女子5大競走の一つでレースグレードはプレミアムGⅠ。創設当初の第1回(大村)と第2回(芦屋)大会は、SGボートレースグランプリの直前に行われていましたが、2014年の第3回大会(住之江)以降は12月31日に優勝戦が行われるようになりました。現在では、ボートレース界にとって大みそかの風物詩としてすっかり定着しました。
歴代優勝者の顔ぶれは合計10名。松本晶恵が第5回と第7回(ともに平和島)、田口節子は第10回(福岡)と第11回(住之江)で連覇を果たしています。
最年長Vは第3回(住之江)の日高逸子で53歳2カ月、最年少Vは第2回(芦屋)の平山智加の28歳5カ月。昨年(多摩川)Vの浜田亜理沙は35歳9カ月でした。
優勝戦の決まり手は、イン逃げが最多の7回、まくり差しは2回、まくり、差し、恵まれが1回ずつで、まだ“抜き”での決着はありません。
優勝戦の3連単平均配当は、5390円。万舟券は第8回(徳山:優勝者は今井美亜)と第11回(住之江:田口節子)の2回。昨年(多摩川)は初めて3連単の3ケタ配当(780円1番人気)で幕を閉じました。
最後に選考時の獲得賞金について。2012年の第1回(大村)は、1位の田口節子が3722万円。2019年の第8回(徳山)で大山千広が5000万円の大台に乗せ、近3年は遠藤エミが5000万円オーバーのトップで大舞台に臨んでいます。トップだった選手が、その年に優勝したのは第2回(芦屋)の平山智加のみです。
ボーダーの12位は、第1回の宇野弥生が2257万円。その後は右肩上がりに推移して行き、昨年は2800万円台に大瀧明日香、細川裕子、海野ゆかりの3名が並びましたが、大瀧のみがトライアルへ駒を進めることができました。
トップ | ボーダー | ||||||||
開催年 | 1位 | 金額 | 12位 | 金額 | 優勝者 | 決まり手 | 3連単 | 金額 | |
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2012年 | 第1回 | 田口節子 | 3722万円 | 宇野弥生 | 2257万円 | 三浦永理 | まくり差し | 3-1-4 | 4650円 |
2013年 | 第2回 | 平山智加 | 3988万円 | 高橋淳美 | 2274万円 | 平山智加 | 逃げ | 1-3-5 | 2310円 |
2014年 | 第3回 | 平山智加 | 2991万円 | 守屋美穂 | 2394万円 | 日高逸子 | 逃げ | 1-4-3 | 3450円 |
2015年 | 第4回 | 寺田千恵 | 3565万円 | 日高逸子 | 2329万円 | 川野芽唯 | 恵まれ | 4-6-3 | 4740円 |
2016年 | 第5回 | 遠藤エミ | 3680万円 | 山川美由紀 | 2402万円 | 松本晶恵 | 逃げ | 1-2-3 | 1870円 |
2017年 | 第6回 | 小野生奈 | 3926万円 | 田口節子 | 2438万円 | 遠藤エミ | 逃げ | 1-5-4 | 8190円 |
2018年 | 第7回 | 小野生奈 | 3763万円 | 細川裕子 | 2600万円 | 松本晶恵 | 逃げ | 1-3-2 | 1300円 |
2019年 | 第8回 | 大山千広 | 5151万円 | 香川素子 | 2751万円 | 今井美亜 | まくり差し | 3-1-4 | 13160円 |
2020年 | 第9回 | 守屋美穂 | 4099万円 | 田口節子 | 2773万円 | 平高奈菜 | 逃げ | 1-4-6 | 4110円 |
2021年 | 第10回 | 遠藤エミ | 5272万円 | 大山千広 | 2721万円 | 田口節子 | まくり | 2-4-1 | 5690円 |
2022年 | 第11回 | 遠藤エミ | 7563万円 | 堀之内紀代子 | 2715万円 | 田口節子 | 差し | 2-1-6 | 14440円 |
2023年 | 第12回 | 遠藤エミ | 5003万円 | 大瀧明日香 | 2874万円 | 浜田亜理沙 | 逃げ | 1-2-3 | 780円 |
PGⅠクイーンズクライマックスは初開催のボートレース蒲郡ですが、女子5大競走はPGⅠレディースチャンピオンを3回、GⅡレディースチャレンジカップとGⅡレディースオールスターを1回ずつ開催しています。
最初のPGⅠレディースチャンピオンは、1991年の第4回大会で地元の鵜飼菜穂子さん(引退)がV。当時、インの鬼姫とも呼ばれた鵜飼さんでしたが、2コースからトップスタートを決めてのまくり勝ちでした。前年の多摩川に続く2Vを飾り、翌年の第5回大会(戸田)ではパーフェクトVで3連覇を果たしました。
続く1997年の第10回大会も地元の渡邊博子さん(引退)がV。2コースから握って回った谷川里江の引き波にはまりましたが、インからグイッと抜け出して結果的には逃げ切る形でVゴールを決めました。
最後は、2019年の第33回大会。2012年度からは開催時期を8月初旬に移行しており、現在は真夏の女王決定戦としておなじみになりました。シリーズは大山千広が8戦7勝の準パーフェクトVを達成!23歳6カ月での偉業達成は、本部めぐみの24歳3カ月(1998年三国)を更新する史上最年少Vでした。この年の5月に年号が変わり、令和のニューヒロイン誕生にボート界は大きく沸きました。
GⅡレディースチャレンジカップは2020年に第7回大会を開催。この年の女子賞金ロードは、直近5年間では一番混迷を極めていました。その傾向が優勝戦にも現れ、インの守屋美穂に対して2コースの小野生奈が強気の先まくり。両者が流れたスペースを3コースの寺田千恵と4コースの長嶋万記が差して一騎打ち。VだけがPGⅠクイーンズクライマックス出場の条件だった長嶋が猛然と迫りましたが、寺田が振り切ってV。3連単は38,300円(84番人気)の大波乱でした。
まだ皆さんの記憶に新しいのが2023年の第7回GⅡレディースオールスター。先のGⅡレディースチャレンジカップでは悔しい思いをした長嶋万記ですが、冷静な走りで得点率を2位で通過。準優勝戦で遠藤エミが敗れたことでポールポジションを獲得し、インから逃げ切って女子5大競走を初制覇しました。