蒲郡の勝因・敗因

レース展望

 暑かった夏が終わりを告げ、季節は秋に向かっていますが、ボートレース蒲郡はこれから来春にかけて女子レースがアツイです。来年は2月にGⅡレディースオールスター、3月にはGⅢオールレディースが開催されます。その前に「ヴィーナスシリーズ第12戦・ムーライトプリンセス決定戦」が開催され、9月25日~30日の6日間、オール女子レーサーによる激しいバトルが繰り広げられます。
 ドリーム戦は今期適用勝率上位のA1級6名が選出されましたが、その勝率は昨年11月から今年4月末までのもの。当コーナーでは最新の成績を重要視して今期勝率(5月~8月末)の上位から順番に紹介いたします。なお、本文中の成績は8月末時点での数字です。

 1位の細川裕子(7.40)、3位の田口節子(6.98)、4位の堀之内紀代子(6.94)は初日のドリーム戦にエントリー。別コーナーで特枠を組んでいますので、ここでは割愛させていただきます。
 2位の浜田亜理沙(7.19)は、今年5優出2V。6月多摩川と7月津のヴィーナスシリーズで優勝しています。通算20本のフライング回数が示す通り好不調の波が大きいのがウィークポイントですが、裏を返せば勢いに乗った時の破壊力は特筆級。能力はバリバリのA1だけに今大会も優勝候補の一人です。
 5位の鎌倉涼は(6.54)は、今年4優出1V。6月に地元住之江のGⅢオールレディースで優勝しています。昨年に続き今年もSGボートレースオールスターに出場。人気と実力を兼ね備えたレーサーです。女子賞金ランキングは17位。地元で行われる年末の大一番に出場するためには大幅な賞金の上積みが必要なだけに、2Vを飾る当地で稼ぎたいところです。
 6位の金田幸子(6.51)は、直近3期こそA2に甘んじていますが、過去に11回のA1歴を残しています。また、2013年には鳴門PGⅠレディースチャンピオンで優勝。今期は4期振りのA1返り咲きが視界に入っています。
 7位の三浦永理(6.49)は、2010~2014年に8度もSGに出場。2012年には大村PGⅠクイーンズクライマックスでティアラをかぶりました。主な勲章は当時に偏っていますが、近年も着実に好成績を残しています。当地は6優出3Vと相性が良く、8月の一般戦でもモーターを引き出していました。
 8位の西橋奈未(6.36)は、将来性に関してはかなりの可能性を秘めています。優勝は2020年芦屋の1回のみですが、その1回は男女混合戦でのもの。まだ粗削りですが、鋭角なターンとコーナースピードは女子レーサーでも屈指の存在です。
 9位の滝川真由子(6.11)は、勝率を6点台に乗せて好ムード。2度のA1歴があり、2015年には大接戦の末、丸亀PGⅠレディースチャンピオンで優勝しています。かつては愛知支部に所属していただけに、蒲郡での走りを心待ちしているファンも多いことでしょう。
 10位の宇野弥生(6.06)は、今年5優出1V。4月の下関GⅢオールレディースをインからコンマ08を決めて逃げ切っています。速攻派らしくインと4カドでの1着率が高く、イメージ通りの走りで自分らしくレースを組み立てます。

 11位の魚谷香織(5.96)、18位の山下友貴(5.24)、20位の土屋南(5.16)は、前記の通りドリームメンバーのコーナーで触れています。
 12位の川野芽唯(5.94)は、2015年の福岡PGⅠクイーンズクライマックスで優勝。シンデレラストーリーの主役に選ばれました。その後は大舞台での活躍はありませんが、コンスタントにA級の座を守っています。長身から繰り出す華麗なターンでV戦線に絡んで来るでしょう。
 13位の森岡まき(5.73)は、年齢を感じさせぬ思い切りとコーナー力があります。近年は4点B1でしたが、今期は9期振りのA2復帰へスパートします。
 14位の池田紫乃(5.65)は、前期に続いてA2ペースで進行中。道中の粘り腰がセールスポイントで1着より2着、2着より3着が多いのが特徴です。
 15位の水野望美(5.64)は、現在9期振りのB1暮らしですが、悔しさをバネに奮闘中です。蒲郡はボートレーサーを志す上でターニングポイントになった場所。当地で優勝することを目標の一つに掲げています。
 16位の後藤美翼(5.61)は、まだ一度もA級に上がったことはありませんが、2015年の平和島ヴィーナスシリーズでは強豪相手に優勝を飾っています。スタートで勝負するタイプではありませんが、道中の走りはしっかりしています。
 17位の津田裕絵(5.51)も道中のライン取りは確かです。加えて優勝とA1歴が2回ずつあり、レベルの高いさばき屋です。
 19位の清水愛海(5.16)は、4月までは4~6枠中心でしたが、今期から内枠をもらうようになりました。そして一気に勝率が上昇。A2が狙える位置に付けています。

