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 スタート展示同様に折り合いの着いた枠なりの3対3でスタート。5号艇の笠野友紀恵が立ち遅れた以外は似たようなスリットだったが、グイッと伸びて行ったのが4カドの柴田百恵。1マークは思い切ってツケマイを敢行したが、インの樋口由加里が受け止める。バックストレッチは樋口が半分から一艇身ほどリードし、2マークを内有利に運んだ。
 1着の樋口は「厳しい隊形だったけど、舟がしっかりと返って来ました」と優出一番乗りを決めてニッコリ。「レースでは出足が良かったです」と勝因を挙げた。
 2着の柴田は「初優出することが出来てホッとしてます」と満面の笑み。「これまではバランス型だったけど、準優は優出を目指して伸び寄りで行きました」とチルトを0度にハネたことがファイナル進出へ繋がった。
 4着だった中谷朋子は「4番(柴田)がムチャクチャ出てました」と柴田とのパワー差を認めていた。

 チルト0度だった深見亜由美と刑部亜里紗がややピット離れは劣勢だったが、コースが入れ替わるほどではなく、折り合いの着いた枠なりの3対3で行われた。
 トップショットを決めたのは5コースの刑部。1マークは強気にツケマイ策を選択したが、インの三浦永理が冷静に逃げ態勢を築いた。焦点は次位争い。2コースからクルッと差した金田幸子が内から刑部に接近。2マークで刑部が再びツケマイに行くところを金田が内から併せて優出切符をつかんだ。
 1着の三浦は「足に余裕はないけど、今節はスローのスタートは分かってます」と2走目以降はスタートがしっかりと決まっている。
 2着の金田は「前半は調整を失敗したけど、そのお陰で準優は修正することが出来ました」と調整が合ってターン回りが上向いていたことを喜んだ。
 4着の刑部は「足とかではなく自分の技術が悪かったです」と肩を落としていた。

 ピット離れでは山崎小葉音がやや優勢で池田奈津美がやや劣勢だったが、こちらもコースが入れ替わるほどではなく、枠なりの3対3で大時計の12秒針が動き始めた。
 4カドの山崎がコンマ04のトップスタートを決めて締めて行ったが、3コースの谷川里江が抵抗。インの櫻本あゆみも外が視界に入り応戦気味の先マイになり、5コースの廣中智紗衣がまくり差しを届かせた。
 1着の廣中は「起こしてからスピードが乗らずスタートで遅れてしまったけど、回り足がいいのでうまく差せました」と1マークの絶妙旋回を生んだ仕上がりに胸を張った。
 2着の櫻本は「あの隊形だったけど、ターン回りがいいのでインからうまく残せました」と悔しさを押し殺しながら返答。「2着にはなったけど、まだチャンスはあると思うし、気持ちを切り替えて頑張ります」と前を向いていた。
 4着の山崎は「スタートは全速で行けました。ベストなレースは出来たけど、周りも出てました」と振り返った。

 2月のGⅡレディースオールスター、3月のGⅢオールレディースに続く「蒲郡レディース4部作」の第3弾。「ヴィーナスシリーズ・ムーンライトプリンセス決定戦」が、5月23日から28日までの6日間で熱戦が繰り広げられます。
 ヴィーナスシリーズの特徴として若手選手が多くあっせんされます。3月のGⅢオールレディースと比較してみます。大山千広を基準にすると、GⅢオールレディースは登録番号が全44選手中34番目でしたが、今大会は43選手中21番目です。5000番台の選手も7人から15人と倍増しています。
 今節の選手紹介は、実績面だけでなく、各選手の得意コースなどにもスポットライトを当てています。
 ベテラン組の中で来期勝率トップの中谷朋子を始め、宇野弥生三浦永理金田幸子櫻本あゆみの5選手は、ドリーム戦に選出されているため、特別ブースを設けております。
 7月からのA1返り咲きを決めたのが廣中智紗衣。スタートこそ慎重ですが、その分だけエンジン出しと道中のさばきがしっかりしています。4コースからの2着と5コースからの3着が一番のボリュームゾーン。蒲郡市出身で当地での思い出も多いだけに、かつてのホームプールで美酒を味わいたいところです。
