
 SG初Vが視界に入っているのが丸野一樹稲田浩二。GⅠ初制覇から瞬く間に4Vの丸野は、すでにSGウィナーになる資格を十分に備えています。稲田は当地チャレンジカップの準優で篠崎仁志に差されてしまい、優勝戦は4号艇(6着)でしたが、得点率1位通過は立派でした。
 瀬戸内海グループで一番SGでのV数が多いのは田村隆信の3V。加えてGⅠでのV最多の15Vと実績はナンバーワンです。蒲郡はデビュー初優勝やSG初優出を果たしたメモリアルプール。2019年11月の当地GⅠ周年も勝っています。
 続くSG2Vは白井英治前本泰和。白井は今年のオールスター(優出3着)、グラチャン(優出4着)と連続でファイナリストに名を連ねました。前本は強豪のそろう広島支部で押しも押されもせぬエースに君臨。49歳でのSG制覇はマスターズ世代に勇気を与えます。SGタイトルは一つの茅原悠紀ですが、ターンのキレと迫力は第一人者になれるだけのポテンシャルを秘めています。
 この地区ではSG初Vを狙う選手が多く推薦されています。優勝戦の緊張感を味わったことがあるのは、興津藍谷村一哉原田篤志の3選手。吉村正明大上卓人は予選突破が1度あります。
 女子は平高奈菜平山智加守屋美穂が参戦。平高は丸亀GⅡ7月の全国ボートレース甲子園で優出6着と男勝りの攻めっぷりが光ります。平山は2013年の尼崎GⅠ周年Vの金字塔があり、守屋も昨年の若松GⅠボートレースバトルチャンピオントーナメントで優出4着と男女混合戦でも買い材料があります。
 ずっと九州を引っ張って来たのは瓜生正義。振り返ると、SGに最も近い存在と言われながら優勝戦で9連敗を喫し、10回目の2007年住之江SGオールスターでの2マーク大逆転劇から10回の優勝を積み重ねました。峰竜太が台頭したため、3年連続でドリーム戦からは漏れてしまいましたが、優勝候補の一人には変わりありません。
 峰竜太はSG優勝戦の連敗は10と瓜生より一つ多かったですが、初V後は急ピッチでビッグタイトルを量産し、5優勝しています。
 SG3Vの原田幸哉は、同期の瓜生に水をあけられましたが、GⅠは18Vと瓜生の20Vまであと2つ差まで縮めています。昨秋の津GⅠ周年でのVに続き、今年も下関GⅠマスターズチャンピオン、徳山GⅠ周年をゲット。セカンドピークを迎えた今なら、悲願の蒲郡SG制覇が叶うかもしれません。
 SG2Vの篠崎元志は、2019年の住之江グランプリシリーズ以来、SG優出から遠ざかっていますが、蒲郡との相性は抜群。過去の当地SG6節で予選落ちしたのは前回のチャレンジカップだけです。峰とマッチレースを演じた6年前のメモリアルは伝説のレース。その後もケガ明けで臨んだ2018年のSGダービーでの銀メダルも忘れられません。
 弟の篠崎仁志岡崎恭裕もSGタイトルホルダー。両者ともオールスターで勝っていますが、レーススタイルは異なります。堅実でレーサーとしての完成度の高い仁志に対して、岡崎は握って回れる展開を得意としています。
 近い将来にSGの優勝ボードを初めて掲げそうなのが西山貴浩羽野直也桑原悠上野真之介。西山はGⅡ、GⅠと着実に階段を上り、頂点であるSGに最接近しています。逆に羽野は衝撃のGⅠVからちょっと壁にぶち当たりましたが、乗り越えた時にはドリーム戦常連にまで成長するでしょう。
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