 勝浦真帆(5.10)は、デビューから7年の月日が経ちましたが、なかなかA2に上がれず伸び悩んでいます。それでも、過去一年間の平均スタートタイミングはコンマ13と速攻力はピカイチ。今期は5点台をキープしているだけに、好モーターを引くと大暴れするかもしれません。
 古賀千晶(5.04)は、直近4期の勝率が全て5点台で推移。2、3期前はA2に昇格し、2021と2022年のPGⅠレディースチャンピオンに出場しています。今年は2月の尼崎、5月の平和島でファイナル入り。どちらも男女混合戦での優出だけに価値は倍増です。
 山川波乙(4.81)は、2021、2022年のGⅡレディースオールスターに出場。初出場当時の勝率は2点台でしたが、着実に上昇カーブを描いています。
 島田なぎさ(4.61)は、今期適用勝率の5.89から1点以上落としてますが、原因は4月平和島での負傷帰郷。6月23日から復帰し当初は苦戦をしていましたが、近況はリズムを取り戻しているだけに警戒が必要です。
 前原哉(4.40)は、近年の成績だけを見ればパッとしませんが、2017年10月の丸亀でデビュー初優出、初Vを達成。男女混合戦での優勝に注目が集まりました。
 愛知支部から長崎支部へ移っても頑張っている中北涼、道中のさばきは見どころ十分の深見亜由美、時折放つ一発が魅力の真子奈津実も軽視は禁物です。
 勝率は3点台ですが、笠野友紀恵稲生夏季谷口佳蓮野田なづき来田衣織赤井睦武井莉里佳松尾怜実らもモーター次第では舟券圏内に突入して来ます。
 3点に届いていない北村寧々福山恵里奈中尾優香梅内夕貴奈森田梨湖本田愛沼田七華嶋田有里は見せ場を作って好配当の使者を目指します。
 最後に西村歩はここから復帰予定。2016年前期にはA1歴があり、スタート力が持ち味です。

ドリーム戦メンバー

※成績・年齢は2022/9/6現在のものです。

タブ1

タブ2

タブ3

タブ4

タブ5

タブ6

 2011と2012年にPGⅠレディースチャンピオンを連覇。昨年は念願のPGⅠクイーンズクライマックスを制してティアラを頭上に輝かせた。通算優勝回数は、前記のGⅠ3Vを含む66回。蒲郡でも3Vを挙げているが、2006年7月の蒲郡サマーナイト特別と2019年12月の家康賞は男女混合戦での優勝劇。いつでも、どこでも強い田口だが、当地の走りもしっかりと心得ている。今年8月末時点での女子賞金ランキングは5位。年末へ向けペースアップをもくろむ秋だ。

 キャリアハイは2010年後期の勝率7.08。この年はオールスター、チャレンジカップ、グランプリシリーズのSG大会に出場するなど、ノリにノッていた。その後3度の産休を経験。いずれもA級に返り咲いている点は素晴らしいのひと言だ。加えて、前期は自身3番目のアベレージ(6.67)を残し、産休後では一番の成績。20代の頃はスピードを全面に押し出したレースだったが、現在は教科書通りの走りでポイントを稼ぐ。レーススタイルを変えながら着実に復調ベクトルを歩んでいる。

 レーサー人生で最盛期を迎えつつある。そう断言出来るほど、今の堀之内は崩れない強さがある。これまで8度のA1ボーダーを超えているが、2期続けて超えたことはなかった。それが前期はA1継続に成功。更に今期は7点に迫る勢いで突っ走っている。元々、1マークの決定力がセールスポイントだったが、道中の走りに安定感が出て来た。8月末の時点で女子賞金ランキングは18位。充実期を迎えた今こそ、初のPGⅠクイーンズクライマックス出場へ猛アタックだ。

 8月末時点での女子賞金ランキングは9位。丸亀のPGⅠレディースチャンピオンは、途中帰郷したこともあり、賞金の上乗せを果たせなかったが、この夏の調子は上々だ。7月の大村では2コース差しを届かせ優勝。今期は1着が増え、2~5コースでも勝てるだけの足に仕上げている。蒲郡は14優出2V。かつては地元で勝てないと言われた時期もあったが、近年はプレッシャーに負けることはなくなった。コース不問の立ち回りで地元ファンの声援に応える。

 昨年11月の津ヴィーナスシリーズで産休から復帰。いきなり優出(6着)を果たし、3節目の児島ヴィーナスシリーズでは、3コースからまくって復帰後初Vを飾った。また、2月の浜名湖ヴィーナスシリーズでも、スピードターンがさえ渡り、優勝戦はツケマイ連発!今年2Vを決めた。ポテンシャルの高さは間違いなく一級品だが、同時に事故の多さも抱えている。今期は前期の未消化分を含めて60日のフライング休みを消化。夏場はなかなかリズムに乗れなかっただけに、反撃の秋をテーマに当地へ参戦だ。

 ボートレーサーが調子を落とすケースは、フライングが原因になるケースが多い。前期の山下は、津、江戸川、尼崎で優出して好調だったが、3月の地元戦でスリットオーバー。それでも、何とか期末まで踏ん張り自身3度目のA1勝率を残した。だが、フライング休みを消化して6月7日から戦列に戻ったが、今期勝率は8月末の時点で5.24。なかなか浮上のきっかけをつかめていない。そんな状況下だが、蒲郡との相性は良好。いつも機歴以上に引き出して3優出1Vと活躍している。