 A1ボーダーはクリアした魚谷香織ですが、出走回数が90走に届かずA2止まり。それでも、2度の産休を経ても常にハイアベレージを残す実力者です。若い頃はスピードで押していましたが、現在は冷静な立ち回りが光ります。ダッシュ枠からでも舟券に貢献するのが頼もしいです。
 2020年8月に当地での優勝歴がある池田浩美はA級常連として安定。3コースからの3連対率が高いです。かつて愛知支部に所属していた滝川真由子は第29代のレディースチャンピオン。4コースからの2着率が高く、2コースからのさばきも上手です。
 今期適用はB級の谷川里江ですが、難なくA2ボーダーを超えました。1コースと3コースの2連対率が五分だけに、配当妙味を考えると狙いは後者でしょうか。笠野友紀恵は2コースからの2着、水口由紀は全コースで1着率より2着率の方が上回っています。木村紗友希はインでの2着が多いです。
 大山千広はドリームメンバーのため、ここでは割愛します。
 前期はA2ボーダーに届かなかった樋口由加里水野望美西澤日花里ですが、反撃を誓って新期に挑んでいます。樋口は通算5Vを挙げ過去には6度のA1実績を残しています。どこが得意と言うよりも、オープンコースから水準以上の走りを披露します。
 水野は通算2Vですが、まだ地元での勲章がありません。いつもモーター運に泣かされている当地だけに、前検日の抽選から真剣勝負です。
 デビュー11年目に初めてA2に昇格した西澤でしたが、前期はわずかにA2ボーダーに届きませんでした。それでも、今年は3月大村で優出2着を決め、A2レベルの実力が身に付いてきたことを証明しています。2~3着タイプでしょう。
 5点台を残したのは薮内瑞希森下愛梨勝浦真帆池田奈津美の4選手。薮内は直近3期が5.29、4.98、5.43とA2への足場は固まって来ました。2コースの走りがしっかりしています。
 森下は長嶋万記からの英才教育を受けA2が視界に入って来ました。仕掛けが慎重なだけに舟券は2~3着で狙った方が正解かもしれません。
 過去一年間の平均スタートタイミングがコンマ13の勝浦。まだ一度もA2に上がっていませんが、インの1着率は72%を誇ります。ただし、攻めるスタイルではなく、1マークの隊形を有利に生かして戦うタイプです。
 池田は2月に唐津で優出(5着)を果たすなど、前期は自己ベストを更新。特筆するほどの得意コースはありませんが、平均スタートタイミングがコンマ15と速く、今後の飛躍が楽しみです。
 4点台にも侮れないレーサーが参戦します。喜多須杏奈は、前回当地戦では男子レーサーを相手に優出(4着)。前期はリズムに乗れませんでしたが、A2に戻れる実力を持っています。
 深見亜由美はスタートが慎重なだけに、どうしても他人に左右されます。よって好成績のコースが決まっており3コースからの2着、4コースからの3着が多いです。
 福岡泉水はデビュー7年目にして初の4点台に乗せて来ました。インや2コースではなかなか勝ち切れませんが、3・5コースからの走りが格段に良くなっています。
 福岡とは対照的に向井田真紀は、インを中心としたスロー水域からポイントを稼いでいます。白石有美島倉都田中博子は強豪不在のレースで頑張りたいところです。
 ここのカテゴリーで、勝率を4点台に乗せている選手は、将来性があるでしょう。来田衣織はセンターの3コースが一番の得意位置。1着より2~3着で狙い撃ちです。
 柴田百恵は1着がインと3コースのみ。2~3着は全コースから絡んでいます。
 川井萌はステップアップを狙った前期でしたが、2期前の4.67には及びませんでした。それでも、106走して44回も舟券に貢献したことは今期での飛躍を予感させます。
 静岡支部の秘密兵器と言えば刑部亜里紗。デビュー期こそ1.29でしたが、2期目に3.32、3期目の前期は4.43も残しました。過去一年間で6コースから83走して24回舟券に絡んでいます。ターンセンスがありスタート勘もいいだけに今後が有望な選手でしょう。スロー水域に入り始めていますが、現状はダッシュ戦の方がスタートやライン取りが決まっています。
 3期連続で4点台半ばを残していた生田波美音ですが、前期は4点を割ってしまいました。それでも、1・2コースではしっかりと稼いでおり、前回のGⅡレディースオールスターでフライングをしてしまった分も汚名返上に燃えます。
 山崎小葉音も3期続けて4点台をキープしていましたが、前期は3点台に下降。インの走りが改善されれば良好な視界が広がって来るでしょう。
 枠なりを主張するようになってグッと上向いたのが坂野さくら。4期連続で1点台でしたが、前期は3.64まで押し上げました。
 人気レーサー北村寧々の動向も気になります。勝率を3点台に乗せ、舟券にも少しずつ絡むようになりました。緩やかながらも毎期アベレージを上げており、ファンの支持を自らの力に変えています。
 吉田彩乃清水未唯もメンバーと枠番次第では舟券に絡める要素があり、吉田杏美山下奈緒は仕掛けが慎重なだけに2~3着の穴目で一考です。
 130期の村田佳奈子嶋田有里沼田七華はデビューから1年が経ち、新たな目標を持って参戦します。

 当地のGⅡレディースオールスターから戦列に復帰。いきなり優出を果たし、話題を集めた。
 その後も万全とは言えない状況でありながら、終わってみれば前期は5優出2V。出走回数が90走に届かずA1はお預けだが、7月からのA2昇格を決めた。
 蒲郡については、今年に入って3度目の参戦で調整面は手の内に入れているだろう。
 大山は全てにおいて基礎がしっかりしているだけに、どのコースからでもキレのあるスタートとターンでレースの主役を演じる。
 蒲郡とは縁がある。デビューが遅れたこともあって当地がボートレーサーとしての出発地点となった。2017年には5コースからまくり差しで優勝。翌年10月には当地ボートレースダービーでSG初出場を果たしている。
 近年は体調を整えて再出発。A1に返り咲き、前期は7点台に乗せるハイアベレージをマークした。
 インの1着率は約70%と、スロー水域での走りは安定感抜群! 3月に続く参戦で調整面でのプラスアルファも見込める。
 2013年に鳴門PGⅠレディースチャンピオンで夏の女王に輝くなど、通算14Vを挙げているが、当地での優勝歴はない。惜しかったのは2020年8月の男女W優勝戦。インからコンマ20で勝機を逃してしまった。リベンジの機会を虎視眈々と狙っている。
 コース別の勝率は内になるほど高くなる基本ベースだが、着度数はハッキリしている。特にダッシュ戦は4コースからの2着、5・6コースは3着の本数が多くなっている。
 細川裕子、大瀧明日香と共に長らく愛知支部をリードしてきたが、今節は両者が不在。宇野に単独エースとしてのプレッシャーがかかるが、心配は無用だ。前期は9優出2Vを飾り、勝率は自己最高タイの6.75を叩き出した。
 速攻派のイメージ通り得意の位置はインとカド。特に4コースの1着率は50%を超え、今節の出場選手ではナンバーワン! それでいて、スローの2・3コースも堅調なだけに、常に舟券作戦からは外せない存在だ。
 20代はキレのあるスタートと迫力のあるターンでクイーンの座に上り詰めた。40代になった今、ベテランの域に突入して泰然自若のレースっぷりが光っている。
 インからは他に隙を与えず逃げ切り1着。2~6コースは巧腕を発揮して2~3着に絡んでいる。舟券的な視点で見ると、6コースからでも約50%の3連対率があるだけに、回収率を考えると外枠での2~3着が最も有効的だ。
 3月のオールレディース戦でも触れたが、彼女はこの3年間(6期間)で交互にA1とA2を繰り返している。5月~10月はA1勝率を残しており、買い場がやって来た。
 イン以外で勝ち星が多いのはセンター戦。3or4コースでは3コースの方が勝率が良く、4カドも二番差しではなく攻める形になった方が好結果に繋がっている。
 これまで当地では優出歴がないものの、得意の夏場に突入しただけに確変に期待だ。